デイサービスに必要な許認可
通所介護サービスの提供
デイサービス開業に必要な許認可の全体像
デイサービスは介護保険法上の「通所介護」にあたり、最大の関門は事業所としての指定を受けることです。指定がなければ介護報酬を請求できず、事業が成り立ちません。まず押さえるべきは、定員によって申請先と指定の種類が分かれる点です。
- 利用定員19人以上の通常規模は「通所介護事業所指定」で、申請先は都道府県(政令市・中核市)
- 定員18人以下は「地域密着型通所介護事業所指定」で、申請先は事業所所在地の市町村
- 認知症の方を専門に受け入れるなら「認知症対応型通所介護事業所指定」(地域密着型)
- 総合事業の枠で受けるなら「介護予防通所介護相当サービス事業者指定」
医療系リハビリを行う「通所リハビリテーション事業所指定」や「精神科デイケア施設基準届出」は、医療法人・医療機関が主体となる別物で、一般的なデイサービス開業では対象外です。混同しないよう、自社が提供するサービス類型を最初に確定させてください。
取得すべき順序と依存関係
介護事業所の指定は法人にしか与えられません。個人では指定を受けられないため、株式会社や合同会社、NPO等の法人設立登記が事実上の出発点になります(個人事業の開業届だけでは指定申請に進めません)。
順序の目安は次の通りです。
1. 法人設立登記(定款の事業目的に「介護保険法に基づく通所介護事業」を明記) 2. 物件確保と設備基準を満たす内装(食堂兼機能訓練室3㎡/人、静養室、相談室、消火設備など) 3. 防火管理者の選任と消防計画作成届出を消防署へ提出 4. 人員基準(管理者、生活相談員、看護職員、介護職員、機能訓練指導員)の確保 5. 指定申請書を都道府県または市町村へ提出(申請月の翌々月1日指定が一般的)
老人福祉法の観点では「老人デイサービスセンター設置届出」「第二種社会福祉事業届出」が関わる場合があり、社会福祉法人や特定の形態では別途必要です。生活相談員要件で社会福祉士登録者を充てるケースも多くあります。
費用の目安とスケジュール
- 法人設立: 合同会社で約6〜10万円、株式会社で約20〜25万円(専門家報酬別)
- 指定申請手数料: 自治体により無料〜数万円(所管庁により異なる)
- 物件改修・備品・送迎車両: 数百万円規模になりやすい
- 行政書士・社労士への代行報酬: 指定申請一式で20〜40万円程度
設備工事と人員確保に時間がかかるため、準備開始から指定まで半年前後を見込むのが現実的です。
見落としやすい届出とつまずき
- 消防関連を後回しにすると指定申請に進めない。防火管理者・消防計画は内装と並行で動かす
- 定員18人以下なのに都道府県へ申請してしまう(地域密着型は市町村)取り違え
- 機能訓練指導員や看護職員の常勤要件を満たせず指定が下りない
- 介護報酬の入金は提供月の約2か月後。最低でも数か月分の人件費を賄う運転資金が必須
サービス類型・定員・申請先は自治体の集団指導や事前協議で必ず確認し、人員と設備を先に固めてから指定申請に臨むのが失敗しない進め方です。