サイバーセキュリティ事業の開業ガイド
必要な許認可・費用・手続きの流れを徹底解説
最終更新: 2026-04-14
17件
必須の許認可
2,161,500〜11,241,500円
費用の目安(合計)
最大180日
想定期間
最大難易度
目次
サイバーセキュリティ事業とは
サイバーセキュリティ事業は比較的許認可が少ない業種ですが、個人情報保護やセキュリティ面での要件に注意が必要です。事業内容によっては通信関連の届出が求められる場合もあります。
セキュリティ対策・コンサルティング
サイバーセキュリティ事業を開業するには、合計22件の許認可が関係します(必須: 17件、条件付き: 5件)。 このガイドでは、それぞれの許認可について費用・期間・必要書類を詳しく解説し、 開業までの具体的なステップをご案内します。
開業までのリアルなタイムライン
全ての許認可取得に6ヶ月程度。並行して進められる手続きもあるため、効率的なスケジュールを組みましょう。
税務署管轄
個人情報保護委員会管轄
金融庁管轄
総務省管轄
デジタル庁管轄
経済産業省管轄
認証機関(審査登録機関)管轄
経済産業省/IPA管轄
総務省/法務省/経済産業省管轄
※ 異なる管轄の許認可は並行して申請できる場合があります。同じ管轄の許認可は順番に申請が必要な場合があります。
サイバーセキュリティ事業の開業までのステップ
事業計画の策定
サイバーセキュリティ事業の事業計画を策定します。事業内容・ターゲット・収支計画を明確にし、必要な許認可を洗い出しましょう。
資金調達・物件確保
開業資金を調達し、営業拠点となる物件を確保します。許認可によっては施設基準があるため、物件選定時に要件を確認しましょう。
許認可の申請・取得
必要な許認可を一つずつ申請していきます。申請順序にも注意が必要です。先に取得が必要な許認可がある場合があります。
届出・登録手続き
税務署への開業届、社会保険の届出、各種届出を行います。法人設立の場合は登記も必要です。
開業・営業開始
全ての許認可を取得し、届出が完了したら営業を開始できます。許認可の更新時期を管理し、期限切れに注意しましょう。
サイバーセキュリティ事業に必要な許認可一覧
必須の許認可(17件)
SSL/TLS証明書を発行する認証局の認定。ウェブサイトのHTTPS化に必要な証明書発行事業が対象。
申請ステップを見る(4ステップ)
- 認証局運営の技術要件確認
- 認証局のセキュリティ監査
- 認定申請書の提出
- 認定証の交付
必要書類(4件)
- ●認定申請書- SSL/TLS証明書発行事業の認定申請書。
- ●CA運用規程(CPS)- 認証局運用規程(Certification Practice Statement)。
- ●セキュリティ監査報告書- 認証局のセキュリティ監査報告書。
- ●HSM管理規程- ハードウェアセキュリティモジュールの管理規程。
指紋・虹彩・顔認証等の生体認証サービスを提供する事業者の届出。生体情報の取得・利用に関する届出が必要。
申請ステップを見る(4ステップ)
- 生体情報のプライバシー影響評価
- サービス概要・データ管理体制を記載した届出書作成
- 個人情報保護委員会への届出書提出
- 届出受理通知の受領
必要書類(8件)
- ●セキュリティ対策報告書- 生体データの暗号化・保管方法等の対策報告
- ●届出書- 生体認証サービスの届出書。
- ●プライバシー影響評価書- 生体情報のPIA報告書。
- ●生体情報管理規程- 生体情報の取得・保存・削除に関する規程。
- ●生体認証サービス届出書- 所定の様式による届出書
- ●システム仕様書- 生体認証システムの技術仕様書
- ●個人情報保護影響評価書- 生体情報の取扱いに関するプライバシー影響評価
- ○登記事項証明書- 法人の場合は登記事項証明書
ペネトレーションテスト(侵入テスト)サービスを提供する事業者の登録。情報セキュリティサービス基準適合が必要。
申請ステップを見る(4ステップ)
- 情報セキュリティサービス基準への適合確認
- ペネトレーションテスト事業者登録申請
- 技術力・体制の審査
- 登録証の交付
必要書類(9件)
- ●登記事項証明書- 法人の場合は登記事項証明書
- ●登録申請書- ペネトレーションテスト事業者の登録申請書。
- ●技術者資格一覧- セキュリティ技術者の資格一覧。
- ●実績報告書- ペネトレーションテストの実績報告書。
- ●秘密保持体制説明書- 顧客情報の秘密保持体制を記載した書類。
- ●ペネトレーションテスト事業者登録申請書- 所定の様式による登録申請書
- ●技術者の資格・経歴書- 検査従事者のセキュリティ資格・経歴一覧
- ●情報管理規程- 検査で取得した情報の管理に関する規程
- ●誓約書- 不正アクセス行為の禁止等に関する誓約書
条件によって必要になる許認可(5件)
デジタル署名の認証業務を行うための認定。電子契約や電子申請に利用される認証局の運営に必要。
※ デジタル認証業務の認定
申請ステップを見る(4ステップ)
- デジタル庁への事前相談を実施
- 認定申請書及び添付書類の作成
- 認証システムの技術適合性審査
- 認定証の交付
必要書類(4件)
- ●認定申請書- デジタル認証業務認定の申請書。事業者情報・サービス概要を記載。
- ●認証システム技術仕様書- 認証局システムの技術仕様・セキュリティ対策を記載した書類。
- ●事業計画書- 認証業務の事業計画・収支計画を記載した書類。
- ●情報セキュリティポリシー- 認証局運営のセキュリティポリシー文書。
サイバーセキュリティ事業の開業にかかる許認可費用の目安
2,161,500〜11,241,500円
必須許認可の取得費用合計(申請手数料のみ)
※ 上記は申請手数料のみの目安です。行政書士に依頼する場合は別途報酬(3〜15万円程度/件)がかかります。 設備投資費・物件取得費は含みません。
開業までの想定期間
最大 約180日
最も時間のかかる許認可の取得期間
複数の許認可を並行して申請できる場合もあります。 ただし、先に取得が必要な許認可がある場合は順番に申請する必要があるため、 余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
サイバーセキュリティ事業の開業資金の全体像
許認可費用だけでなく、設備投資や運転資金も含めた開業資金の全体像を把握しましょう。
必須の17件の許認可取得にかかる申請手数料の合計
専門家に申請代行を依頼する場合の報酬。自分で申請する場合は不要
事業に必要な設備・内装等の初期投資の参考額
開業後、売上が安定するまでの運転資金
※ 設備投資額・運転資金は事業規模や地域によって大きく異なります。 上記はあくまで参考値です。実際の開業計画に合わせて、詳細な資金計画を策定してください。 日本政策金融公庫の「創業計画書」の作成をおすすめします。
先輩事業者の声 - 開業前に知っておきたいこと
個人情報を取り扱うサービスの場合、プライバシーポリシーの整備と個人情報保護法への対応を最優先で進めましょう。
フリーランスとして始める場合でも、開業届と青色申告承認申請書の提出を忘れずに。節税メリットが大きいです。
クライアントワークの場合、契約書の整備(著作権の帰属、責任範囲など)が後々のトラブル防止に重要です。
サイバーセキュリティ事業で気をつけるべき法規制
サイバーセキュリティ事業に関連する主な法律と、違反した場合の罰則をまとめました。 法令を遵守し、適正な事業運営を行いましょう。
個人情報保護法
個人情報の適正な取扱いを義務付ける法律。違反すると行政指導や罰金(最大1億円)の対象となります。
電気通信事業法
通信サービスを提供する場合に届出が必要。無届営業には罰則があります。
特定商取引法
ECサイト運営時に表示義務があります。違反すると業務停止命令の対象です。
この業種の許認可に関連する法令:
サイバーセキュリティ事業の開業に必要な書類まとめ
全ての許認可で必要となる書類を重複なくまとめました。 事前に準備しておくことで、スムーズに申請を進められます。
- ●本人確認書類
マイナンバーカード又は通知カード+運転免許証等
- ●個人事業の開業・廃業等届出書
国税庁サイトからダウンロード可能
- ●個人情報保護方針
個人情報の取扱いに関する方針を記載した書面
- ●届出書
所定の様式による届出書
- ●事業の概要説明書
事業の内容・規模を記載した説明書
- ●システム構成図
事業に使用するシステムの構成を示す図面
- ●安全管理措置説明書
データ安全管理措置の実施状況を記載した書類。
- ●プライバシーポリシー
個人情報保護方針の写し。
- ●登録申請書
サイバー保険代理店の登録申請書。
- ●保険募集人資格証明書
保険募集人の資格を証明する書類。
- ●研修修了証明書
保険代理店研修の修了証明書。
- ●サービス概要書
VPNサービスの概要を記載した書類。
- ●通信暗号化方式説明書
VPN暗号化方式の技術説明書。
- ●認定申請書
SSL/TLS証明書発行事業の認定申請書。
- ●CA運用規程(CPS)
認証局運用規程(Certification Practice Statement)。
- ●セキュリティ監査報告書
認証局のセキュリティ監査報告書。
- ●HSM管理規程
ハードウェアセキュリティモジュールの管理規程。
- ●自己評価報告書
セキュリティサービスの自己評価結果
- ●技術者名簿・資格証明書
CISSP等のセキュリティ資格証明
- ●個人情報保護マネジメントシステム文書
PMS文書一式
- ●内部監査報告書
PMSの内部監査結果
- ●教育実施記録
従業員への個人情報保護教育の記録
- ●セキュリティ対策報告書
生体データの暗号化・保管方法等の対策報告
- ●プライバシー影響評価書
生体情報のPIA報告書。
- ●生体情報管理規程
生体情報の取得・保存・削除に関する規程。
- ●生体認証サービス届出書
所定の様式による届出書
- ●システム仕様書
生体認証システムの技術仕様書
- ●個人情報保護影響評価書
生体情報の取扱いに関するプライバシー影響評価
- ●技術者資格一覧
セキュリティ技術者の資格一覧。
- ●実績報告書
ペネトレーションテストの実績報告書。
- ●秘密保持体制説明書
顧客情報の秘密保持体制を記載した書類。
- ●ペネトレーションテスト事業者登録申請書
所定の様式による登録申請書
- ●技術者の資格・経歴書
検査従事者のセキュリティ資格・経歴一覧
- ●情報管理規程
検査で取得した情報の管理に関する規程
- ●誓約書
不正アクセス行為の禁止等に関する誓約書
- ●SOC運用体制説明書
セキュリティ監視センターの運用体制を記載した書類。
- ●インシデント対応手順書
セキュリティインシデント対応の手順書。
- ●ISMS認証申請書
ISMS認証に必要な所定の様式による申請書
- ●登記されていないことの証明書
成年被後見人等に登記されていないことの証明書
- ●申請書
所定の様式に必要事項を記入した申請書
- ●警備員名簿
警備業務に従事する警備員の名簿
- ●警備業認定申請書
所定の様式による警備業認定申請書
- ●警備員指導教育責任者の資格証の写し
警備員指導教育責任者の資格者証の写し
- ●警備員教育計画書
警備員の教育・研修計画を記載した書面
- ●設置場所の見取図
無線設備の設置場所を示す見取図
- ●無線従事者の資格証明書
無線従事者の免許証の写し
- ●電波の発射状況の説明書
使用する電波の周波数・出力等の説明書
- ●無線設備の工事設計書
無線設備の技術的条件を記載した工事設計書
- ●営業所の平面図
営業所の配置・構造を示す平面図
- ●主任電気工事士の実務経験証明書
主任電気工事士の実務経験を証明する書面
- ●電気工事士免状の写し
電気工事士の免状の写し
- ●電気通信設備の概要
電気通信設備の仕様・性能を記載した書面
- ●電子署名認証業務認定申請書
電子署名認証業務認定に必要な所定の様式による申請書
- ●身分証明書
本籍地の市区町村長が発行する身分証明書
- ●特定認証業務認定申請書
特定認証業務認定に必要な所定の様式による申請書
- ●認証システム技術仕様書
認証局システムの技術仕様・セキュリティ対策を記載した書類。
- ●事業計画書
認証業務の事業計画・収支計画を記載した書類。
- ●情報セキュリティポリシー
認証局運営のセキュリティポリシー文書。
- ●脆弱性情報取扱い届出申請書
脆弱性情報取扱い届出に必要な所定の様式による申請書
- ●セキュリティ対策の概要
情報セキュリティに関する対策を記載した書面
- ●法人設立登記申請書
法人設立登記に必要な所定の様式による申請書
- ○登記事項証明書
法人の場合は登記事項証明書
- ○定款の写し(法人の場合)
法人の定款の写し
- ○技術者一覧表
所属する技術者の資格・経験一覧
- ○役員名簿(法人の場合)
法人の役員の氏名・住所一覧
- ○技術者資格証明書
セキュリティ技術者の資格・経歴を証明する書類。
- ○印鑑証明書
申請者の印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内)
- ○納税証明書
税務署発行の納税証明書
サイバーセキュリティ事業の開業に関するよくある質問
Q. 開業届を出さないとどうなりますか?
A. 罰則はありませんが、青色申告ができない、屋号での銀行口座開設ができない等のデメリットがあります。事業を始めたら速やかに届出しましょう。
Q. 個人事業の開業届の取得にかかる費用と期間はどれくらいですか?
A. 届出手数料は無料〜数千円程度で、手続きは比較的簡単です。必要書類を揃えて提出すれば、通常1〜4週間程度で受理されます。行政書士等に依頼する場合は別途3〜5万円程度の報酬がかかります。
Q. 個人事業の開業届の申請で注意すべきポイントや要件は何ですか?
A. 届出書類の記載内容に不備がないよう、事前に税務署や管轄窓口に確認することをお勧めします。届出後も法令改正に注意し、変更があれば速やかに届出内容を更新してください。関連する他の届出・許可が必要な場合もあるため、事前に全体像を把握しておくことが重要です。
Q. 特定個人情報保護評価書提出の申請に必要な費用はいくらですか?
A. 特定個人情報保護評価書提出の申請手数料は申請先や内容によって異なります。個人情報保護委員会の管轄窓口に事前にお問い合わせいただくことをお勧めします。
Q. 特定個人情報保護評価書提出の取得にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 特定個人情報保護評価書提出の取得には、申請から約14日〜30日程度かかるのが一般的です。ただし、書類の不備や審査状況によってはさらに時間がかかる場合があります。余裕を持ったスケジュールで申請されることをお勧めします。
Q. 特定個人情報保護評価書提出を取得しないとどうなりますか?
A. 特定個人情報保護評価書提出は法令に基づく資格・許認可です。必要な許認可を取得せずに事業や活動を行った場合、行政処分や罰則の対象となる可能性があります。事業開始前に必ず取得手続きを行ってください。
Q. データブローカーも届出が必要ですか?
A. はい、個人データの売買・仲介を行うデータブローカーは届出が必要です。
Q. 匿名加工情報の取扱いも対象ですか?
A. 匿名加工情報は一定のルールの下で取扱いが可能ですが、届出が推奨される場合があります。
Q. 個人データ管理事業届出の申請で注意すべきポイントや要件は何ですか?
A. 申請前に個人情報保護委員会の最新の基準・ガイドラインを確認してください。人員配置基準、設備基準、安全管理体制などの要件を全て満たす必要があります。書類不備による差戻しが多いため、事前相談を活用し、申請書類は専門家にチェックを依頼することを推奨します。更新手続きの期限管理も重要です。
Q. サイバー保険の種類は?
A. 情報漏洩保険、サイバー攻撃保険、事業中断保険等があります。顧客のリスクに応じた提案が必要です。