後発医薬品製造販売承認
管轄: 厚生労働省 / 根拠法令: 医薬品医療機器等法第14条
ジェネリック医薬品の製造販売に必要な承認。先発医薬品との生物学的同等性の証明が求められる。
後発医薬品製造販売承認は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
まず読む順番
後発医薬品製造販売承認とは何か
医薬品医療機器等法(薬機法)第14条に基づく製造販売承認のうち、既に承認されている先発医薬品と有効成分・分量・用法用量・効能効果が同一の医薬品について取得するものです。先発品で確立された有効性・安全性データを援用できるため、臨床試験(治験)の大部分が免除される点が新医薬品との決定的な違いです。
対象となるのは、製造販売業の許可を持つ製薬企業です。個々の製品ごとに承認を取得する必要があり、1品目取得しても別の成分・剤形では改めて申請が必要です。
前提となる許可 — 承認だけでは製造販売できない
承認(品目ごと)と許可(業者ごと)は別制度です。承認を申請する前に、以下が揃っている必要があります。
- 医薬品製造販売業許可(第一種または第二種)— 都道府県知事許可
- 製造所の医薬品製造業許可(自社製造の場合。外部委託なら委託先が保有)
- GQP省令(品質管理)およびGVP省令(製造販売後安全管理)への適合体制
- 総括製造販売責任者、品質保証責任者、安全管理責任者の設置
責任者要件は薬剤師であることが原則です(一部、薬学系・化学系の学歴と実務経験による代替規定あり)。この体制構築が実務上の最大のハードルで、承認申請そのものより先に数か月〜年単位を要します。
生物学的同等性試験が承認可否を決める
後発品審査の中核は「先発品と体内動態が同等か」の立証です。
- 経口固形製剤では、健康成人を対象としたクロスオーバー試験でAUC(血中濃度-時間曲線下面積)とCmax(最高血中濃度)を比較する
- 判定は対数変換値の平均値の差の90%信頼区間が log(0.80)〜log(1.25) の範囲に収まること
- 詳細は「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」に規定され、剤形(腸溶錠、徐放製剤、外用剤、注射剤等)ごとに要求が異なる
- 注射剤や点眼剤など、処方が同一で溶解状態のものは試験免除となる場合がある
この試験は治験実施医療機関への委託が必要で、後述のとおり費用の大部分を占めます。
申請の流れ
1. 製造販売業許可・GQP/GVP体制の整備、製造所の確保(自社または委託) 2. 原薬の入手先確定とマスターファイル(MF)登録の確認 3. 規格及び試験方法の設定、安定性試験(長期保存試験・加速試験)の実施 4. 生物学的同等性試験の実施 5. CTD(コモン・テクニカル・ドキュメント)形式で申請資料を作成し、PMDAへ申請 6. PMDAによる適合性書面調査・GMP適合性調査 7. 厚生労働大臣による承認
後発品の申請受付は例年2月・8月の年2回に集約され、承認は概ねその半年〜1年後にまとまって行われる運用です。この時期を外すと次の枠まで待つことになるため、スケジュール逆算が重要です。
費用の内訳
提示されている20万〜200万円は、あくまでPMDAへ納付する審査手数料の範囲です。区分(新規承認か一部変更承認か、実地調査の有無)によって金額が変わります。実際の総コストはこれとは桁が異なり、
- 生物学的同等性試験の委託費:1品目あたり数千万円規模になることが一般的
- 安定性試験、規格試験の実施費用
- GMP適合性調査手数料(別途)
- 申請資料作成・薬事コンサル費用
手数料の正確な額はPMDAが公表する手数料額表で、申請区分ごとに確認してください。
つまずきやすい点
- 溶出試験の結果が先発品と一致せず、処方の再設計からやり直しになる
- 安定性試験のデータ不足により、希望する有効期間が認められない
- 原薬供給元の変更や海外製造所のGMP不備で、調査段階で止まる
- 添加物が先発品と異なる場合の妥当性説明が不十分
承認後の変更手続き
製造所の変更、原薬供給元の変更、規格の変更などは、影響度に応じて「一部変更承認申請」または「軽微変更届出」に分かれます。一変申請が必要な事項を届出で処理すると法令違反となるため、変更前に該当区分をPMDAの相談窓口で確認してください。承認自体に有効期限はありませんが、製造販売業許可は5年ごとの更新が必要です。
次に着手すべきこと
まず薬機法上の許可体制(製造販売業許可・GQP/GVP・三役設置)が現時点で揃っているかを確認してください。未整備であれば、承認申請の検討より先にそちらが出発点になります。品目選定の段階では、PMDAの対面助言(後発医薬品等相談)を利用し、生物学的同等性試験の設計と申請区分を事前に固めておくことで、差し戻しリスクを大きく下げられます。
申請費用が高額なため、事業計画に組み込んだ上で余裕を持った資金準備をおすすめします。
申請手順
- 1先発医薬品との同等性試験を実施する
- 2試験データ、品質データ等を準備する
- 3製造販売承認申請をPMDAに提出する
- 4審査通過後、承認が付与される
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●厚労省管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
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