古紙回収・リサイクルに必要な許認可
古紙の回収・再資源化
開業前に押さえる「古紙の法的区分」
古紙回収は、扱う古紙が「どこから出たか」で必要な許認可が大きく変わります。ここを整理しないまま開業すると、必要な許可を取り損ねたり、逆に不要な許可申請に費用をかけたりします。
事業者(オフィス・印刷所・スーパー等)から出る古紙は産業廃棄物に該当します。一方、一般家庭から出る古紙は一般廃棄物です。さらに古紙は「専ら物(専ら再生利用の目的となる産業廃棄物)」として、空き缶・くず鉄・古繊維と並ぶ4品目の一つに位置づけられています。
産業廃棄物収集運搬業許可の要否
最大の論点は、専ら物である古紙を再生利用目的で収集運搬する場合、産業廃棄物収集運搬業許可が不要と解釈される運用がある点です。これは古紙回収業が古くから再生利用ルートを確立してきた歴史的経緯によるものです。
ただし、この扱いは自治体の運用や契約形態によって判断が分かれます。混合廃棄物として他の産廃が混ざる場合や、行政側が許可を求める場合があるため、開業予定地を管轄する都道府県・政令市の産業廃棄物担当課に必ず事前確認してください。確認の結果、許可が必要となれば産業廃棄物収集運搬業許可を取得します。
家庭系古紙を集める場合は一般廃棄物収集運搬業許可が必要ですが、これは市区町村が新規許可をほぼ発行しないため、現実的には集団回収(町内会・PTAの資源回収)への協力や、許可業者との連携で対応するのが一般的です。
取得すべき順序と費用の目安
おおまかな順序は次のとおりです。
- 事業形態の決定(個人か法人か)と取扱品目・回収先の確定
- 管轄自治体への産廃許可の要否確認
- (法人化する場合)法人設立登記
- (許可が必要な場合)産業廃棄物収集運搬業許可の申請
- 個人事業の開業届の提出
費用の目安は、産業廃棄物収集運搬業許可が申請手数料8万1千円程度(自治体により異なる)に加え、講習会受講料が約2〜3万円。許可申請前に「産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物収集運搬課程」の講習会修了が要件となるため、受講枠の予約待ちで1〜2か月かかることがあります。法人設立を伴う場合は登録免許税等で株式会社なら20万円超、合同会社で約6万円が別途必要です。開業届の提出費用はかかりません。
見落としやすい届出とつまずき
古紙を買い取って転売する形態をとる場合、中古品売買にあたるとして古物商許可(申請手数料1万9千円)が必要になるケースがあります。回収した古紙を有償で引き取り再販するビジネスモデルなら、警察署の生活安全課に該当性を確認してください。
つまずきやすいのは、許可不要と自己判断して回収を始めたところ、回収先や品目の実態から行政指導を受ける例です。専ら物の解釈は地域差があるため、書面での確認を残しておくと安心です。また回収運搬に使う車両の車庫・保管場所、近隣への騒音・飛散対策、回収ルートの確保も開業前に詰めておくべき実務です。
スケジュールは、講習会の受講待ちを織り込むと、許可が必要な場合で準備開始から営業開始まで2〜3か月を見込んでおくと無理がありません。