外国人材支援に必要な許認可
外国人労働者の受入支援
事業モデルを最初に決める
外国人材支援は「どの在留資格・どの受入スキームを扱うか」で必要な許認可が根本から変わる。出発点でここを固めないと、取得すべき許認可も資産要件も全く違ってくる。主なモデルは(1)特定技能の登録支援機関、(2)技能実習の監理団体、(3)外国人専門の有料職業紹介、(4)労働者派遣、の4つで、複数を兼ねる場合も多い。
モデル別に必要な許認可
特定技能を支援するなら、出入国在留管理庁への登録支援機関登録(特定技能)が中心になる。受入企業から1号外国人の生活・就労支援を委託される立場で、登録免許税は不要、登録手数料はおおむね2万8千円程度と他モデルより軽い。一方、自社で特定技能外国人を直接雇う側に回るなら、登録ではなく特定技能所属機関届出が必要で、これは支援機関登録とは別物。両者を混同しないこと。
技能実習を扱うなら監理団体許可が必要になる。ここで見落としやすいのが、監理団体は営利を目的としない法人(事業協同組合・商工会等)でなければ許可されないという固有要件。株式会社では原則取れないため、先に協同組合の設立登記から入る。許可は外国人技能実習機構(OTIT)経由で主務大臣(法務・厚労)が出し、一般監理事業と特定監理事業で扱える優良要件が分かれる。さらに受入ごとに技能実習計画認定をOTITから取る必要があり、団体許可と計画認定は別手続きである点に注意。
紹介・派遣モデルでは、有料職業紹介事業許可(厚労大臣)か労働者派遣事業許可(厚労大臣)を取る。紹介は登録免許税9万円+手数料5万円、資産要件は1事業所あたり基準資産500万円以上。派遣はより重く、登録免許税9万円+手数料12万円に加え、基準資産2,000万円以上・現金預金1,500万円以上が必要。外国人を派遣する場合でも一般の派遣許可要件がそのまま適用される。
取得の順序と依存関係
法人形態が出発点になる。株式会社等で開業するなら法人設立登記、個人で軽く始めるなら個人事業の開業届を先に出す。ただし監理団体を目指すなら前述の通り協同組合の設立が前提条件になるため、株式会社を作ってから「組合でないと許可が取れない」と気づくと作り直しになる。
法人の器ができたら、資産要件を満たす決算・資本構成を整える。紹介・派遣許可は申請時点の財産的基礎が審査されるため、登記の段階から資本金を逆算しておく。器と財産が整って初めて、各許認可の本申請に進める。
スケジュール感とつまずき
紹介・派遣許可は申請から審査・許可まで2〜3か月、登録支援機関登録も1〜2か月程度を見込む。監理団体は組合設立とOTIT審査が重なり、半年前後かかることも珍しくない。逆算して動かないと、求人開拓や送出機関との提携が先行して許可が間に合わない事態になりやすい。
よくあるつまずきは、(1)支援機関登録と所属機関届出の取り違え、(2)監理団体の非営利要件を知らず株式会社で進めてしまう、(3)派遣の高い資産要件を満たせず途中で紹介に切り替える、の3つ。加えて、登録支援機関には支援責任者・支援担当者の配置や中長期在留者支援の実績・体制要件があり、人員設計を後回しにすると登録で止まる。
なお、許認可の細かい運用や提出先は所管庁・地方出入国在留管理局により異なるため、本申請前に管轄窓口で最新の要件を確認すること。