森林病害虫等防除届出
管轄: 農林水産省 / 根拠法令: 森林病害虫等防除法
森林における病害虫の防除を行う場合の届出。松くい虫被害等への対応。
森林病害虫等防除届出は、比較的スムーズに取得できる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査期間は標準的で、農水省での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
まず読む順番
森林病害虫等防除届出とは何か
森林病害虫等防除届出は、森林病害虫等防除法(昭和25年法律第53号)に基づく手続きです。営業許可のように「これがないと事業を始められない」種類のものではなく、松くい虫(マツノザイセンチュウとマツノマダラカミキリ)やナラ枯れ(カシノナガキクイムシ)といった被害木を伐倒・搬出・処分する際に、都道府県知事へ届け出る性質のものです。
法の中心にあるのは、被害の拡散防止です。マツノマダラカミキリは被害木の中で越冬し、翌春に羽化して健全なマツへ移動します。そのため「被害木をどう扱うか」が制度の焦点になっており、伐倒しただけで放置したり、未処理のまま丸太を他地域へ運んだりする行為が規制対象になります。
誰が関係するか
- 森林所有者、林業事業体(伐採・搬出を請け負う事業者)
- 造園業・土木業のうち、マツ・ナラの枯損木処理を扱う事業者
- 薬剤散布(地上散布・特別防除=空中散布)を受託する防除業者
- 被害木を丸太・チップ・薪として流通させる木材業者、薪・チップ製造業者
高度公益機能森林・被害拡大防止森林として指定された区域では、都道府県知事が伐倒駆除を命じることがあり、この場合は事業者側の届出よりも行政からの命令・指示が先行します。
手続きの流れ
1. 現地の区域指定状況を確認する。保安林、鳥獣保護区、自然公園、松くい虫防除の指定区域に該当するかで必要手続きが変わります。 2. 市町村林務担当課または都道府県の森林事務所(振興局等)に事前相談する。被害木の樹種・本数・処理方法を伝えます。 3. 所定様式で届出書を提出する。様式・提出先・提出期限は都道府県ごとに定められており、統一書式ではありません。 4. 処理方法について指導を受け、実施する。 5. 実施後の報告を求められる場合があります。
費用
届出そのものに手数料はかかりません。実質的な費用は防除作業側に発生します。
- 伐倒駆除費(伐倒・玉切り・集積)
- 薬剤くん蒸費(NCS剤等)、または破砕・焼却処理費
- 樹幹注入(予防)の薬剤・施工費
- 空中散布の場合は実施主体(多くは市町村・森林組合)の事業に組み込まれる
薬剤や処理単価は年度・地域・請負条件で変動するため、見積は地元の森林組合や林業事業体から取ってください。
差し戻し・指導が入りやすい点
- 伐倒したまま被害木を林内放置している(最も多い指摘。くん蒸・破砕・焼却のいずれかまで完了させる必要があります)
- 処理完了前に丸太を移動させた。マツ材の未処理搬出は被害拡大の主要因とされます
- 樹種の同定が誤っている(マツ枯れと他の枯損原因の混同)
- 保安林内での伐採なのに森林法の保安林内作業許可を取っていない
- 空中散布で、実施区域・時期・周知(養蜂、学校、水源、住民説明)の調整が不足している
関連する手続き
森林病害虫等防除法の届出だけで完結するケースは少なく、実務では併行して次が必要になります。
- 森林法の伐採及び伐採後の造林の届出(原則、伐採の90〜30日前に市町村へ)
- 保安林内立木伐採許可(保安林の場合)
- 農薬使用者としての適正使用義務(農薬取締法)、空中散布は都道府県の実施方針に従う
- 産業廃棄物としての処理が生じる場合の廃棄物処理法上の取扱い
変更・継続時の注意
届出は「事業の免許」ではなく「その作業に対する届出」です。区域・本数・処理方法・実施時期を変更する場合は、あらためて相談・届出が必要になると考えてください。また、防除の適期は羽化前(一般に翌春3〜5月の羽化前まで)に処理を終えることが重要で、スケジュールの遅れがそのまま被害拡大につながります。
まず取るべき行動は、対象地の市町村林務担当課へ樹種・所在地・本数・想定する処理方法を持って相談することです。様式と期限は自治体ごとに異なるため、そこで最新の書式を入手するのが最短です。
申請手数料は無料です。書類の準備さえ整えば、費用をかけずに取得できます。
申請手順
- 1防除計画の策定
- 2届出書の作成
- 3都道府県知事への届出
- 4防除作業の実施
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- ●必要書類のチェックリストを作り、一つずつ確実に準備しましょう。
- ●窓口での手続きは比較的スムーズです。混雑を避けるため、開庁直後の来所がおすすめです。
- ●記入例を事前に確認しておくと、その場で迷わず記入できます。
- ●農水省管轄のため、地方農政局や都道府県の農政部門が窓口になります。地域ごとに運用が異なる場合があるので注意しましょう。
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