医療機器卸売業許可
管轄: 厚生労働省 / 根拠法令: 医薬品医療機器等法第39条
医療機器の卸売販売を行うための許可。高度管理医療機器等の取扱いには販売業許可が必要。
医療機器卸売業許可は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。厚労省の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。なお、6年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
「卸売業許可」という独立区分は存在しない点に注意
まず制度の前提を正確に押さえる必要がある。医薬品には「卸売販売業」という独立した許可区分があるが、医療機器にはそれがない。医療機器を他の事業者へ卸す(卸売する)場合も、薬機法上の枠組みは一般の販売と同じ「販売業・貸与業」である。したがって取り扱う機器のクラス分類によって、必要な手続きが次のように分かれる。
- 高度管理医療機器(クラスⅢ・Ⅳ、および特定保守管理医療機器)→ 高度管理医療機器等販売業・貸与業の「許可」が必要
- 管理医療機器(クラスⅡ)→ 「届出」のみで足りる(許可は不要)
- 一般医療機器(クラスⅠ)→ 手続き不要
「卸売だから特別な許可がいる」のではなく、「何のクラスを扱うか」で要否が決まる。卸売で高度管理品(手術用機器、ペースメーカー、コンタクトレンズ等)を扱うなら許可、管理医療機器止まり(家庭用血圧計、電子体温計、補聴器の一部等)なら届出となる。
許可取得の必須要件
申請・届出先は営業所の所在地を管轄する都道府県知事(保健所設置市・特別区ではその長)。許可制(高度管理)で必須となるのは次の2点。
- 営業所ごとに「営業所管理者」を設置すること。高度管理医療機器等の管理者は、原則として医療機器の販売・貸与の業務に3年以上従事し、厚労省指定の基礎講習を修了した者などが該当する。補聴器・家庭用電気治療器・プログラム高度管理医療機器など、品目によっては別途の管理者要件が定められている
- 営業所の構造設備が基準を満たすこと(品質確保のための保管設備、明確な区分等)
管理者は原則として営業所に常勤・専任であることが求められ、他店舗との兼任は認められない点に注意。
申請の流れと費用
1. 取扱機器のクラス分類を確定する(製造販売業者の添付文書・GMDNで確認) 2. 管理者要件を満たす人材を確保し、基礎講習を受講させる 3. 営業所の設備を基準に合わせる 4. 申請書・管理者の資格証明・営業所の図面等を揃えて窓口へ提出
費用は申請手数料が中心で、目安は30,000〜50,000円程度。ただし手数料額は自治体により異なるため、提出先の保健所で必ず確認すること。これに加え基礎講習の受講料、行政書士へ委託する場合の報酬が別途かかる。
よくある差し戻し・不許可理由
- 管理者の従事経験・講習修了を証明する書類が不足している
- 扱う機器のクラス判定を誤り、許可が必要なのに届出で済ませようとしている(またはその逆)
- 営業所の保管設備が基準を満たしていない、図面と実態が一致しない
- 管理者が他業務と兼任で専任性が認められない
更新・変更時の注意
高度管理医療機器等販売業・貸与業の許可は6年ごとの更新が必要で、有効期間満了前に手続きを行う。管理者には毎年度の継続的研修(受講)が義務付けられており、これを怠ると行政指導の対象になりうる。営業所の移転、管理者の変更、取扱品目の追加などが生じた際は、その都度変更届が必要。特に新たに高度管理医療機器を扱い始める場合、届出のみだった事業者は許可の取得が必要になるため、品目追加の前に手続き要否を確認すること。
なお、輸入して国内で流通させる場合は別途「医療機器製造販売業許可」等が関わるため、卸売の前段に輸入が入るなら自社の立ち位置を整理しておくとよい。
高額な申請費用と複雑な手続きが伴います。書類不備による再申請を避けるため、専門家のサポートを受けることを強く推奨します。
申請手順
- 1管轄都道府県に販売業許可申請
- 2営業所の構造設備基準の適合確認
- 3管理者の配置
- 4審査・許可
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●厚労省管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
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