産業廃棄物処理業に必要な許認可
産業廃棄物の収集運搬や処理を行う業種です。
[kyoninka] 産業廃棄物処理業 解説本文
産業廃棄物処理業の許認可の全体像
産業廃棄物処理業は、他人の事業活動で出た廃棄物を扱う業種のため、「自分が事業を始める前に許可を取る」のではなく「廃棄物の流れのどの工程を担うか」で必要な許可が決まります。中心となるのは次の3つです。
- 産業廃棄物収集運搬業許可: 排出元から処理施設まで廃棄物を運ぶ場合に必須。
- 産業廃棄物処分業許可: 中間処理(破砕・焼却・脱水など)や最終処分(埋立)を行う場合に必須。
- 特別管理産業廃棄物処理業許可: 廃石綿・廃油・廃酸廃アルカリ・感染性廃棄物など、爆発性・毒性・感染性のある廃棄物を扱う場合の上位許可。
収集運搬だけで始める事業者が多く、その場合は処分業許可は不要です。逆に「運搬もするし自社で中間処理もする」なら両方の許可が要ります。許可は積込み側・荷下ろし側の都道府県(政令市)ごとに必要で、複数県をまたぐルートでは取得先が増える点に注意してください。
取得すべき順序と依存関係
順序は「事業形態の確定 → 講習会修了 → 許可申請」が基本です。
1. 法人で始めるなら法人設立登記を先に済ませる。定款の事業目的に「産業廃棄物収集運搬業」等を明記しておかないと、後から定款変更が必要になります。個人で始める場合は個人事業の開業届を税務署に提出します。 2. 公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)の講習会を受講し、修了証を取得する。これが許可申請の前提条件で、修了証がないと申請を受け付けてもらえません。 3. 運搬車両・駐車場・収集運搬の場合の積替保管場所、処分業なら処理施設を確保する。 4. 各都道府県・政令市に許可申請する。
特別管理産業廃棄物処理業許可は、通常の産廃許可とは別枠の講習会・申請になります。最初から特管を扱う予定なら、講習区分を間違えないようにしてください。
費用の目安と内訳
- 講習会受講料: 収集運搬(新規)でおおむね3万円前後、処分業はより高額。
- 許可申請手数料: 収集運搬業の新規が1自治体あたり81,000円程度、更新・変更で金額が変わります。複数自治体に出すと自治体数分かかります。
- 車両・運搬容器・保管設備の費用、処分業なら施設整備費が別途。
- 行政書士に申請代行を依頼する場合の報酬。
金額は自治体・許可区分・更新/新規により異なるため、申請先の都道府県の手引きで必ず確認してください。
見落としやすい届出とつまずき
- PCB廃棄物保管届出: トランス・コンデンサ・安定器などPCB含有機器を保管する事業者は、保管状況を毎年度都道府県に届け出る義務があります。処理業の許可とは別に発生する点を見落としがちです。
- 積替保管を行うかどうかで、収集運搬業許可の区分(積替保管「あり」「なし」)が変わり、要件・添付書類が大きく変わります。
- 欠格要件: 役員等に一定の前科や暴力団関係があると許可が下りません。
- マニフェスト(産業廃棄物管理票)の運用は許可取得後の実務として必須で、電子マニフェスト登録も検討しておくべきです。
スケジュール感
法人設立に2〜3週間、講習会の予約から修了まで日程次第で1〜2か月、申請後の審査に各自治体で1〜2か月程度を見込みます。講習会は満席になりやすいため、開業を決めたらまず受講枠の確保から動くのが現実的です。