ファイナンシャル・プランニング相談業務届出
管轄: 金融庁 / 根拠法令: 金融商品取引法
FP業務のうち投資助言に該当する場合の金融商品取引業者登録。単なる相談は届出不要。
ファイナンシャル・プランニング相談業務届出は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
この届出が必要になる線引き
ファイナンシャル・プランニングの相談業務そのものは、ライフプラン設計、家計の見直し、保険や住宅ローンの一般的なアドバイス、公的制度の説明にとどまる限り、金融庁への登録も届出も必要ありません。問題になるのは、相談の中で「個別の有価証券の価値」や「投資判断(どの銘柄を、いつ、いくら売買すべきか)」について助言し、その対価を受け取る場合です。これは金融商品取引法上の「投資助言業」に該当し、無登録で行うと同法違反(無登録営業)として処罰対象になります。
注意したいのは、これが正確には「届出」ではなく金融商品取引業(投資助言・代理業)の**登録**である点です。単なる相談か、投資助言に踏み込むかで手続きの重さが全く変わるため、まず自分の業務がどちらに当たるかの線引きが最初の意思決定になります。
投資助言に当たる/当たらないの具体例
- 不要:「老後資金として年間いくら積み立てるべきか」「iDeCoとNISAのどちらが制度上有利か」といった一般論・制度説明
- 必要:「○○社の株は今が買い時」「この投資信託を解約して別の商品に乗り換えるべき」といった個別銘柄・個別商品の売買推奨を、報酬を得て継続的に行う
書籍やセミナーで不特定多数に一般的な相場観を述べる行為は助言業に当たらないとされますが、会員制で個別助言を提供する形態は登録が必要になりやすい、という判断軸を持っておくと整理しやすくなります。
投資助言・代理業の登録要件
登録に進む場合、主に次の要件を満たす必要があります。
- 営業保証金500万円の供託(金銭または有価証券で法務局に供託。事業の担保であり、廃業時には返還される性質の資金)
- 人的構成:投資助言を適切に行える知識・経験を有する役員・使用人の確保。コンプライアンス体制(法令遵守責任者の設置など)の整備
- 個人で行う場合も登録可能だが、利益相反防止や顧客資産との分別など内部管理体制を文書で示せること
- 法人・個人ともに、欠格事由(一定の犯罪歴、過去の登録取消し等)に該当しないこと
法人形態が必須ではありませんが、体制整備の説明のしやすさから法人で申請する例が多いです。
申請の流れと費用
申請先は本店所在地を管轄する**財務局**(金融庁の出先機関)です。事前相談 → 申請書類・業務方法書の作成 → 提出 → 審査(補正対応を含む)→ 登録、という流れになります。審査では業務方法書の内容を細かく確認されるため、事前相談に時間をかけるのが実務上の通例です。
費用の内訳は概ね次のとおりです。
- 登録免許税:15万円(=費用目安の上限)
- 営業保証金:500万円の供託(費用というより拘束される資金。別枠で必要)
- 専門家に書類作成を依頼する場合の報酬
「0〜150,000円」という目安は登録免許税の幅を指したもので、実際には供託金500万円の用意が事実上の大きなハードルになります。これが難易度hardとされる理由です。
よくある差し戻し・登録拒否の理由
- 業務方法書が抽象的で、助言の方法・利益相反の管理・顧客への重要事項説明の手順が具体的に書けていない
- コンプライアンス体制・人的構成が実態を伴わず、形式的な記載にとどまっている
- 助言業と販売・勧誘の区別が曖昧で、無登録の代理・媒介に踏み込んでいる
関連・付随する手続き
顧客に代わって金融商品の契約締結を媒介する場合は「代理業」も併せた登録が、顧客資産を預かって運用判断まで一任する場合は「投資運用業」という別カテゴリの登録が必要になります。また登録後は日本投資顧問業協会等への加入を求められる場合があるほか、事業内容・役員・所在地の変更時には**変更届出**が必要です。登録後も継続的な報告義務・検査対応が生じる点も、開業前に織り込んでおくべきです。
自分の業務が「相談どまり」か「投資助言」かの判断に迷う場合は、想定する具体的なサービス内容を整理したうえで、管轄財務局の事前相談を利用するのが確実な次の一手です。
高額な申請費用と複雑な手続きが伴います。書類不備による再申請を避けるため、専門家のサポートを受けることを強く推奨します。
申請手順
- 1金融庁への事前相談
- 2業務内容の整理
- 3登録申請書類の提出
- 4審査
- 5登録決定
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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