就労継続支援B型に必要な許認可
障害者の就労支援(B型)
就労継続支援B型の開業に必要な許認可の全体像
就労継続支援B型は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスです。雇用契約を結ばずに働く場を提供する点でA型と異なり、利用者の体調や障害特性に合わせた軽作業・生産活動を行います。開業の核となるのは就労継続支援B型事業所指定(障害福祉サービス事業所指定の一類型)で、これがなければサービス提供も給付費の請求もできません。
注意すべきは、この指定は法人であることが要件である点です。リストには個人事業の開業届もありますが、就労継続支援B型を個人事業で開業することは原則できません。まず法人設立登記を行い、定款の事業目的に「障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業」を明記しておく必要があります。これが最初の依存関係です。
取得すべき順序
- まず法人を設立する(定款の事業目的に障害福祉サービス事業を記載)
- 設備基準・建築基準法の用途・消防法に適合する物件を確保する
- サービス管理責任者(サビ管)、職業指導員、生活支援員、管理者を確保する
- 多くの自治体で必須の事前協議(指定前相談)を行う
- 就労継続支援B型事業所指定を申請する
- 指定(多くは申請月の翌月または翌々月1日付)を受けて開業
指定権者は都道府県・指定都市・中核市で、人員基準・設備基準・運営基準は所管庁により細部が異なります。
費用の目安と内訳
- 法人設立:株式会社で約25万円、合同会社で約10万円(登録免許税・定款認証等)
- 物件取得・改修費:訓練作業室、相談室、洗面所・便所等の整備で数十万〜数百万円
- 指定申請手数料:自治体により無料〜数万円程度
- 運転資金:これが最大の注意点です
障害福祉サービスの報酬は国保連を経由するため、入金は提供月から約2か月遅れます。開業後しばらくは収入が入らないため、人件費・家賃を含め2〜3か月分以上の運転資金を確保しておく必要があります。
見落としやすい届出
防火管理者の選任は見落とされがちです。障害福祉施設は消防法上の対象として扱いが厳しく、収容人員によっては防火管理者の選任・消防計画の届出が必要になります。物件選定の段階で所轄消防署に確認してください。
就労定着支援事業所指定は、B型利用者が一般就労へ移行した後の定着を支援する別サービスで、必須ではありませんが将来的に併設を検討する事業者は要件を押さえておくと展開しやすくなります。なお介護事業所指定は、介護保険の共生型サービスや訪問系を併設する場合に関わるもので、B型単体の開業に必須ではありません。
よくあるつまずき
最大のボトルネックはサビ管の確保です。サービス管理責任者は実務経験に加え基礎研修・実践研修の修了が要件で、有資格者の採用や研修日程の確保に時間がかかります。次いで多いのが、事前協議に想定以上の期間を要すること、物件が建築基準法の用途や消防法に適合せず改修が必要になること、そして報酬の2か月遅れによる資金ショートです。指定取得だけを急がず、人員・物件・資金繰りを並行して固めることが開業成功の鍵になります。