管工事業(配管)に必要な許認可
給排水・ガス配管工事
管工事業の開業で押さえる許認可の全体像
管工事業の特徴は、「建設業許可」という1枚の許可だけでは仕事が回らない点にあります。給水・排水・ガス・浄化槽のどこを扱うかによって、自治体や水道事業者ごとに別個の「指定」「登録」を取る必要があり、ここを見落とすと請けたい工事が受注できません。
請負金額500万円未満の軽微な管工事だけなら建設業許可は不要で、個人事業の開業届(または法人設立登記)だけで開業できます。ただし元請やハウスメーカーとの取引では許可の有無で取引可否が決まることが多く、実務上は早期取得が前提になります。
取得すべき順序(依存関係)
1. 事業形態を決め、個人事業の開業届、または法人設立登記を行う。 2. 500万円以上の工事を狙うなら建設業許可(管工事)を取得する。専任技術者として管工事施工管理技士などの資格者または実務経験者が必要なため、人の確保が許可申請の前提になります。 3. 給水管工事を行うなら、工事を行う市町村の水道事業者ごとに指定給水装置工事事業者指定を受ける。給水装置工事主任技術者の選任が必須で、自治体をまたぐ場合はその数だけ指定申請が要ります。 4. 下水道接続の排水設備工事を行うなら、各自治体下水道部局に排水設備指定工事店として登録する。あわせて公共下水道使用開始届の運用も確認しておきます。 5. 浄化槽を扱うなら浄化槽工事業者登録(都道府県)を行い、設置時には浄化槽設置届出を提出。維持管理まで請けるなら浄化槽保守点検業者登録も検討します。 6. 公共工事の入札に参加するなら、最後に経営事項審査(経審)を受ける。
ガス配管を扱う場合はガス可とう管接続工事監督者資格、道路を掘削する工事では道路工事施行承認、地下ピットやマンホール内作業では酸素欠乏危険作業主任者の選任が、それぞれ工事の現場ごとに必要になります。
費用の目安と内訳
- 建設業許可(管工事・知事許可・新規): 法定手数料9万円。行政書士に依頼する場合は報酬10〜15万円程度。
- 法人設立登記: 株式会社で登録免許税15万円+実費。個人開業届は無料。
- 指定給水装置工事事業者指定: 1自治体あたり手数料数千円〜1万円台。複数自治体ぶん積み上がる点に注意。
- 排水設備指定工事店登録・浄化槽工事業者登録: 自治体・都道府県により数千円〜1万円台。
金額は所管庁により異なるため、必ず申請先の窓口で確認してください。
見落としやすい届出とつまずき
最も多いつまずきが、建設業許可を取れば給水・排水工事もできると誤解するケースです。給水装置工事は水道事業者の指定、排水設備工事は下水道部局の指定が別途必要で、しかも営業エリアごとに取り直しになります。
また指定給水装置工事事業者には更新制度があり、更新を失念すると指定が失効します。主任技術者・施工管理技士といった資格者が退職すると要件を満たせなくなる点も、人員計画で見落とされがちです。
スケジュール感
資格者の確保ができている前提で、建設業許可は申請から取得まで1〜2か月、各自治体の指定・登録はそれぞれ2週間〜1か月程度を見込みます。営業したいエリアが複数にまたがるほど指定取得の総数が増え、開業準備は長期化します。受注予定の工事種別と対象エリアを先に固め、必要な指定を逆算して着手するのが現実的です。