財務コンサルティングに必要な許認可
財務・資金調達のコンサルティング
財務コンサルティングの開業に必要な許認可の全体像
財務コンサルティングという業務そのものに、開業を許す単一の免許はありません。法人の資金繰り改善や資金調達支援、財務分析にとどまる限りは、個人事業の開業届を税務署へ出すか、法人設立登記を行えば事業を始められます。問題は「助言の中身が法律で独占・規制された領域に踏み込むか」で、ここを誤ると無登録営業になります。
具体的な金融商品の売買を勧めて報酬を得るなら投資助言・代理業登録、銀行・証券・保険の各商品を横断して仲介するなら金融サービス仲介業登録が必要です。証券会社に所属して株式・投信を仲介するIFA(独立系金融アドバイザー)として動くには金融商品仲介業者としての登録が前提になります。企業や債券の信用格付けを公表して提供するなら信用格付業者登録、企業型・個人型DCの運営に関わるなら確定拠出年金運営管理機関登録が要ります。これらはいずれも金融庁・財務局所管で、人的構成や財産的基礎の審査があります。
税務相談・申告書作成は税理士の独占業務で、財務コンサルが踏み込めません。税理士有資格者が法人化する場合のみ税理士法人設立届出を行います。
取得すべき順序と依存関係
順序は「事業の器→届出→登録」です。まず個人事業の開業届、または法人設立登記で事業主体を確定します。次に、提供するサービスを切り分け、規制業務に当たるかを判定します。規制業務がなければ届出だけで開業可能です。投資助言・代理業登録や金融サービス仲介業登録は、法人としての体制(コンプライアンス担当・最低資本・営業保証金等)が整って初めて申請できるため、必ず法人設立が先になります。補助金申請支援を主力にするなら、設立後に認定経営革新等支援機関の認定を取り、ものづくり補助金等の事業計画支援を正式に名乗れるようにします。
費用の目安
個人の開業届は無料、法人設立登記は実費で株式会社が約24万円(登録免許税15万円+公証人手数料等)、合同会社で約10万円。投資助言・代理業登録は営業保証金500万円の供託が必須で、ここが最大の壁です。認定経営革新等支援機関の認定申請自体に大きな費用はかかりませんが、実務経験・財務支援の実績要件があります。FP技能士やAFP・CFP、USCPAは資格取得・登録維持の費用(受験料・年会費)が継続的に発生します。
見落としやすい届出・つまずき
最も多いのが、無登録での投資助言です。「この投信を買うべき」と個別銘柄を有償で推奨した時点で金商法の登録対象になり得ます。一般的な財務分析・資金繰り表作成にとどめるか、登録を取るかを明確に線引きしてください。次に税務との境界。節税の具体的助言は税理士法違反になりやすく、提携税理士へつなぐ設計が安全です。FP相談業務を看板にする場合、ファイナンシャル・プランニング相談業務の届出やFP技能検定合格証書・AFP/CFP認定の有無で名乗れる範囲が変わります。要否が判然としない領域は所管財務局へ事前相談し、開業前に確定させておくのが確実です。