特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)認可
管轄: 厚生労働省 / 根拠法令: 老人福祉法第15条
要介護高齢者が入所する特別養護老人ホームの設置認可。社会福祉法人または地方公共団体が設置主体。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)認可は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
何のための認可か
特別養護老人ホーム(特養)は、常時介護を必要とし在宅生活が困難な高齢者が入所する生活施設です。老人福祉法第15条に基づき、都道府県知事(指定都市・中核市は市長)の設置認可を受けて開設します。介護保険法上は「介護老人福祉施設」と呼ばれ、こちらの指定も別途必要になる二本立ての制度である点が、有料老人ホームやサ高住との決定的な違いです。
入所対象は原則として要介護3以上の方で、特例入所を除き要介護1・2は入所できません。看取りまで対応する終の住処としての性格が強く、公的性格の高い施設に位置づけられます。
設置主体の制限
最大の参入障壁は設置主体の制限です。特養を設置できるのは、原則として地方公共団体と社会福祉法人に限られます(老人福祉法第15条)。株式会社・医療法人・NPOは設置できません。
- 法人を持たない場合、まず社会福祉法人の設立認可が必要
- 社会福祉法人設立には基本財産の要件があり、施設用地・建物の自己所有が原則
- 措置施設としての公益性から、理事構成や評議員会の設置など厳格なガバナンスが求められる
人員・設備の基準
認可には介護保険法の指定基準を満たす人員・設備が必要です。
- 人員:施設長、医師(非常勤可)、生活相談員、介護・看護職員(入所者3名に1名以上)、機能訓練指導員、栄養士、介護支援専門員
- 設備:居室は原則個室(ユニット型)、1人あたり床面積10.65㎡以上、食堂・機能訓練室・医務室・浴室・静養室等
- 近年の新設はユニットケア(10人程度を1ユニット)が標準
申請の流れと「総量規制」
特養は自由開設ができません。都道府県・市町村の介護保険事業(支援)計画で必要入所定員総数が定められ、計画を超える地域では認可されない総量規制があります。
- 多くは自治体が整備計画に基づき運営法人を公募(プロポーザル方式)
- 公募で選定 → 社会福祉法人設立・施設整備 → 設置認可申請 → 介護老人福祉施設の指定 → 開設
- 着工前に施設整備の協議・補助金内示を経るため、計画から開設まで数年単位
費用の考え方
- 設置認可申請そのものの手数料は無料〜数万円程度(自治体により異なる)
- 実際の負担は建設費(数億〜十数億円規模)と社会福祉法人の基本財産
- 施設整備費は国・自治体の補助金、独立行政法人福祉医療機構(WAM)の融資を活用するのが一般的
よくある不認可・差し戻し理由
- 介護保険事業計画の整備枠を超えており、そもそも公募対象外
- 社会福祉法人としての財政的基盤・資金計画の裏付け不足
- 人員配置基準・面積基準・防火避難設備が指定基準に未達
- 用地の権利関係(所有・地目・都市計画法上の用途地域)が未整理
開設後の注意
- 認可後は介護保険の運営基準を継続的に遵守し、実地指導・監査の対象となる
- 施設長交代、定員変更、増改築は変更認可・変更届が必要
- 介護報酬改定や運営基準改正への対応が不可欠
まず着手すべきは、開設予定地の自治体の介護保険事業計画で整備枠と公募予定を確認することです。枠がなければ認可自体が不可能なため、用地や資金の検討より先に自治体の高齢福祉担当課への事前相談を行ってください。
高額な申請費用と複雑な手続きが伴います。書類不備による再申請を避けるため、専門家のサポートを受けることを強く推奨します。
申請手順
- 1都道府県への事前相談
- 2社会福祉法人の設立(未設立の場合)
- 3施設整備計画の策定
- 4認可申請書類の提出
- 5審査・認可決定
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●厚労省管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
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