産業廃棄物処理業に必要な許認可
産業廃棄物の収集・運搬・処分
産業廃棄物処理業で最初に押さえる許可の構造
この業種で迷いやすいのは「収集運搬」と「処分」が完全に別許可だという点です。トラックで集めて運ぶだけなら産業廃棄物収集運搬業許可、破砕・焼却・脱水などの中間処理や埋立をするなら産業廃棄物処分業許可が要ります。両方やるなら両方取得が必要で、片方では他方の業務はできません。
さらに事業の入口を絞ると、扱う廃棄物に感染性・廃油・廃酸・PCBなどが含まれる場合は通常許可では足りず、特別管理産業廃棄物処理業許可(収集運搬・処分それぞれ別建て)になります。最初に「自社が触る廃棄物の種類」を確定させないと、取るべき許可がぶれます。
取得の順序と依存関係
おおまかな順序は次のとおりです。
- まず法人でやるなら法人設立登記を済ませる(個人なら個人事業の開業届)。許可は法人・個人単位で出るため、後から法人化すると取り直しになる
- 次に講習会を受講する。収集運搬・処分それぞれに修了証が必要で、これがないと申請を受け付けてもらえない
- 収集運搬は事業を行う都道府県ごとに許可が要る。積込地と荷下ろし地の両方の知事許可が必要なので、県をまたぐ運搬は複数許可になる
- 処分業や施設を持つ場合は、焼却炉・破砕機などの規模次第で産業廃棄物処理施設設置許可が別途必要。これは住民説明・生活環境影響調査を伴い、半年〜数年かかる重い手続き
施設を設けると、その付帯として大気汚染防止法ばい煙発生施設届出、悪臭防止法特定悪臭物質届出、公害防止管理者資格の選任、毒物劇物廃棄届出などが連鎖的に発生します。
費用の目安
- 収集運搬業許可: 申請手数料が新規で1自治体あたり約81,000円。複数県なら県数分かかる
- 処分業許可: 新規で約100,000円程度(自治体により異なる)
- 講習会受講料: 収集運搬で約3万円前後、処分はより高額
- 車両・保管場所・処理設備、財務状況を示す書類整備のコストは別途。許可には経理的基礎(黒字や債務超過でないこと)が問われるため、決算内容も実質的な要件になる
施設設置許可を伴う場合は調査・環境対策で桁が変わります。
見落としやすい届出とつまずき
- 廃車・金属を扱うなら自動車リサイクル法破砕業者許可や使用済自動車破砕業許可、トラックスケール検定が絡む
- PCBを保管・処理するならPCB廃棄物保管届出・PCB廃棄物届出が必須で、処分には期限がある
- 解体現場の廃材を扱うと建設業許可(清掃施設工事)や建設廃棄物処理計画書、廃棄物を国外に出すなら廃棄物輸出入許可が関係する
最大のつまずきは「運搬だけのつもりが、保管基準・帳簿・マニフェスト管理まで義務化される」点と、許可は5年更新で更新を切らすと無許可営業になる点です。許可取得後の運用体制まで含めて準備期間(実務上3〜6か月、施設系はそれ以上)を見込んでください。