ドラッグストアに必要な許認可
ドラッグストアの経営
ドラッグストア開業の許認可の全体像
ドラッグストアの開業でまず判断すべきは、調剤を行うかどうかです。処方箋に基づく調剤をする店舗は「薬局開設許可」が必要で、管理薬剤師の常駐が前提になります。一方、調剤をせず一般用医薬品(OTC)の販売に絞るなら「医薬品販売業許可(店舗販売業)」になります。店舗販売業では第2類・第3類医薬品は登録販売者が、第1類医薬品は薬剤師が販売を担当します。どちらの許可も都道府県(実務窓口は保健所)が所管し、構造設備基準を満たすための実地調査があります。
物販の幅を広げるドラッグストアでは、医薬品以外の届出も発生します。家庭用洗剤や園芸用品などで劇物に該当する商品を扱う場合は「毒物劇物業務上取扱者届出」が必要です。CBDオイルなどを扱うなら「CBD製品販売届出」を、店内で弁当・総菜や要冷蔵食品を扱うなら「食品衛生責任者」の設置と保健所への営業許可・届出を検討します。中古品の買取・再販を併設する場合は「古物商許可」が、複数店舗へ卸す形態をとる場合のみ「医薬品卸売販売業許可」が必要になります(通常の小売だけなら卸売許可は不要です)。
取得すべき順序と依存関係
最初に事業形態を決めます。個人なら「個人事業の開業届」を税務署へ、法人化するなら「法人設立登記」を先に済ませます。許可申請の名義が法人になるため、登記は医薬品の許可申請より前に終えておく必要があります。
次に薬剤師または登録販売者を確保します。人員要件を満たせないと許可が下りないため、物件選定と並行して採用を進めます。その後、保健所と事前相談のうえで構造設備(調剤室、医薬品の陳列区画、冷所など)を整え、「薬局開設許可」または「店舗販売業許可」を申請します。毒物劇物・CBD・食品・古物の各届出は、取り扱う商品が確定してから本許可と前後して提出します。
費用の目安
許可申請手数料は自治体により異なりますが、店舗販売業許可でおおむね1.5万〜3万円、薬局開設許可で3万円前後が目安です。法人設立登記は登録免許税を含めおおむね20万〜25万円(電子定款なら印紙代4万円が不要)。これらは行政手数料で、別途、構造設備の工事費・什器・初期在庫・薬剤師等の人件費が大きな割合を占めます。古物商許可は約1.9万円、各種届出は無料〜数千円程度です。
見落としやすい点とつまずき
つまずきやすいのは、登録販売者の「過去5年で2年以上の実務経験」要件です。要件を満たさない人を管理者に置くと許可が無効になりかねません。また、要指導・第1類を扱うなら薬剤師の営業時間中の常駐が必須で、シフト設計を甘く見ると開店後に体制が崩れます。劇物該当商品やCBD、食品の届出は「医薬品の許可さえあれば足りる」と誤解しがちですが、それぞれ別建ての届出です。準備期間は物件確保から開業まで3〜6か月を見込み、保健所の事前相談を早めに入れることが遅延回避の鍵になります。