再就職支援に必要な許認可
再就職支援サービスの提供
再就職支援に必要な許認可の全体像
再就職支援(アウトプレースメント)は、企業から委託を受けて、退職・早期退職する従業員のキャリア相談から求人紹介、再就職の決定までを伴走する事業です。単なる研修やカウンセリングで完結せず「対象者を新しい勤務先に就職させる」ところまで踏み込むため、職業安定法上の有料職業紹介事業許可が中核の許可になります。手数料を受け取って人と求人をマッチングする以上、無許可では行えません。
紐づく許認可を整理すると次の通りです。
- 有料職業紹介事業許可(必須・許可制)— 委託料や成功報酬を受けて再就職先を紹介する核となる許可
- キャリアコンサルタント登録(実務上ほぼ必須・名称独占の国家資格)— カウンセリングを担う相談員が「キャリアコンサルタント」を名乗るために必要
- 法人設立登記(状況により必要)— 後述の資産要件を満たしやすく、企業との委託契約上も法人が現実的
- 労働者派遣事業許可(状況により必要)— 再就職までの一時的な就労機会を派遣で提供する場合のみ
- 個人事業の開業届(個人で始める場合)— ただし資産要件の壁から個人開業は限定的
- 無料職業紹介事業届出(手数料を一切取らない場合のみ・届出制)
取得すべき順序
依存関係があるため順序が重要です。
1. 法人設立登記を先に済ませる(個人より資産要件・契約面で有利) 2. 職業紹介責任者講習を受講し、責任者を確保する 3. 基準資産と事務所(プライバシーに配慮した相談スペース)を整える 4. 有料職業紹介事業許可を労働局経由で申請する 5. 相談員のキャリアコンサルタント登録を確認・取得する
派遣を組み合わせる場合のみ、別途4の段階で労働者派遣事業許可を並行申請します。
費用の目安と内訳
有料職業紹介事業許可の主な費用は、登録免許税9万円、収入印紙による許可手数料5万円(事業所が増えるごとに1.8万円加算)です。加えて職業紹介責任者講習が1万円台です。
最大のハードルは資産要件で、純資産(基準資産額)が500万円以上、うち現金・預金が150万円以上必要です。労働者派遣まで取る場合は、純資産2,000万円以上・現金1,500万円以上とさらに重くなります。
見落としやすい届出・つまずき
- キャリアコンサルタント登録は更新制(5年ごと・更新講習が必要)で、失効に気づかず名称を使い続けるトラブルが多い
- 職業紹介責任者は事業所ごとに選任が必要で、退職時の後任手配を忘れやすい
- 手数料表・取扱職種の範囲など、許可後も届出・備付けが必要な書類がある
- 委託元企業からの「成功報酬」設計が、職業安定法の手数料ルールに抵触しないか事前確認が必要
スケジュール感
法人設立から有料職業紹介事業許可の交付まで、書類準備と労働局審査でおおむね2〜3か月を見込みます。講習受講や資産要件の積み増しが必要な場合はさらに前倒しで準備し、営業開始の半年前から動くと安全です。資産要件・事務所要件・責任者要件は所管の労働局により運用が異なるため、申請前に管轄労働局へ事前相談することを強く勧めます。