労働者派遣事業許可
管轄: 厚生労働省 / 根拠法令: 労働者派遣法第5条
労働者派遣事業を営むための許可
労働者派遣事業許可は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。厚労省の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。なお、3年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
何のための許可か
労働者派遣事業許可は、自社で雇用した労働者を、他社(派遣先)の指揮命令の下で働かせる「労働者派遣」を業として行うために必要な許可です。2015年の労働者派遣法改正で、それまでの「特定労働者派遣事業(届出制)」が廃止され、現在はすべての派遣事業が許可制に一本化されています。請負・業務委託の名目でも、実態が派遣(発注者が指揮命令する)であれば無許可派遣と判断され、偽装請負として是正指導の対象になります。
取得の必須要件
許可基準は「財産的基礎」「派遣元責任者」「事業所」の3点が中心です。
- 財産的基礎(1事業所あたり): 基準資産額(資産総額−負債総額)が2,000万円以上、かつ自己名義の現金・預金が1,500万円以上、さらに基準資産額が負債総額の7分の1以上。事業所が増えるごとにこの基準が加算されます。
- 派遣元責任者: 雇用管理の経験など一定要件を満たし、受講から3年以内の「派遣元責任者講習」を修了していること。
- キャリア形成支援制度: 派遣労働者への教育訓練計画を整備していることが必須要件です。
- 事業所: 面積おおむね20㎡以上が目安(要件は緩和傾向)、風俗営業の密集地でないこと、個人情報を適正に管理できる体制があること。
申請の流れと費用
申請先は本店所在地を管轄する都道府県労働局です。書類提出後、労働局の調査・労働政策審議会の意見聴取を経て、おおむね2〜3か月で許可が下ります。
費用の内訳は以下が目安です(申請費用約12万円はこの収入印紙部分を指します)。
- 登録免許税: 9万円
- 許可手数料(収入印紙): 12万円+(事業所数−1)×5万5,000円
これに加え、行政書士へ依頼する場合の代行報酬が別途かかります。
よくある不許可・差し戻し理由
- 財産的基礎を満たさない(現預金1,500万円・基準資産2,000万円のいずれかに届かない)ケースが最多。決算後に資産が目減りしていると申請月の直近決算で引っかかります。
- 派遣元責任者の講習受講が3年を超えている、または雇用管理経験の要件を欠く。
- 個人情報管理規程やキャリア形成支援制度の未整備。
- 欠格事由(過去の労働関係法令違反など)に該当する。
更新・変更時の注意
許可の有効期間は新規が3年、以後の更新は5年です。更新時にも財産的基礎の要件を満たし続ける必要があり、赤字続きで基準資産を割ると更新できません。事業所の新設・移転、派遣元責任者の変更、役員変更などは変更届の対象で、期限内の届出を怠ると指導対象になります。
なお、求職者と求人企業を結ぶ「有料職業紹介事業許可」とは別制度です。紹介予定派遣など両方を扱う場合は、それぞれ個別に許可が必要になります。
高額な申請費用と複雑な手続きが伴います。書類不備による再申請を避けるため、専門家のサポートを受けることを強く推奨します。
申請手順
- 1厚生労働大臣に申請
- 2基準資産の確認
- 3事業所の実地調査
- 4許可証の交付
労働者派遣事業許可の取得でお困りですか?
無料で相談する →取得のポイント
- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●厚労省管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
次にやるべきこと
必要書類
よくある質問
この許認可が必要な業種
関連する許認可
労働者派遣事業許可と一緒に必要になることが多い許認可です。
詳しく知る
📅 この許認可の更新期限を管理する
カレンダーで一元管理 · メール通知 · 書類チェックリスト