産業廃棄物処理施設設置許可
管轄: 環境省 / 根拠法令: 廃棄物処理法第15条
産業廃棄物処理施設を設置するための許可
産業廃棄物処理施設設置許可は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
まず読む順番
この許可が必要になる場面
産業廃棄物処理施設設置許可は、廃棄物処理法第15条に基づき、一定規模以上の処理施設を「設置する」こと自体に対して与えられる許可です。廃棄物を扱う業を営むための「産業廃棄物処分業許可」(法第14条)とは別物で、自社処理でも施設が政令基準に達すれば設置許可が必要になります。
対象となるのは、施行令第7条で列挙された施設です。主なものは次のとおりです。
- 焼却施設:処理能力200kg/時以上、または火格子面積2平方メートル以上
- 破砕施設(木くず・がれき類等):処理能力5トン/日超
- 汚泥の脱水施設:10立方メートル/日超
- 廃油の油水分離施設:10立方メートル/日超
- 廃酸・廃アルカリの中和施設:50立方メートル/日超
- 最終処分場(安定型・管理型・遮断型):面積・容量による区分あり
自社の設備がこの数値の下か上かで、手続きの重さが根本的に変わります。まず処理能力の実測値と設計値を確認するのが出発点です。
難易度が高い理由——生活環境影響調査
この許可が他の許認可と決定的に違うのは、申請に先立って生活環境影響調査(ミニアセス)が必要な点です。大気質、騒音、振動、悪臭、水質、地下水などについて、施設稼働による周辺への影響を予測・評価した報告書を作成します。
さらに、焼却施設と最終処分場については、申請後に都道府県知事が申請書類と調査結果を1か月間告示・縦覧し、地域住民や関係市町村長が意見書を提出できる手続きが法定されています。専門委員会の意見聴取が行われることもあります。この縦覧・意見聴取があるため、標準処理期間は自治体により差があるものの、申請から許可まで数か月から1年以上かかることが珍しくありません。
費用の内訳
申請手数料(審査手数料)は12万〜14万円程度が目安ですが、施設の種類・規模によって金額が異なり、自治体によっても差があります。申請前に管轄自治体の手数料条例で確認してください。
実際の総費用は手数料だけでは済みません。
- 生活環境影響調査の委託費:調査項目と期間により数十万円〜数百万円規模
- 構造計算・設計図書の作成費
- 行政書士・コンサルタントへの委託費
- 建築基準法第51条の都市計画上の手続き費用
よくあるつまずき
- 都市計画法・建築基準法第51条との不整合:焼却施設や最終処分場は原則として都市計画で位置が決定されていることが必要で、市町村の同意や都市計画審議会の手続きが別途要ります。廃掃法の許可だけを見て土地を取得すると行き詰まります。
- 生活環境影響調査の項目・手法の不足:着手前に自治体と項目を協議しておかないと、やり直しになります。
- 技術上の基準への不適合:焼却施設の燃焼室出口温度800℃以上の維持、燃焼ガス滞留時間、排ガス冷却設備、ばいじん除去設備など、施行規則の構造基準を満たす設計であること。
- 欠格要件:法人役員や政令使用人に廃掃法違反等の該当者がいると不許可になります。
- 事前協議の省略:多くの自治体が条例・要綱で法定申請前の事前協議や住民説明会を義務づけています。ここを飛ばした申請は受理されません。
関連する許認可
処理施設を持ち、他人の廃棄物を受け入れて処分するなら、施設設置許可に加えて産業廃棄物処分業許可(法第14条)が必要です。特別管理産業廃棄物を扱うならさらに別許可になります。運搬も自社で行うなら収集運搬業許可、施設によっては大気汚染防止法のばい煙発生施設届出、水質汚濁防止法の特定施設届出、消防法の危険物施設許可も並行します。
更新・変更
許可自体に有効期限はありません(処分業許可の5年更新とは異なる点に注意)。ただし、処理能力の変更、構造の変更、位置の変更などは変更許可の対象で、軽微な変更は届出です。どちらに該当するかの線引きは施行規則と自治体の運用で決まるため、設備更新を計画した段階で管轄自治体へ照会してください。無許可の変更は許可取消事由になります。
次にすべきこと
1. 設置予定設備の処理能力を施行令第7条の数値と突き合わせ、対象施設か判定する 2. 予定地について、都市計画法・建築基準法第51条上の位置づけを都市計画部局に確認する 3. 管轄自治体の廃棄物指導課へ事前相談し、事前協議要綱・手数料額・標準処理期間・生活環境影響調査の項目を確認する 4. 調査開始前に項目・手法を自治体と合意する
制度の詳細および最新の運用は、環境省および設置予定地を管轄する都道府県・政令市の廃棄物担当部局にご確認ください。
高額な申請費用と複雑な手続きが伴います。書類不備による再申請を避けるため、専門家のサポートを受けることを強く推奨します。
申請手順
- 1都道府県知事に申請
- 2生活環境影響調査の実施
- 3縦覧・意見聴取
- 4許可証の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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