中古車販売に必要な許認可
中古自動車の買取・販売を行う業種です。
中古車販売の開業に必要な許認可の全体像
中古車販売でまず押さえるべき核は、古物商許可です。中古自動車の買取・販売は「使用済みの動産を仕入れて再販する」行為にあたるため、都道府県公安委員会の古物商許可(自動車を扱う品目区分)が事実上の営業の土台になります。注意したいのは、「中古自動車販売業許可」という独立した営業免許が国の制度として存在するわけではない点です。中古車販売業そのものを直接規制する一本の許可はなく、その役割を古物商許可が担っています。DB上で別項目に分かれていても、実務上はこの古物商許可の取得が出発点だと理解してください。
事業形態は、個人で始めるなら税務署への個人事業の開業届、会社で行うなら法人設立登記を先に済ませます。古物商許可は申請者(個人または法人)単位で取るため、形態を決めてからでないと申請名義が定まりません。
取得すべき順序
1. 事業形態を決める(開業届の提出、または法人設立登記) 2. 営業所と保管場所(車庫)を確保する 3. 古物商許可を申請する(営業所所在地を管轄する警察署経由、公安委員会が許可) 4. 事業規模が固まってから、回送運行許可や自動車整備事業の認証を検討する
回送運行許可(いわゆるディーラーナンバー)は、未登録車や一時抹消した車を公道で移動・回送するための制度ですが、一定の販売実績や整備事業者であることなどの要件があり、開業直後すぐに借りられるとは限りません。自社で分解整備や車検整備まで行う場合は、地方運輸局の自動車整備事業の認証(認証工場)が別途必要になります。輸出入を扱うなら、中古車輸出時の輸出抹消登録や通関、並行輸入時の予備検査など、許可とは別系統の手続きが絡みます。
費用の目安
- 古物商許可の申請手数料:19,000円(不許可でも返還されません)
- 法人設立:合同会社で約6万円〜、株式会社で登録免許税15万円+定款認証等を含め20〜25万円程度
- 行政書士へ古物商許可申請を代行する場合:数万円程度
- 回送運行許可・整備認証は、それぞれ別途手数料と要件充足のコストがかかります
見落としやすい届出・義務
- 古物台帳(帳簿)の備付けと記帳義務、3年間の保存
- 買取時の相手方の本人確認義務
- 営業所への古物商プレートの掲示
- 取引にホームページを使う場合のURLの届出
- 自動車の保管場所(車庫)の確保
スケジュール感
古物商許可は申請から許可まで、土日祝を除き概ね40日前後が目安です。住民票、登記されていないことの証明書、誓約書、略歴書などの添付書類を揃えるのに2〜3週間を見込み、全体で1.5〜2か月程度を計画しておくと無理がありません。
よくあるつまずき
- 欠格事由(禁錮以上の刑、暴力団関係、過去5年以内の許可取消など)に該当して不許可になる
- 賃貸物件で貸主の使用承諾が取れず、営業所として認められない
- 回送運行許可の要件(販売台数・整備事業者要件)を満たせずディーラーナンバーを使えない
- 買取時の本人確認や古物台帳の記載漏れ
なお、添付書類の様式や審査期間、車庫証明の扱いは所管の警察署・運輸局により細部が異なるため、申請前に管轄窓口で最新の要件を確認してください。