ドローン配送サービス許可
管轄: 国土交通省 / 根拠法令: 航空法・道路交通法
ドローンを利用した荷物配送サービスの許可。物流ドローンによるラストマイル配送が対象。
ドローン配送サービス許可は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。なお、1年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
何のための許認可か
ドローン配送サービスは、無人航空機(重量100g以上)を使って荷物を運ぶ事業であり、機体を飛ばす行為そのものが航空法の規制対象になります。とくに配送は「住宅や人がいる場所の上空(有人地帯)を、操縦者の目の届かない範囲まで飛ばす(目視外飛行)」という、航空法で最も厳しく管理される飛行形態に該当します。これがいわゆる「レベル4飛行」で、ラストマイル配送を本格展開するうえで避けて通れません。
対象になるのは、物流・EC・小売・医薬品配送・離島や山間部への輸送などを手がける事業者です。倉庫敷地内など限定空間だけで完結する運用と、市街地の第三者上空を飛ぶ運用とでは、必要な手続きの重さが根本的に変わります。
取得の必須要件
レベル4(有人地帯の目視外飛行)を行う場合、次の3点がそろって初めて飛行が認められます。
- 機体認証(第一種型式認証または第一種機体認証):配送に使う機体が国の安全基準を満たすことの証明。市販機でも第一種型式認証を取得した機種でなければレベル4には使えません。
- 一等無人航空機操縦士の技能証明:操縦者には国家資格(一等ライセンス)が必要です。レベル4未満の運用は二等で足りる場合があります。
- 国土交通大臣の飛行許可・承認:上記がそろっても、運航ごとに飛行経路・運航体制を審査する許可・承認が別途必要です。
加えて、すべての無人航空機に共通して機体登録とリモートID搭載が義務づけられています。
申請の流れ
1. 機体登録(DIPS2.0)とリモートID対応を済ませる 2. 配送機体の機体認証、操縦者の技能証明を取得する 3. 運航形態(経路・高度・対象エリア・緊急時手順)を固め、運航リスク評価と運航マニュアルを整備する 4. DIPS2.0から飛行許可・承認を申請し、審査を受ける 5. 許可取得後、運航・整備・点検の記録を継続する
レベル4は個別審査が中心で、標準的な包括申請では通らず、運用実態に踏み込んだやり取りが発生します。
費用の内訳
申請費用の目安(20万〜100万円)は、おおむね次の要素で構成されます。
- 機体認証・型式認証に関わる費用(機体価格とは別)
- 一等操縦ライセンスの取得・講習費用(操縦者数に比例)
- 運航マニュアル・リスク評価書の作成、行政書士等への手続き委託報酬
- 第三者賠償責任保険(対人・対物)の保険料
機体本体の調達費は別途必要で、上記には含まれません。正確な額は機種・運航規模・委託範囲により異なります。
よくある不許可・差し戻し理由
- 運航リスク評価が不十分で、第三者の安全確保策(墜落時の被害軽減、飛行中止判断)が具体化されていない
- 飛行経路上の第三者立入管理や、通信途絶・GPSロスト時の手順が曖昧
- 機体の整備・点検体制や操縦者の訓練記録が示せない
- 認証を受けていない機体でレベル4相当の運用を申請している
審査では「事故が起きないか」より「事故が起きた時にどう被害を抑えるか」を厳しく問われます。
関連・付随する許認可
地上の受け渡し拠点やポート設置に伴い、設置場所の用途・電波利用(無線局免許や技適)が論点になることがあります。医薬品を運ぶなら医薬品関連の許可、危険物なら別途規制が重なります。配送経路や離着陸地点の地上管理で、道路・私有地の使用に関する調整が必要になる場合もあります。
更新・変更時の注意
機体認証・操縦ライセンス・飛行許可承認にはそれぞれ有効期間があり、期限管理が欠かせません。機体の改造、運航エリアの拡大、運航体制の変更があれば、再申請や変更手続きが必要です。事故・重大インシデントは国への報告義務があり、報告を怠ると以後の許可取得に影響します。まずは自社が「第三者上空の目視外飛行(レベル4)」に該当するかを切り分け、該当するなら機体・操縦者・運航体制の3点を同時に準備し始めるのが現実的な第一歩です。
申請費用が高額なため、事業計画に組み込んだ上で余裕を持った資金準備をおすすめします。
申請手順
- 1配送ルートの飛行経路設定と安全評価
- 2配送用ドローンの機体認証取得
- 3配送事業としての飛行許可申請
- 4飛行許可証の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●国交省管轄の許認可は、地方整備局が窓口になるケースが多いです。管轄エリアを事前に確認しましょう。
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