身辺警護に必要な許認可
ボディーガード・身辺警護
身辺警護で開業するために必要な許認可の全体像
身辺警護(ボディーガード)は、依頼者の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し防止する業務で、警備業法上は「四号警備(身辺警備業務)」に分類されます。施設警備や交通誘導と並ぶ警備業の一種であるため、開業には警備業法に基づく手続きが軸になります。最も重要なのが警備業認定で、これは都道府県公安委員会の認定を受けなければ一切営業できないという点です。「届出だけで始められる」業種ではないことを最初に押さえてください。
取得すべき順序と依存関係
手続きには明確な前後関係があります。
まず事業形態を決め、個人事業なら税務署へ個人事業の開業届を提出します。法人で運営する場合は、認定申請の前に法人設立登記を済ませておく必要があります。認定は「人」または「法人」に対して下りるため、ここを後回しにすると申請をやり直すことになります。
次に、警備業認定の要件である警備員指導教育責任者を確保します。身辺警備で営業するには、四号業務に対応した指導教育責任者の資格者を選任しなければなりません。資格は講習を受けて取得しますが、講習の受講には一定の実務経験等が求められるため、人材確保には時間がかかります。
その上で、営業所を管轄する公安委員会へ警備業認定を申請します。認定を受けて初めて営業開始となり、その後に営業所ごとの届出を行います。
身辺警護業務検定(一級・二級)は、現場の警備員の質を担保し、依頼者への信頼につながる資格です。法律上は配置が義務づけられる場面が限られますが、四号は危険度が高く、検定合格者を擁することが受注の前提になる取引も多いため、実務上はほぼ必須と考えてください。
費用の目安と内訳
- 警備業認定の申請手数料:23,000円(都道府県証紙)
- 法人設立登記:株式会社で登録免許税15万円+定款認証等で実費20〜25万円程度
- 警備員指導教育責任者講習・身辺警護業務検定の受講料:各数万円規模
- 制服・装備、損害賠償保険、教育費用:別途
個人事業なら開業届自体に費用はかかりませんが、認定手数料と教育コストは避けられません。
見落としやすい届出・つまずき
- 認定後も、新任教育・現任教育という法定教育の実施と記録が義務です。これを怠ると行政処分の対象になります。
- 警備員一人ひとりについて、欠格事由に該当しないことの確認書類(誓約書・身分証明書・登記されていないことの証明書等)が必要で、収集に手間がかかります。
- 営業所を別の都道府県に設ける場合、それぞれの公安委員会への届出が必要になることがあります。詳細は所管の公安委員会により異なるため事前に確認してください。
開業準備のスケジュール感
指導教育責任者の確保と認定審査に時間を要するため、思い立ってすぐ営業はできません。法人設立から指導教育責任者の選任、認定申請・審査までを見込むと、準備開始から営業開始まで二〜三か月以上を見ておくのが現実的です。検定取得や人材育成を並行で進め、認定が下りる前から教育体制と保険を整えておくと、認定取得後スムーズに受注へ移行できます。