プラスチックリサイクルに必要な許認可
プラスチックの回収・再生
プラスチックリサイクル開業に必要な許認可の全体像
プラスチックリサイクル業は「廃プラスチック類」という産業廃棄物を扱うため、自由に始められる事業ではなく、廃棄物処理法に基づく許可が前提になります。事業者から出る廃プラを運ぶには産業廃棄物収集運搬業許可が必須です。さらに、回収した廃プラを破砕・洗浄・ペレット化するなど中間処理まで行う場合は、収集運搬とは別に産業廃棄物処分業(中間処理業)の許可も必要になります。この2つは別許可なので、自社で「集めて再生まで」やるのか「集めて運ぶだけ」かで取得すべき許可が変わります。
なお、家庭から出るプラスチック(一般廃棄物)を扱う場合は一般廃棄物収集運搬業許可が必要で、これは市区町村ごとの許可制かつ新規枠が極めて限られます。事業系の廃プラを対象にするのが現実的です。
取得すべき順序と依存関係
おおよそ次の順で進めます。
- まず事業形態を決める。法人で始めるなら法人設立登記を先に済ませる。許可は法人名義で取るため、後から法人化すると許可を取り直す手間が出る。個人で始めるなら開業後に個人事業の開業届を税務署へ提出する。
- 次に、産業廃棄物収集運搬業許可の前提となる「講習会(収集運搬課程)」を受講し、修了証を取得する。これがないと申請を受け付けてもらえない。
- 運搬車両・駐車場所・収集運搬基準を満たす体制を整える。
- 営業エリアの都道府県・政令市ごとに収集運搬業許可を申請する。複数県をまたぐ場合は県ごとに申請が必要。
- 中間処理まで行うなら、処理施設の用地・設備を確保し、処分業許可を別途申請する(施設の規模により施設設置許可や都市計画法・建築基準法の確認も絡む)。
費用の目安と内訳
- 産業廃棄物収集運搬業許可:申請手数料が新規で81,000円(自治体ごと)。事前の講習会受講料が3万円前後。エリアを増やすほど手数料が積み上がる。
- 法人設立登記:株式会社で実費約24〜25万円(登録免許税15万円+定款認証等)、合同会社なら約6〜10万円。
- 個人事業の開業届:費用はかからない。
- 中間処理を行う場合は、破砕機・選別設備・保管場所などの設備投資が数百万円〜と大きく、許可手数料も別途100,000円規模かかる。
費用は車両や施設投資が本体で、許可手数料自体は相対的に小さい点を押さえておくとよいでしょう。
見落としやすい届出とつまずき
- 収集運搬と処分業を混同し、「集めて再生する」つもりが収集運搬許可しか取っていないケース。中間処理には別許可が要る。
- 運搬する廃棄物の品目に「廃プラスチック類」を必ず含めて申請する。品目の記載漏れで実務が止まる。
- 産業廃棄物管理票(マニフェスト)の運用義務。排出事業者との取引で必須になる。
- 自動車リサイクルや家電・容器包装に関わる場合は、各リサイクル法ごとの登録・許可が別途絡むことがある。
- 保管基準(数量・囲い・掲示板)違反は行政指導の対象になりやすい。
許可要件・手数料・施設基準は所管する都道府県・政令市により細部が異なるため、申請前に管轄窓口で最新の要件を確認してください。