乳処理業許可
管轄: 保健所 / 根拠法令: 食品衛生法第55条
牛乳等の処理を行うための許可
乳処理業許可は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用は一般的な水準で、事前に予算を確保しておくと安心です。審査期間は標準的で、保健所での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。なお、5年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
乳処理業許可とは
乳処理業許可は、生乳や牛乳を受け入れて殺菌・均質化・充填などの処理を行い、飲用乳(牛乳、加工乳、低脂肪乳、乳飲料など)として出荷する事業に必要な営業許可です。食品衛生法第55条に基づく営業許可業種の一つで、保健所が所管します。
牧場で搾った生乳をパック詰めして「牛乳」として販売する6次化事業、自前のプラントで牛乳を殺菌・瓶詰めする事業者が主な対象です。チーズ・バター・ヨーグルト・アイスクリームなど乳を原料とした加工品を作る場合は、乳処理業ではなく「乳製品製造業」や「アイスクリーム類製造業」の許可が別途必要になる点に注意してください。
取得の必須要件
乳処理業は、一般の飲食店営業より施設基準が厳格です。判断材料となる主な要件は次の通りです。
- 食品衛生責任者の設置(栄養士・調理師等の有資格者、または講習会修了者)
- 殺菌設備(保持式の場合63℃30分、連続式の高温短時間殺菌など、乳等省令の基準を満たす設備)
- 処理室・充填室の区画、清浄区域と汚染区域の分離、温度管理可能な原料乳・製品の冷蔵設備
- 殺菌温度・時間を記録できる自記温度計などの記録設備
- HACCPに沿った衛生管理の実施
加えて、調製粉乳など一部の乳製品を製造する施設では、国家資格を持つ「食品衛生管理者」の専任配置が食品衛生法で義務付けられます。自分の作る製品がこれに該当するかは、申請前に保健所へ確認してください。
申請の流れ
1. 施設の設計段階で保健所の食品衛生担当に事前相談する(設備が基準を満たすか着工前に確認) 2. 申請書・施設の図面・食品衛生責任者の資格証明などを添えて申請 3. 担当者による施設の実地検査(殺菌設備や区画が基準に適合しているか確認) 4. 適合後に許可証が交付され、営業開始
殺菌設備や記録計は基準が細かいため、設備を発注する前の事前相談が成否を分けます。
費用の内訳と更新
申請手数料は14,000〜21,000円程度が目安ですが、金額は自治体により異なります。これは行政手数料のみで、殺菌機・充填機・冷蔵設備・記録計といった設備投資は別途数百万円規模になることが一般的です。
許可の有効期間は5〜8年の範囲で自治体が定めており、期限前に更新申請が必要です。処理品目の追加、殺菌方法の変更、施設のレイアウト変更を行う際は、事前に保健所へ届け出・相談を行ってください。
よくある差し戻し・不許可の理由
- 殺菌温度・時間が乳等省令の基準に達していない、または記録できる設備がない
- 原料乳と製品、清浄区域と汚染区域の動線が交差している
- 食品衛生責任者が未選任、または資格要件を満たしていない
- 必要な品目で食品衛生管理者を配置していない
事前相談なしに施設を完成させてから申請し、実地検査で設備不適合が判明して大幅な改修を迫られるケースが最も多いトラブルです。図面段階での保健所相談を必ず先に行うことをおすすめします。
許認可の申請費用としては平均的な金額です。法定の手数料のため、減額や免除は原則ありません。
申請手順
- 1保健所に申請
- 2施設検査
- 3許可証の交付
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●保健所管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
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