自家用有償旅客運送登録(福祉有償運送)
管轄: 国土交通省 / 根拠法令: 道路運送法第79条
NPO法人等が要介護者等の移送を有償で行うための登録。地域の運営協議会での合意が必要。
自家用有償旅客運送登録(福祉有償運送)は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。国交省の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。なお、2年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
何のための登録か
福祉有償運送は、要介護認定を受けた高齢者や身体・知的・精神障害者など、単独ではバス・タクシーといった公共交通機関を利用することが困難な人を会員として、自家用自動車(白ナンバー)で有償の送迎を行うための登録制度です。本来、自家用車で他人を運んで運賃を得ることは道路運送法で原則禁止されていますが、地域の移動手段が不足している実情を踏まえ、第79条の登録を受けた非営利団体に限って例外的に認められます。タクシー事業(緑ナンバー)の許可とは別物で、営利を目的としない点が制度の前提です。
対象となる団体・利用者
登録できるのはNPO法人、一般社団・財団法人、社会福祉法人、医療法人、認可地縁団体など非営利の主体に限られます。株式会社など営利法人は原則対象外です。
利用者(会員)は、あらかじめ会員登録した人とその付添人に限られ、誰でも自由に乗せられる流しの運送はできません。要介護者、要支援者、障害者手帳所持者、その他肢体不自由・内部障害などで移動制約のある人が対象です。
取得の流れと必須要件
最大のポイントは、市町村が主宰する「地域公共交通会議」または「運営協議会」での協議が調うことです。ここでタクシー事業者なども交えて必要性・対価・運送区域を確認し、合意が得られて初めて運輸支局(地方運輸局)へ登録申請ができます。協議が前提のため、申請前にこの場へ諮ることが事実上の第一歩になります。
主な要件は次のとおりです。
- 運転者:第二種運転免許の保有者、または第一種免許+大臣認定の福祉有償運送運転者講習を修了した者。セダン型車両を使う場合はセダン等運転者講習の修了も必要
- 車両:車いす対応などの福祉車両、またはセダン型自家用車(持ち込み・リース可)
- 運行管理・整備管理の体制、事故処理・苦情処理の体制を整備していること
- 損害賠償措置:対人・対物の任意保険等への加入(運営協議会で水準を確認)
費用の内訳
登録手数料は無料です。費用が発生するのは、運転者講習の受講料、車両の福祉改造費、任意保険料、運行管理に伴う実務コストなどで、団体の規模や車両構成によって大きく変わります。利用者から受け取れる対価は「営利とは認められない範囲」とされ、実務上はその地域のタクシー運賃のおおむね2分の1程度が一つの目安です。具体的水準は運営協議会の合意によります。
よくある差し戻し・不許可理由
- 運営協議会での合意が得られていない、または協議事項(区域・対価)と申請内容が食い違う
- 運転者が必要な講習を修了していない、修了証の添付漏れ
- 運行管理・事故処理体制の記載が不十分
- 任意保険の補償内容が協議会の求める水準に満たない
協議会での合意形成が最大の関門で、ここを飛ばして申請すると受理されません。地元のタクシー事業者との調整に時間を要するケースもあります。
更新・変更時の注意
登録の有効期間は原則2年(条件により3年の場合あり)で、満了前に更新登録が必要です。運送の区域、車両、運転者、対価などを変更する際は変更登録・届出が求められ、対価や区域の変更は再び運営協議会での協議が必要になることがあります。会員名簿や運転日報、事故記録などの帳簿備付けも義務です。詳細な期間・手続きは所管の運輸支局・運営協議会により運用が異なるため、申請前に管轄窓口へ確認してください。
申請手数料は無料です。ただし、添付書類の取得費用(住民票・登記簿謄本など)が別途かかる場合があります。
申請手順
- 1運営協議会での協議
- 2地方運輸局に登録申請
- 3審査
- 4登録証の交付
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●国交省管轄の許認可は、地方整備局が窓口になるケースが多いです。管轄エリアを事前に確認しましょう。
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