ネットショップ開設届出(特定商取引法)
管轄: 経済産業省 / 根拠法令: 特定商取引法第11条
インターネットを通じた通信販売を行う際の特定商取引法に基づく表示義務。
ネットショップ開設届出(特定商取引法)は、比較的スムーズに取得できる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。経産省の審査は比較的迅速で、早ければ1週間程度で結果が出ます。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
この届出の正体 — 「申請」ではなく「表示義務」
「ネットショップ開設届出」という名称が独り歩きしていますが、特定商取引法第11条は、どこかの役所に書類を提出して許可をもらう制度ではありません。インターネット通信販売を行う事業者に対し、広告(=商品ページや特商法表記ページ)へ一定の事項を表示することを義務づけるルールです。経済産業省や消費生活センターへの事前申請・登録は不要で、費用もかかりません。つまり「届け出れば営業できる」のではなく、「正しい表示をしていなければ違法になる」という性質の規制です。
対象になる事業者
- 自社サイト、BASE・STORES・Shopify などのカートで物品・サービスを販売する個人/法人
- Amazon・楽天・Yahoo!ショッピング等のモールに出店する事業者
- 継続反復して販売する意思がある場合は、副業・個人でも対象(メルカリ等での単発の不用品売却は対象外)
表示が必須の事項(特商法第11条・施行規則)
商品ページまたは「特定商取引法に基づく表記」ページに、最低限以下を明記します。
- 販売価格・送料・その他の付帯費用
- 代金の支払時期と支払方法
- 商品の引渡し(役務提供)時期
- 返品の可否・条件・送料負担(返品特約)
- 事業者の氏名(法人名)・住所・電話番号
- 申込みの有効期限がある場合はその期限
- 販売数量の制限など特別な条件
つまずきやすい3点
最も多いのが「返品特約の記載漏れ」です。返品の可否・条件を明示していないと、特商法上、購入者は商品到着後8日以内であれば自己負担で返品できる権利(法定返品権)を持ちます。返品不可にしたいなら、その旨を明確に表示しておく必要があります。
次に「住所・電話番号の省略」。プライバシーを理由に非表示にするケースがありますが、原則は表示義務があります。個人事業主で自宅を出したくない場合は、バーチャルオフィス等の検討が現実的です。
三つ目は2022年改正で強化された「最終確認画面」の表示。定期購入(サブスク)では、総額・解約条件・契約期間を申込み確定画面に明示しないと、いわゆる「定期縛り」トラブルとして行政処分・取消しの対象になります。
扱う商材によっては別の許認可が必要
特商法表記だけで開業できるとは限りません。商材ごとに以下が併せて必要です。
- 中古品の販売・買取 → 古物商許可(警察署・公安委員会)
- 酒類のネット販売 → 通信販売酒類小売業免許(税務署)
- 食品・自家製品の販売 → 食品衛生法上の営業許可・届出(保健所)
- 健康食品・化粧品・医薬部外品 → 薬機法上の表示規制・製造販売業許可
変更・運用時の注意
特商法表記は一度作って終わりではありません。住所・電話番号・代表者・返品条件・価格体系を変更したら、表記ページも速やかに更新します。記載が実態と食い違っていると、景品表示法(優良誤認・有利誤認)や特商法の不実告知に問われる可能性があります。表記内容は商材・販売形態が変わるたびに見直すのが安全です。
申請手数料は無料です。書類の準備さえ整えば、費用をかけずに取得できます。
申請手順
- 1特定商取引法に基づく表記を作成
- 2事業者名・住所・連絡先等を掲載
- 3返品ポリシーの明示
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- ●必要書類のチェックリストを作り、一つずつ確実に準備しましょう。
- ●窓口での手続きは比較的スムーズです。混雑を避けるため、開庁直後の来所がおすすめです。
- ●記入例を事前に確認しておくと、その場で迷わず記入できます。
- ●経産省管轄の許認可は、経済産業局の窓口で手続きするケースがあります。オンライン申請が利用可能か確認してみましょう。
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