特別管理産業廃棄物処分業許可
管轄: 環境省 / 根拠法令: 廃棄物処理法第14条の4第6項
特別管理産業廃棄物の処分を行うための許可
特別管理産業廃棄物処分業許可は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。なお、5年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
まず読む順番
特別管理産業廃棄物処分業許可とは
事業活動から出る産業廃棄物のうち、爆発性・毒性・感染性など人の健康や生活環境に被害を生じるおそれがある性状のものを「特別管理産業廃棄物」といいます。廃PCB等、廃石綿等、感染性産業廃棄物、廃酸・廃アルカリ(pH2.0以下またはpH12.5以上)、水銀使用製品産業廃棄物由来の廃水銀等、有害物質を基準値超で含む燃え殻・汚泥・鉱さい・ばいじん・廃油などが該当します。
この許可は、他人から委託を受けてこれらを中間処理(焼却、溶融、破砕、中和、消毒など)または埋立処分するために必要です。運搬だけを行う場合は「特別管理産業廃棄物収集運搬業許可」であり、本許可では運搬はできません。自社で排出した特管物を自ら処分する場合は業許可は不要ですが、特別管理産業廃棄物管理責任者の設置義務は残ります。
許可権者と申請先
処分業の許可権者は、施設の所在地を管轄する都道府県知事、または政令市(保健所設置市等)の長です。処分施設を複数の自治体に持つ場合は、施設ごとにその所在自治体へ申請します。収集運搬業と違い「積卸し地ごと」ではなく「施設の場所」が基準になる点を押さえてください。
取得の必須要件
- 施設要件: 取り扱う特管物の種類・処理方法に応じた処理施設を有すること。焼却炉や汚泥の脱水施設など一定規模以上のものは、廃棄物処理法第15条の**施設設置許可**が別途必要で、こちらが実務上の最大の関門です。
- 技術的能力: 特別管理産業廃棄物処理業の講習会(日本産業廃棄物処理振興センター=JWセンター実施)の修了証が必要です。処分課程は収集運搬課程と別物で、新規と更新でも課程が分かれます。
- 経理的基礎: 直近3期分の決算書、納税証明書等で継続的な事業遂行能力を示します。債務超過や連続赤字があると、改善計画書や中小企業診断士等の所見の提出を求められることが多くあります。
- 欠格要件に該当しないこと: 役員・株式の5%以上を持つ株主・政令使用人まで審査対象です。廃棄物処理法違反等による許可取消しから5年、暴力団関係者の排除規定も含みます。
- 事業場ごとの特別管理産業廃棄物管理責任者の設置(該当する場合)。
申請の流れ
1. 取り扱う特管物の種類・処理方式を確定し、施設所在地の自治体窓口へ事前相談 2. 施設設置許可が必要な場合はその手続き(生活環境影響調査、告示縦覧、住民説明を含む)を先行 3. JWセンター講習会の受講・修了 4. 申請書、事業計画、施設の構造・処理能力を示す図面、資金計画、経理関係書類、欠格要件関係書類を作成 5. 申請・手数料納付 → 書類審査 → 現地立入検査 → 許可証交付
標準処理期間は自治体により異なりますが、おおむね2〜3か月程度が目安とされます。施設設置許可を伴う場合は、生活環境影響調査と告示縦覧の期間を含めて年単位を見込む必要があります。
費用
- 申請手数料: 新規で概ね10万円程度(自治体の条例で定めるため要確認)
- 講習会受講料: 数万円程度
- 上記に加え、施設設置許可の手数料、生活環境影響調査(アセスメント)の外注費、施設整備費が別途発生します。手数料は申請の入口にすぎず、総投資額の大半は施設側にあります。
よくある不許可・差し戻し理由
- 処理方式と施設の処理能力が、申請した特管物の性状に対応していない(例: 感染性廃棄物に対する消毒・焼却工程の裏づけ不足)
- 保管場所の面積・高さ、飛散流出防止措置、掲示板の記載が基準を満たしていない
- 経理的基礎の不足(債務超過、直近期の大幅赤字)
- 役員の登記漏れや変更未反映による欠格要件審査での不整合
- 施設設置許可が未了のまま業許可を先行申請してしまう
更新・変更時の注意
許可の有効期間は5年(優良認定を受けた場合は7年)です。更新には更新用講習会の修了証が必要で、修了証の有効期間内に申請できるよう逆算して受講してください。有効期間満了後の申請は新規扱いとなり、その間は事業を継続できません。
役員・使用人の変更、事業範囲の変更、施設の構造変更は、内容により事前の変更許可または事後の変更届(多くは10日以内)が必要です。特に取り扱う廃棄物の種類を増やす場合は変更許可であり、届出では足りません。
処分業では、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の処分終了報告、帳簿の記載・5年保存、毎年6月末までの実績報告が継続的な義務となります。これらの不備は更新時の審査や立入検査で指摘されるため、許可取得後の運用体制もあわせて設計してください。
高額な申請費用と複雑な手続きが伴います。書類不備による再申請を避けるため、専門家のサポートを受けることを強く推奨します。
申請手順
- 1都道府県知事に申請
- 2特管産廃処理施設の設置許可
- 3講習会の受講修了
- 4許可証の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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