医薬品GMP適合性認証
管轄: 都道府県知事/PMDA / 根拠法令: 医薬品医療機器等法第14条
医薬品製造施設がGMP(医薬品製造管理・品質管理基準)に適合していることの認証。定期的な調査が行われる。
医薬品GMP適合性認証は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。自治体の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。なお、5年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
まず読む順番
医薬品GMP適合性認証とは何か
医薬品GMP適合性調査は、医薬品・医薬部外品の製造販売承認を得る(または維持する)ために、その製品を製造する施設が「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」(GMP省令、平成16年厚生労働省令第179号)に適合しているかを確認する行政上の調査です。医薬品医療機器等法第14条第2項に基づき、承認の要件として位置づけられています。
ここで理解しておくべき最も重要な点は、GMP適合性調査は「製造業の許可」とは別物だということです。製造所を開設するには法第13条の医薬品製造業許可(区分ごと)が必要で、その上で製品ごとの製造販売承認時にGMP適合性調査を受けます。さらに製品を市場に出す主体には法第12条の製造販売業許可(第一種・第二種)とGQP・GVP体制が求められます。この三層構造を取り違えると、スケジュールも予算も大きく狂います。
調査の主体と種類
調査権者は品目によって分かれます。
- PMDA(医薬品医療機器総合機構)— 新医薬品、生物学的製剤、放射性医薬品、無菌医薬品など
- 都道府県知事 — 上記以外の一般的な医薬品、医薬部外品
調査の形態も複数あります。
- 承認時調査(新規承認・一部変更承認に伴うもの)
- 定期調査(承認取得後、原則5年ごと)
- 適合性調査結果通知書に基づく「基準確認証」制度(区分適合性調査。有効期間3年、更新可)
- 無通告査察を含む立入検査(法第69条)
「基準確認証」を取得しておくと、同一製造区分の他品目の承認申請時に調査を省略できる場合があり、複数品目を扱う事業者ほど費用対効果が高くなります。
適合に必要な体制
GMP省令が求めるのは設備よりも「組織と文書」です。
- 製造管理者(法第17条)の設置。薬剤師が原則で、区分により要件が異なる
- 品質部門を製造部門から独立させること。兼任は原則不可
- 品質保証に係る責任者、製造部門責任者、品質部門責任者の明確な任命
- 手順書一式(製造管理、品質管理、バリデーション、変更管理、逸脱管理、品質情報・回収処理、自己点検、教育訓練、文書・記録管理、安定性モニタリング、原料等の供給者管理)
- 構造設備要件(薬局等構造設備規則)— 交叉汚染防止の動線、清浄度区分、無菌製剤なら清浄度グレード管理と環境モニタリング
- バリデーション(適格性評価IQ/OQ/PQ、プロセスバリデーション、洗浄バリデーション、分析法バリデーション)
- データインテグリティ(ALCOA+)への対応。監査証跡の有効化と定期レビュー
費用の考え方
手数料は調査権者と調査区分(書面/実地、国内/国外、無菌/非無菌)で細かく分かれ、PMDAの手数料は年度ごとに改定されます。実地調査・無菌品目・海外製造所は高額になる傾向があり、正確な額はPMDAの手数料一覧または各都道府県の条例で必ず確認してください。
実務上、行政手数料は総コストのごく一部です。支配的なのは、構造設備の改修、空調・製造用水設備、バリデーション実施、文書体系の整備、コンサルティング費用、そして人件費です。準備期間は既存製造所の追加品目でも数か月、新規製造所なら1〜2年規模を見込むのが現実的です。
不適合・指摘の典型パターン
- 逸脱・変更の記録が事後作成、または根本原因調査が形式的
- バリデーションの範囲が不十分(洗浄バリデーションのワーストケース設定根拠が不明確など)
- 電子データの監査証跡が無効化されている、共有アカウント運用
- 自己点検が実施されていない、または指摘の是正が未完了
- 原料・資材の供給者管理と受入試験の根拠が不足
- 教育訓練記録と実際の作業者力量が一致しない
- 承認書の記載事項と実際の製造方法の齟齬(いわゆる承認書齟齬)
近年は承認書齟齬とデータインテグリティが行政処分の主因になっています。着手時点で承認書と製造指図書の突合を行ってください。
変更・更新時の注意
製造方法・製造所・設備を変更する場合、軽微変更届で足りるのか一部変更承認(軽微変更に該当しない変更)が必要かの判断が最初の分岐点です。一部変更承認に該当すれば、その都度GMP適合性調査が必要になります。定期調査は原則5年ごと、基準確認証は3年ごとの更新であり、期限管理を怠ると出荷停止に直結します。
次の一歩としては、①製造販売業・製造業・GMP調査のどの段階にいるか整理する、②対象品目の調査権者がPMDAか都道府県かを確定する、③最新の手数料額を調査権者に直接確認する、④GMP省令の要求事項に対するギャップ分析を実施する、の順で進めるのが確実です。所轄の都道府県薬務課への事前相談は無料で受けられる場合が多く、早期に活用する価値があります。
申請費用が高額なため、事業計画に組み込んだ上で余裕を持った資金準備をおすすめします。
申請手順
- 1GMP基準に適合する製造管理・品質管理体制を構築する
- 2GMP適合性調査申請書を準備する
- 3都道府県知事またはPMDAに申請する
- 4GMP調査官による実地調査が行われる
- 5適合が確認されると認証が付与される
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●自治体ごとに手続きや要件が異なります。必ずお住まいの自治体のウェブサイトで最新情報を確認してください。
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