有料職業紹介事業許可
管轄: 厚生労働省 / 根拠法令: 職業安定法第30条
有料で職業紹介を行うための許可
有料職業紹介事業許可は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。厚労省の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。なお、5年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
何のための許可か
有料職業紹介事業許可は、手数料を得て求人者と求職者の間をあっせん(マッチング)する事業を行うために、職業安定法第30条に基づき厚生労働大臣から受ける許可です。人材紹介会社、エグゼクティブサーチ、看護師・保育士・エンジニア等の専門職紹介、再就職支援サービスなどが該当します。求人企業から成功報酬を受け取るビジネスはほぼこの許可が必要です。
なお、港湾運送業務と建設業務は職業紹介そのものが法律で禁止されており、これらの職種をあっせんすることはできません。労働者を自社で雇って派遣する「労働者派遣事業」とは別制度なので、ビジネスモデルに応じて取得すべき許可を取り違えないことが重要です。
主な要件
- 資産要件: 基準資産額(資産総額−負債総額)が500万円以上(事業所数×500万円)。かつ、自己名義の現金・預金が150万円以上(2事業所目以降は1事業所増えるごとに+60万円)。この財産要件が最大のハードルです。
- 職業紹介責任者: 事業所ごとに、成年で欠格事由に該当しない者を選任。選任前5年以内に「職業紹介責任者講習」を受講していることが必須。求職者50人につき1人以上の配置が必要です。
- 事業所要件: 求職者のプライバシーが確保され、職業紹介に適した構造であること。かつて20㎡以上の面積要件がありましたが現在は撤廃され、個人情報を適正に管理できる体制が重視されます。
- 個人情報管理: 求職者・求人者の個人情報の適正管理に関する規程の整備。
申請の流れと費用
事業所所在地を管轄する都道府県労働局を経由して申請します。標準処理期間はおおむね2〜3か月です。
費用の内訳(新規):
- 収入印紙(登録免許税の手数料相当)5万円。複数事業所の場合は2事業所目以降1か所につき1万8千円を加算
- 登録免許税 9万円
つまり1事業所でも、印紙代5万円に加え登録免許税9万円が別途かかる点に注意してください。
よくある不許可・差し戻し理由
- 基準資産・現預金要件の未達。直近の決算書や残高証明で証明できないケース
- 職業紹介責任者の講習未受講、または受講後5年を超過
- 求職者から手数料を徴収する設計(原則、求職者からの徴収は禁止。芸能家・モデル、経営管理者・科学技術者など一部例外のみ)
- 個人情報管理規程の不備、事業所の独立性・プライバシー確保の不足
更新・変更時の注意
有効期間は新規が3年、更新後は5年です。更新時にも改めて資産要件を満たす必要があり、業績悪化で基準資産を割ると更新できません。事業所の新設・移転、役員や職業紹介責任者の変更は変更届出が必要です。また、徴収する手数料を「届出制手数料」とする場合は手数料表の届出が前提となります。許可後も、毎年度の事業報告書の提出義務がある点も押さえておきましょう。
高額な申請費用と複雑な手続きが伴います。書類不備による再申請を避けるため、専門家のサポートを受けることを強く推奨します。
申請手順
- 1厚生労働大臣に申請
- 2事業所要件の確認
- 3許可証の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●厚労省管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
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