生活困窮者自立支援事業受託
管轄: 厚生労働省 / 根拠法令: 生活困窮者自立支援法第3条
生活困窮者の自立相談支援・就労準備支援等を実施する事業の受託。市区町村からの委託事業。
生活困窮者自立支援事業受託は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用は一般的な水準で、事前に予算を確保しておくと安心です。厚労省の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
まず読む順番
生活困窮者自立支援事業受託とは
生活困窮者自立支援法に基づき、生活保護に至る前段階の困窮者を支援する事業を、福祉事務所を設置する自治体(都道府県・市・特別区、および福祉事務所を置く町村)から受託して実施するものです。「許認可」という言葉が使われますが、実態は行政からの委託契約であり、営業許可のように申請すれば要件充足で必ず取得できるものではありません。自治体が公募(プロポーザル方式が主流)を行い、選定された事業者だけが受託できる競争型の仕組みです。
対象となる事業は法律上、次のように区分されています。
- 自立相談支援事業(必須事業)— 相談受付、アセスメント、自立支援計画(プラン)の作成、関係機関との調整
- 住居確保給付金の支給(必須事業)— 給付金支給に関する相談・申請支援
- 就労準備支援事業(努力義務)— 直ちに就労が困難な人への就労体験・生活習慣形成
- 家計改善支援事業(努力義務)— 家計の見える化、債務整理機関への橋渡し
- 一時生活支援事業 / 地域居住支援事業 — 住居のない人への宿泊場所・衣食の提供
- 子どもの学習・生活支援事業 — 生活困窮世帯の子どもへの学習支援、居場所づくり
受託の中心となるのは社会福祉法人、NPO法人、社会福祉協議会で、株式会社等の営利法人も受託実績はありますが、自治体によっては公募要件で非営利法人に限定される場合があります。
受託に必要な体制
自治体の仕様書で問われるのは、施設や設備よりも「人」と「実績」です。
- 主任相談支援員・相談支援員・就労支援員の配置。国の要領では、これらの支援員は厚生労働省が実施する「生活困窮者自立支援制度人材養成研修」を受講することが求められます
- 社会福祉士・精神保健福祉士の配置は法律上の必須要件ではありませんが、公募の評価項目で加点されることが多く、実質的な要件に近い扱いです
- 個人情報を扱う相談記録の管理体制(施錠可能な保管、アクセス制限、守秘義務規程)
- ハローワーク、福祉事務所、社会福祉協議会、地域の医療・司法機関との連携実績
- 相談者が来所しやすい立地と、プライバシーが確保された相談室
法人格を持たない任意団体では受託できないのが通常です。
申請(応募)の流れと費用
1. 対象自治体の公募情報を確認する。年度ごとに公示され、翌年度4月開始の案件は前年の秋〜冬に公告されることが多い 2. 仕様書・実施要領を入手し、配置人員数、想定相談件数、委託上限額を確認する 3. 参加表明書・企画提案書・見積書・法人登記事項証明書・決算書・納税証明書等を提出する 4. プレゼンテーション審査、選定委員会による評価 5. 選定後、委託契約を締結し、事業開始
費用の内訳は、登記事項証明書や納税証明書などの証明書取得費が数千円程度、提案書作成の実費が中心で、申請手数料は原則かかりません。人材養成研修の受講料・旅費が数千円〜数万円かかる場合があります。金額の目安は自治体・案件規模により異なるため、必ず公募要領で確認してください。
選定されない・差し戻される主な理由
- 支援員の確保が「選定後に採用予定」となっており、開始時点の人員体制を証明できない
- 提案が一般論にとどまり、当該自治体の困窮者の実情(高齢単身世帯が多い、外国人住民が多い等)を踏まえた設計になっていない
- 就労支援や家計改善の具体的な連携先が示されていない
- 見積が委託上限額を超過している、または人件費の積算根拠が不明確
関連する事項と契約後の注意
自立相談支援と併せて、就労訓練事業(いわゆる「中間的就労」)を行う場合は、都道府県知事等による認定を別途受ける必要があります。また、無料職業紹介を行うなら職業安定法上の届出、宿泊場所を提供するなら建物用途や消防法令の適合確認が関わります。
委託は原則として単年度契約で、複数年契約でも年度ごとの更新・実績報告が必須です。支援員の交代、事業所の移転、法人の合併等は速やかに自治体へ届け出る義務があり、無断変更は契約解除事由になり得ます。まずは事業を行いたい自治体のウェブサイトで過去の公募要領と受託事業者名を確認し、現行事業者の体制と自法人の差を把握するところから始めるのが現実的です。
許認可の申請費用としては平均的な金額です。法定の手数料のため、減額や免除は原則ありません。
申請手順
- 1市区町村への事前相談
- 2事業計画の策定
- 3プロポーザル参加
- 4受託決定
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●厚労省管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
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