足場・仮設工事業に必要な許認可
足場の組立・解体工事
足場・仮設工事業の開業に必要な許認可の全体像
足場・仮設工事は、建設業法上「とび・土工・コンクリート工事業」に分類されます。1件500万円(税込)未満の工事だけを請け負う一人親方であれば建設業許可は法律上は不要ですが、実際には元請やゼネコンが取引条件として建設業許可(とび・土工・コンクリート工事)を求めるケースが大半です。継続的に仕事を取るなら、許可取得を前提に準備を進めるのが現実的です。
足場工事に特有なのが、労働安全衛生法に基づく足場の組立て等作業主任者の選任義務です。つり足場・張出し足場、または高さ5メートル以上の足場の組立て・解体・変更作業を行う現場では、技能講習を修了した作業主任者を必ず置かなければなりません。これは会社の許可とは別に「人」に紐づく資格で、自分または従業員が取得しておく必要があります。
取得すべき順序と依存関係
まず事業形態を決めます。個人で始めるなら税務署へ個人事業の開業届を提出します。法人化する場合は法人設立登記を先に済ませ、その登記事項が建設業許可申請の前提になります。
次に建設業許可(とび・土工・コンクリート工事)の要件を満たします。具体的には、経営業務の管理責任者(建設業での経営経験)、営業所ごとの専任技術者(とび技能士、建築施工管理技士などの資格、または実務経験10年)、そして500万円以上の自己資本や資金調達能力という財産的基礎です。鉄骨や鉄塔など鋼構造物を扱うなら建設業許可(鋼構造物工事)の追加も検討します。
作業主任者の技能講習は許可取得と並行して受講できます。最後に、公共工事の入札に参加したい場合のみ、建設業許可取得後に経営事項審査(経審)を受けます。経審は許可が前提なので、順序を逆にできません。
費用の目安
- 建設業許可(知事・新規): 法定手数料9万円。行政書士に依頼する場合の報酬は10〜15万円程度
- 足場の組立て等作業主任者技能講習: 1〜2万円、受講2〜3日
- 法人設立登記: 株式会社で登録免許税15万円〜、合同会社で6万円〜
- 経審: 規模により審査手数料が変動。決算変更届や財務諸表の作成費が別途かかる
見落としやすい届出とつまずき
社会保険(健康保険・厚生年金)への加入は建設業許可の実質的な要件になっており、未加入だと許可が下りません。法人化したら必ず手続きします。一人親方は労災保険の特別加入も検討してください。通常の労災は雇用される労働者向けで、事業主本人は特別加入しないと現場でのケガが補償されません。
また、許可は5年ごとの更新が必要で、毎事業年度終了後には決算変更届の提出義務があります。これを失念すると更新時に追加対応を求められます。
開業準備のスケジュールは、要件を満たしている前提で、開業届や設立登記が数日〜2週間、建設業許可は申請から知事許可で1〜2か月程度が目安です。専任技術者の実務経験証明に過去の契約書や工事実績の収集が必要になり、ここで時間を取られるケースが多いため、早めに書類を揃え始めることをおすすめします。