第一種金融商品取引業登録
管轄: 金融庁 / 根拠法令: 金融商品取引法第29条
証券会社等として有価証券の売買・引受等を行うための登録
第一種金融商品取引業登録は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
第一種金融商品取引業登録とは
第一種金融商品取引業は、証券会社やネット証券、店頭FX業者などが、株式・社債・投資信託といった「流動性の高い有価証券(一項有価証券)」の売買・媒介・引受け・募集や、店頭デリバティブ取引を業として行う際に必要となる登録です。顧客資産を預かり、市場の根幹に関わるため、金融商品取引業の中でも最も要件が重く、難易度は極めて高い類型です。投資助言だけなら投資助言・代理業、ファンド販売中心なら第二種で足りる場合があり、自社の事業がどの区分に当たるかの見極めが出発点になります。
主な必須要件
登録は財務局を窓口に金融庁が審査します。代表的な要件は以下のとおりです。
- 株式会社であること(取締役会および監査役・監査役会等のガバナンス体制を備えること)
- 最低資本金5,000万円以上、かつ純財産額が5,000万円以上であること
- 自己資本規制比率120%以上を登録時から継続的に維持できること
- 業務を適正に遂行できる人的構成。とりわけ内部管理・コンプライアンス・リスク管理の責任者を、証券業務の実務経験者として配置すること
- 主要株主(議決権20%以上等)が適格性を満たすこと
- 営業所・電算システム・分別管理体制など実体ある業務遂行体制
加えて、実務上は日本証券業協会または第一種金融商品取引業協会への加入が前提となり、協会の自主規制・体制審査もクリアする必要があります。
申請の流れと費用
一般的な進め方は、(1)財務局への事前相談、(2)体制整備(人員採用・社内規程・システム構築)、(3)登録申請書・業務方法書の提出、(4)財務局によるヒアリング審査、(5)登録、という順序です。事前相談から登録まで半年〜1年以上かかることが多く、審査の大半は事前相談で実質的に進みます。
費用は登録申請の手数料自体は原則かかりませんが、登録免許税として15万円が必要です。これとは別に、資本金5,000万円の確保、有資格者の人件費、システム投資、協会入会金・会費などで相応の初期費用が発生します。
よくある差し戻し・不許可理由
- 内部管理・コンプライアンス責任者の経験不足、人員の兼務過多で「人的構成が不十分」と判断される
- 業務方法書とリスク管理規程・システムの実態が一致していない
- 自己資本規制比率の維持見込みや収支計画の合理性が説明できない
- 主要株主の適格性・資金原資の説明が不十分
登録後の継続義務・変更時の注意
登録後も、自己資本規制比率の維持、定期的な報告・検査対応、分別管理の徹底が継続して求められます。取扱商品の追加、役員・主要株主・本店の変更などは変更登録・届出の対象となり、無届けの業務拡大は処分リスクとなります。まずは扱う商品から自社が第一種に該当するかを確認し、早い段階で管轄財務局へ事前相談することが現実的な第一歩です。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1金融庁に登録申請
- 2資本金要件(5000万円以上)の確認
- 3人的構成・業務管理体制の審査
- 4登録の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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