IoT機器製造事業届出
管轄: 総務省 / 根拠法令: 電気通信事業法・電波法
インターネット接続機能を持つIoT機器を製造・販売する事業の届出。セキュリティ基準への適合が必要。
IoT機器製造事業届出は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。審査期間は標準的で、総務省での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
この届出が必要になる場面
「IoT機器製造事業届出」という単一の手続きがあるわけではなく、実態は搭載機能ごとに複数の制度が重なる。インターネット接続機能を持つ機器を製造・販売する場合、主に次の二つが関係する。
- 無線機能(Wi-Fi、Bluetooth、LTE、LPWA等)を内蔵する場合 → 電波法の技術基準適合証明、または工事設計認証(いわゆる「技適」)
- 公衆回線網に直接つなぐ端末(SIM内蔵のセルラー機器、固定回線につなぐ機器)の場合 → 電気通信事業法の端末機器技術基準適合認定
自社で電波を出す部品(無線モジュール)を組み込み、自社ブランドで量産・販売する事業者が主な対象となる。すでに技適取得済みのモジュールを購入してそのまま組み込む場合は、条件次第で自社での再認証が不要になることがあるため、モジュールベンダーに技適番号と認証範囲を必ず確認すること。
IoTセキュリティ要件への適合
2020年4月施行の端末設備等規則改正により、インターネットに接続するIoT機器には以下のセキュリティ機能が技術基準として求められるようになった。これがこの分野で最も見落とされやすい点である。
- アクセス制御機能(IDとパスワード等による認証)
- 初期設定のパスワードのまま使い続けさせない仕組み(初回起動時の変更を促す等)
- ファームウェアの更新機能、または同等の保護措置
PCやスマートフォンに直接つないで使う一部機器など適用除外もあるため、自社製品が対象か否かは設計初期に切り分けておく。
申請の流れ
おおよそ次の順序で進む。
- 試験機関(登録証明機関)に依頼し、技術基準への適合試験を受ける
- 適合すれば証明書・認証番号が発行される
- 工事設計認証の場合は、同一設計の量産品に同じ番号を表示できる
- 機器本体または画面に技適マークと番号を表示する
量産販売を前提とするなら、1台ごとに証明を取る「技術基準適合証明」ではなく、設計単位で取る「工事設計認証」を選ぶのが一般的。
費用の内訳
費用は機能の数と試験項目で大きく変動する。目安として、
- 認証機関への試験・認証手数料:数万円〜十数万円(無線方式が複数あると積み上がる)
- 試験用サンプル機の用意、技術文書(回路図・部品表)の整備にかかる社内コスト
総額5万〜20万円は単一の無線方式を想定した目安であり、複数の無線規格を載せると試験項目が増え、これを上回ることがある。正確な金額は依頼先の登録証明機関ごとに異なる。
よくある差し戻し・つまずき
- 技適マークの表示位置・サイズ・番号が規定どおりでなく、販売後に指摘される
- 海外モジュールが「FCC/CE取得済み」でも日本の技適は未取得で、そのまま売れない
- セキュリティ要件(初期パスワード対策・更新機能)を設計段階で織り込まず、後から大幅な手戻りが発生する
- 量産過程で基板や無線部の部品を変更したのに、認証範囲を超えてしまっている
関連する許認可
IoT機器は電波法・電気通信事業法だけで完結しないことが多い。
- 電気用品安全法(PSE):電源・ACアダプタ等が電気用品に該当する場合(所管は経済産業省)
- 自社で通信回線サービスまで提供するなら、電気通信事業の登録・届出が別途必要になる場合がある
変更時の注意
工事設計認証は「設計」に対する認証のため、無線部や基板設計を変更すると認証のやり直しが必要になることがある。製造委託先の変更や部品の代替でも適合性が崩れうるので、設計変更のたびに認証範囲内かを確認する運用を社内に組み込んでおくこと。判断に迷う点は、依頼予定の登録証明機関または総務省総合通信局に事前相談するのが確実である。
申請費用が高額なため、事業計画に組み込んだ上で余裕を持った資金準備をおすすめします。
申請手順
- 1IoTセキュリティガイドラインへの適合確認
- 2製品仕様・セキュリティ対策を記載した届出書作成
- 3総務省への届出書提出
- 4届出受理通知の受領
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
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