信託業免許
管轄: 金融庁 / 根拠法令: 信託業法第3条
信託業を営むための免許
信託業免許は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
信託業免許とは何のための免許か
信託業免許は、他人の財産(金銭・有価証券・不動産・知的財産権など)を委託者から預かり、信託契約に基づいて管理・運用・処分する「信託業」を反復継続して営むために必要な金融庁の免許です。根拠は信託業法第3条で、免許を受けずに信託の引受けを業として行うことは禁じられます。
注意すべきは、信託業法には「免許」と「登録」の2区分がある点です。
- 信託業免許(法第3条): 信託財産の運用方法に制限のない一般的な信託会社向け
- 管理型信託業の登録(法第7条): 委託者または委託者の指図に基づく管理・処分に限定した信託会社向け
預かった財産を自らの裁量で運用する場合は本免許が必要で、要件は管理型登録より格段に厳しくなります。自社が裁量運用を行うのか、指図に従う管理に徹するのかをまず切り分けてください。
取得の必須要件
信託業法第5条が免許の審査基準を定めています。主な要件は次のとおりです。
- 株式会社であること(持分会社・個人事業は不可)。取締役会と監査役(または委員会等)を置く機関設計が前提
- 資本金が政令で定める最低額以上であること。一般の信託会社は1億円以上が基準(管理型は5,000万円以上)。さらに純資産額が資本金の基準額を下回らないこと
- 信託業を健全かつ適切に遂行するに足りる人的構成を有すること。信託・法務・財務・コンプライアンスの実務経験者の配置が問われます
- 収支見込みが良好で、財産的基礎を有すること
- 取締役・監査役等が欠格事由(法令違反歴等)に該当しないこと
数字上の資本金を満たすだけでは足りず、業務遂行体制・社内規程・リスク管理態勢の実質が審査される点が、この免許の最大の特徴です。
申請の流れと費用
1. 金融庁・財務局との事前相談(実質的にここが本番。数か月単位) 2. 免許申請書・業務方法書・収支見込書・組織体制資料等の提出 3. 当局審査(追加資料要求・ヒアリングを繰り返す) 4. 免許付与、信託業務の開始
申請手数料そのものは無料ですが、コストは別の所に発生します。最低資本金1億円の確保、法務・会計の専門家報酬、内部管理体制の構築人件費が実質的な負担です。準備から免許取得まで1年前後を要するのが一般的です。
よくある差し戻し・不許可理由
- 人的構成の不足: 名目上の役員はいても、信託実務・コンプライアンスの経験者が欠ける
- 業務方法書の具体性不足: 受託する信託の類型・リスク管理手法が抽象的
- 利益相反管理態勢の不備: 委託者・受益者保護の仕組みが説明できない
- 収支見込みの根拠が薄い
関連する規制と更新時の注意
兼業規制・忠実義務・分別管理義務など信託業法上の行為規制が継続的にかかります。免許自体に有効期間の更新はありませんが、商号・役員・資本金・業務方法書の変更には届出または変更認可が必要で、毎事業年度の当局への報告義務もあります。まずは管理型登録で足りないか、専業として裁量運用に踏み込むのかを決め、早期に財務局へ事前相談することが現実的な第一歩です。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1金融庁に免許申請
- 2資本金要件(1億円以上)の確認
- 3審査
- 4免許の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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