ラーメン店に必要な許認可
ラーメン専門店の開業
ラーメン店開業に必要な許認可の全体像
ラーメン店は「飲食店営業許可」を核とする飲食業の許認可体系に乗ります。麺をゆで、スープを提供し、客席で飲食させる以上、保健所の飲食店営業許可は例外なく必須です。これに食品衛生と消防の届出が紐づき、開業届で事業を立ち上げる、という構造になります。
必須となるのは次のとおりです。
- 飲食店営業許可(保健所)
- 食品衛生責任者(資格保有者を店舗ごとに1名)
- 食品衛生責任者養成講習(無資格の場合に受講)
- 防火管理者・消防計画作成届出・防火対象物使用開始届(消防署)
- 個人事業の開業届(税務署)
状況により加わるのが、法人で開業するなら法人設立登記、深夜0時以降にビールや酎ハイなど酒類を出すなら深夜酒類提供飲食店営業の開始届出、自家製麺やスープ・チャーシューを店外に卸す・通販するなら食品製造業許可です。
取得すべき順序と依存関係
順序を間違えると手戻りが出ます。
まず食品衛生責任者を確保します。調理師・栄養士などの資格がなければ食品衛生責任者養成講習(1日・約1万円)を先に受講します。これは飲食店営業許可の申請要件なので、店舗工事より前に動くのが安全です。
次に物件を決めたら、内装工事の着工前に保健所へ事前相談します。シンクの数、手洗い設備、厨房と客席の区画など施設基準を満たさないと許可が下りず、ラーメン店は寸胴を扱う関係で給排水・換気の指摘を受けやすいためです。工事完成後に保健所の現地検査を受け、合格して飲食店営業許可が交付されます。
消防関係は店舗の規模で変わります。収容人員30人以上(従業員含む)の店舗では防火管理者の選任と消防計画作成届出が必要で、防火対象物使用開始届は使用開始の7日前までに提出します。テナント入居型のラーメン店は対象になりやすいので早めに消防署へ確認してください。
開業届は事業開始から1か月以内に税務署へ。法人化する場合は設立登記を先に済ませ、許可も法人名義で取得します。
費用の目安と内訳
許認可まわりの実費は、飲食店営業許可が16,000〜19,000円程度(自治体により異なる)、食品衛生責任者養成講習が約1万円。消防の各届出自体は手数料無料です。深夜に酒類を出す場合の深夜酒類提供飲食店営業開始届は届出制で手数料はかかりませんが、客席の照度・構造要件があり図面作成が必要になります。行政書士へ代行を依頼する場合は、飲食店営業許可で5〜10万円程度が相場です。
見落としやすい届出とつまずき
深夜酒類提供の届出は「許可」ではなく「届出」のため軽視されがちですが、未提出で深夜に酒を出すと営業停止のリスクがあります。締めの一杯にビールを置くだけでも対象です。
自家製麺を他店へ販売したり、スープを真空パックで通販する展開は、店内提供の飲食店営業許可ではカバーされず、別途食品製造業(めん類製造業・そうざい製造業等)の許可が要ります。
最大のつまずきは保健所への事前相談を飛ばして内装を仕上げてしまうケースです。手洗い器や区画の不備で工事のやり直しが発生します。スケジュールは、講習受講と物件契約に並行して保健所事前相談、工事、消防・保健所検査、開業届という流れで、全体で1.5〜2か月を見込むと無理がありません。