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花卉農家に必要な許認可

切花・鉢植えの栽培・販売

花卉農家の開業で必要な許認可・届出の全体像

花卉栽培そのものは、米や野菜と同じく許認可がいる事業ではありません。栽培して売るだけなら、税務署への個人事業の開業届を出せば事業者として活動できます。許認可が問題になるのは「どこで栽培するか」「種苗をどう扱うか」「どこへ売るか(特に海外)」の3点で、花卉農家は野菜農家以上に種苗と検疫が絡む点が特徴です。

まず最初にやること — 土地と開業の土台

自分の農地ですでに農業をしているなら、開業届だけで始められます。問題は、農地でない土地(宅地・雑種地)にハウスや温室を建てて始める場合で、ここでは農地転用許可(農地法4条・5条)が必要になります。借地で始めるなら賃貸借契約と転用が連動するため、整地・ハウス建設より前に農業委員会へ相談するのが鉄則です。転用許可が下りないと施設が建てられず、後工程がすべて止まります。

法人形態で始める、または融資・補助金を見据えるなら、この段階で法人設立登記を済ませておくと、後述の共済や販路契約が法人名義で一貫します。

種苗まわり — 花卉特有の論点

オリジナル品種を育成して権利を守りたい場合は、種苗法に基づく品種登録(種苗登録)を農林水産省へ出願します。審査に数年かかるため、開業準備と並行して早めに動くべき項目です。

種苗を仕入れる・出荷する際は植物防疫が関わります。国内向けでも病害虫が出れば植物防疫検査の対象になり、海外の種苗を入れるなら種苗輸入届出と輸入検疫、逆に切花や球根を輸出するなら相手国が求める植物検疫証明書(phytosanitary certificate)、種苗の輸出では種苗輸出検査証明が必要です。輸出先国ごとに条件が異なるため、最寄りの植物防疫所に「どの国へ何を出すか」を具体的に相談してください。

施設栽培なら共済、直販なら販売届

ガラス温室・ビニールハウスなど施設で栽培するなら、NOSAI(農業共済)の園芸施設共済加入届出を検討します。台風・大雪・火災での施設被害は花卉では致命的で、加入が実質的なリスク管理になります。

市場出荷だけでなく、自前で花束・アレンジを店頭やネットで売るなら、生花販売業に該当する届出が必要になる場合があります。要否や名称は自治体により異なるため、市場経由のみか直販かを決めてから役所に確認してください。

順序・費用感・つまずき

順序は、転用許可(必要時)→開業届/法人登記→施設建設→共済加入→種苗・検疫対応、が基本です。費用は開業届は無料、農地転用は行政書士報酬で数万〜十数万円、品種登録は出願料・登録料で数万円規模、検疫は検査ごとの手数料です(品目・自治体で変動)。

つまずきやすいのは、転用許可を取らずに先に温室を建ててしまうケースと、輸出を急に決めて相手国の検疫条件を満たせず出荷できないケースです。土地と検疫は「始める前の相談」が最も効きます。

8

必須の許認可

47,200〜55,000円

費用の目安(合計)

2

条件付きの許認可

必須の許認可

生花・園芸植物の小売販売を行うための届出。輸入花卉は植物検疫の対象。

管轄: 農林水産省費用: 無料期間: 1〜7日

海外から植物の種苗を輸入する場合に必要な届出。植物防疫所での検査が前提。

管轄: 農林水産省費用: 0〜2,000円期間: 3〜14日

個人事業主として事業を開始した場合に提出する届出。開業から1ヶ月以内に提出する必要があります。

管轄: 税務署費用: 無料期間: 約1日

個人事業の場合

むずかしい

新品種を育成した場合に品種登録を受けるための申請。品種の特性や育成過程を審査される。

管轄: 農林水産省費用: 47,200円期間: 365〜1095日更新: 25年ごと

植物を輸入する際に検疫所で受ける検査。病害虫の侵入を防止するための制度。

管轄: 農林水産省費用: 無料期間: 1〜14日

植物の種苗を輸出する際に必要な検疫証明。植物防疫所での検査が必要。

管轄: 農林水産省費用: 0〜2,000円期間: 3〜14日

ビニールハウス等の園芸施設の損害を補償する共済への加入届出。

管轄: 農林水産省費用: 無料期間: 7〜14日更新: 1年ごと

植物・種子等の輸出入に必要な検疫証明書。病害虫の侵入防止が目的。

管轄: 農林水産省費用: 0〜3,800円期間: 1〜14日

条件によって必要になる許認可

法人設立登記60,000〜242,000円

条件: 法人設立の場合

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