ドローン警備に必要な許認可
ドローンを活用した施設巡回・警備サービス
ドローン警備で開業するために必要な許認可
ドローン警備は「警備サービス」と「無人航空機の運航」という2つの規制領域にまたがる点が最大の特徴です。施設巡回や夜間監視を有償で請け負う以上、警備業法と航空法の両方をクリアしなければ事業として成立しません。片方だけ整えて開業し、後からもう一方で止まるケースが非常に多い業種です。
取得すべき許認可と順序
まず事業の器を決めます。個人で始めるなら個人事業の開業届を税務署へ提出します。警備業の認定は法人でも個人でも取得できますが、複数現場・複数機体を運用する規模なら法人設立登記を行ってから進める方が、後の契約や警備員配置の管理がしやすくなります。
次に事業の根幹となる警備業認定です。ドローンを使っても、施設の事故・盗難・火災等を警戒し防止する業務は警備業法上の「施設警備(1号)」等に該当し、都道府県公安委員会の認定が必須です。認定には、警備員指導教育責任者の選任、欠格事由に該当しないこと、新任教育の実施体制などが求められます。認定取得には書類審査と教育体制の整備で数週間〜1か月以上かかるため、最優先で着手してください。
並行して機体側の手続きを進めます。100g以上の機体は無人航空機登録が必須で、登録記号の機体表示とリモートID搭載が必要です。そのうえで飛行形態に応じて無人航空機飛行許可・承認を国土交通省(DIPS2.0)に申請します。警備現場は人口集中地区(DID)・夜間・目視外・人や物件から30m未満といった条件が重なりやすく、これらはドローン飛行許可(カテゴリーII)に該当します。第三者の上空を立入管理なしで飛ばすなど高リスクな運航はドローン飛行許可(カテゴリーIII)となり、機体の無人航空機型式認証と操縦者の一等無人航空機操縦士、運航リスク評価などが追加で必要です。多くの巡回警備はカテゴリーIIで足りますが、市街地上空を恒常的に飛ばす設計ならカテゴリーIIIを見据えます。
順序としては、警備業認定(または並行)→ 機体登録 → 飛行許可・承認 → 必要に応じて型式認証、の流れが現実的です。飛行許可は許可期間(最長1年・包括申請可)があり、更新を前提にスケジュールを組みます。
費用の目安
機体登録は1機あたり数百〜1,000円程度。飛行許可・承認の申請自体に手数料はかかりませんが(オンライン申請の場合)、警備業認定の手数料が数万円、警備員指導教育責任者の資格取得や教育費、賠償責任保険(対人・対物・機体)の保険料が継続的に発生します。機体・カメラ・予備バッテリーなど設備投資が数十万〜数百万円規模になる点も見込んでおきます。カテゴリーIII対応の型式認証機や一等資格まで揃えると、初期費用は大きく膨らみます。
見落としやすい点とつまずき
警備業認定を取らずに「ドローンで見回るだけ」と考えて開業し、有償警備に該当して指摘されるのが典型的な失敗です。逆に飛行許可だけ取って警備業を見落とすパターンもあります。リモートID未搭載、DID・夜間・目視外の許可漏れ、保険未加入のまま受注、といった点も要注意です。
具体的な認定要件・添付書類・許可条件は都道府県公安委員会や国土交通省の運用により異なるため、申請前に最新の要件を所管庁で確認してください。開業準備は警備業認定と飛行許可の同時進行で2〜3か月を見ておくと安全です。