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水産物卸売の開業ガイド

必要な許認可・費用・手続きの流れを徹底解説

最終更新: 2026-04-16

9

必須の許認可

143,000〜392,000円

費用の目安(合計)

最大180日

想定期間

むずかしい

最大難易度

水産物卸売とは

水産物卸売の開業には、農地法や漁業法に基づく許認可が必要です。地域の農業委員会や漁業協同組合との調整が重要なステップとなります。

水産物の卸売・仲卸

水産物卸売を開業するには、合計11件の許認可が関係します(必須: 9件、条件付き: 2件)。 このガイドでは、それぞれの許認可について費用・期間・必要書類を詳しく解説し、 開業までの具体的なステップをご案内します。

開業までのリアルなタイムライン

全ての許認可取得に6ヶ月程度。並行して進められる手続きもあるため、効率的なスケジュールを組みましょう。

農林水産省管轄

水産食品HACCP認定30〜90日
30〜90日
漁港施設使用許可7〜14日
7〜14日
漁業権免許60〜180日
60〜180日
漁業協同組合設立認可60〜120日
60〜120日
魚類市場開設許可60〜180日
60〜180日

都道府県知事管轄

食品製造処理業許可(水産加工)14〜30日
14〜30日

税務署管轄

個人事業の開業届約1日
約1日

保健所管轄

食品衛生責任者約1日
約1日

厚生労働省管轄

水産加工業許可14〜30日
14〜30日

※ 異なる管轄の許認可は並行して申請できる場合があります。同じ管轄の許認可は順番に申請が必要な場合があります。

水産物卸売の開業までのステップ

1

事業計画の策定

水産物卸売の事業計画を策定します。事業内容・ターゲット・収支計画を明確にし、必要な許認可を洗い出しましょう。

2

資金調達・物件確保

開業資金を調達し、営業拠点となる物件を確保します。許認可によっては施設基準があるため、物件選定時に要件を確認しましょう。

3

許認可の申請・取得

必要な許認可を一つずつ申請していきます。申請順序にも注意が必要です。先に取得が必要な許認可がある場合があります。

4

届出・登録手続き

税務署への開業届、社会保険の届出、各種届出を行います。法人設立の場合は登記も必要です。

5

開業・営業開始

全ての許認可を取得し、届出が完了したら営業を開始できます。許認可の更新時期を管理し、期限切れに注意しましょう。

水産物卸売に必要な許認可一覧

必須の許認可(9件)

必須ふつう

水産食品の製造施設がHACCP(危害分析重要管理点)の認定を受ける制度。

管轄農林水産省
費用50,000〜150,000円
期間30〜90日
更新3年ごと
申請ステップを見る(5ステップ)
  1. HACCP計画の策定
  2. 衛生管理体制の整備
  3. 認定申請書の作成
  4. 審査・現地調査
  5. 認定証の交付
必要書類(3件)
  • HACCP認定申請書- 水産食品のHACCP認定を申請する書類
  • HACCP計画書- 危害分析と重要管理点の計画書
  • 衛生管理体制の説明書- 施設の衛生管理体制を説明する書類

水産物の加工処理を行う食品製造業に必要な許可。HACCP対応の衛生管理体制が求められる。

管轄都道府県知事
費用16,000〜48,000円
期間14〜30日
更新5年ごと
申請ステップを見る(5ステップ)
  1. 食品衛生法の施設基準に適合する施設を整備する
  2. 営業許可申請書、施設図面等を準備する
  3. 管轄の保健所に申請書を提出する
  4. 保健所による施設の検査が行われる
  5. 基準適合後、許可証が交付される
必要書類(4件)
  • 営業許可申請書- 食品製造処理業の営業許可申請書
  • 施設図面- 製造施設の配置図・構造図
  • HACCP衛生管理計画- HACCP対応の衛生管理計画書
  • 水質検査成績書- 使用水の水質検査成績書
必須かんたん

漁港の施設を使用するための許可。漁港管理者(市町村長等)の許可が必要。

管轄農林水産省
費用1,000〜50,000円
期間7〜14日
更新1年ごと
申請ステップを見る(5ステップ)
  1. 使用許可申請書の作成
  2. 使用目的の明示
  3. 漁港管理者への申請
  4. 使用料の納付
  5. 許可証の交付
必要書類(3件)
  • 施設使用許可申請書- 漁港施設の使用許可を申請する書類
  • 使用計画書- 施設の使用目的と計画
  • 位置図- 使用する施設の位置を示す図面
必須かんたん

個人事業主として事業を開始した場合に提出する届出。開業から1ヶ月以内に提出する必要があります。

管轄税務署
費用無料
期間約1日
更新更新不要

個人事業の場合

申請ステップを見る(4ステップ)
  1. 開業届出書(様式)を国税庁サイトからダウンロード
  2. 必要事項を記入
  3. 管轄の税務署に提出(郵送可)
  4. 受付印を押された控えを受け取る
必要書類(2件)
  • 個人事業の開業・廃業等届出書- 国税庁サイトからダウンロード可能
  • 本人確認書類- マイナンバーカード又は通知カード+運転免許証等
必須かんたん

飲食店や食品を取り扱う事業所に必ず1名配置が必要な資格。講習会を受講することで取得できます。

管轄保健所
費用10,000〜12,000円
期間約1日
更新更新不要
申請ステップを見る(4ステップ)
  1. 各都道府県の食品衛生協会に講習会の申し込み
  2. 6時間程度の講習会を受講
  3. 修了証を受け取る
  4. 営業許可申請時に修了証を添付
必要書類(4件)
  • 食品衛生責任者の資格証明書- 食品衛生責任者養成講習会の修了証の写し
  • 営業許可申請書- 所定の様式による営業許可申請書
  • 施設の平面図- 営業施設の構造・設備を示す平面図
  • 水質検査成績書- 使用水が水道水以外の場合に必要な水質検査の成績書
必須むずかしい

一定の水面において特定の漁業を営む権利を得るための免許。定置漁業権、区画漁業権、共同漁業権の3種類がある。

管轄農林水産省
費用無料
期間60〜180日
更新10年ごと
申請ステップを見る(5ステップ)
  1. 免許申請書の作成
  2. 漁業計画の策定
  3. 都道府県知事への申請
  4. 海区漁業調整委員会の意見聴取
  5. 免許の付与
必要書類(4件)
  • 漁業権免許申請書- 漁業権の免許を申請するための書類
  • 漁業計画書- 漁業経営の計画を記載した書類
  • 漁場図- 漁業を行う水面の位置と範囲を示す図面
  • 経営収支計画書- 漁業経営の収支見込みを記載した書類
必須むずかしい

漁業者が協同して経済活動を行うための漁業協同組合を設立する際の認可。

管轄農林水産省
費用無料
期間60〜120日
更新更新不要
申請ステップを見る(6ステップ)
  1. 設立発起人の選定
  2. 定款の作成
  3. 組合員の募集
  4. 設立総会の開催
  5. 都道府県知事への認可申請
  6. 認可・登記
必要書類(4件)
  • 設立認可申請書- 漁業協同組合の設立認可を申請する書類
  • 定款- 組合の定款
  • 事業計画書- 組合の事業計画を記載した書類
  • 設立総会議事録- 設立総会の議事録
必須むずかしい

水産物の卸売市場を開設するための許可。地方卸売市場は都道府県知事の許可が必要。

管轄農林水産省
費用50,000〜100,000円
期間60〜180日
更新更新不要
申請ステップを見る(6ステップ)
  1. 開設許可申請書の作成
  2. 市場運営計画の策定
  3. 施設図面の準備
  4. 都道府県知事への申請
  5. 施設検査
  6. 許可証の交付
必要書類(4件)
  • 卸売市場開設許可申請書- 水産物卸売市場の開設許可申請書
  • 市場運営計画書- 市場の運営計画を記載した書類
  • 施設設計図- 市場施設の設計図面
  • 衛生管理計画書- 市場の衛生管理に関する計画
必須ふつう

水産物の加工業を営むための許可。施設基準と衛生管理基準を満たす必要がある。

管轄厚生労働省
費用16,000〜32,000円
期間14〜30日
更新5年ごと
申請ステップを見る(6ステップ)
  1. 営業許可申請書の作成
  2. 施設の図面準備
  3. 衛生管理計画の作成
  4. 保健所への申請
  5. 施設検査
  6. 許可証の交付
必要書類(3件)
  • 営業許可申請書- 水産加工業の営業許可申請書
  • 施設の図面- 加工施設の構造設備図面
  • HACCP計画書- 衛生管理計画(HACCP)の書類

条件によって必要になる許認可(2件)

条件付きかんたん

一般的な卸売業を開始するための届出。取扱品目によって追加許可が必要な場合あり。

管轄経済産業省
費用無料
期間1〜7日
更新更新不要

卸売業の届出

申請ステップを見る(3ステップ)
  1. 事業計画の策定
  2. 税務署に開業届出
  3. 取扱品目に応じた追加許可の確認
必要書類(3件)
  • 開業届出書- 税務署所定の様式。
  • 取扱品目に応じた追加許可確認書- 追加許可の要否確認結果。
  • 事業計画書- 取扱品目・販売先の説明。
条件付きふつう

株式会社や合同会社を設立するための登記。定款認証・資本金払込みの後に申請します。

管轄法務局
費用60,000〜242,000円
期間7〜14日
更新更新不要

法人設立の場合

申請ステップを見る(5ステップ)
  1. 定款の作成
  2. 定款の認証(株式会社の場合、公証役場で)
  3. 資本金の払込み
  4. 設立登記申請書を法務局に提出
  5. 登記完了(約1〜2週間)
必要書類(4件)
  • 法人設立登記申請書- 法人設立登記に必要な所定の様式による申請書
  • 身分証明書- 本籍地の市区町村長が発行する身分証明書
  • 定款の写し(法人の場合)- 法人の定款の写し
  • 納税証明書- 税務署発行の納税証明書

水産物卸売の開業にかかる許認可費用の目安

143,000〜392,000円

必須許認可の取得費用合計(申請手数料のみ)

※ 上記は申請手数料のみの目安です。行政書士に依頼する場合は別途報酬(3〜15万円程度/件)がかかります。 設備投資費・物件取得費は含みません。

開業までの想定期間

最大 約180日

最も時間のかかる許認可の取得期間

複数の許認可を並行して申請できる場合もあります。 ただし、先に取得が必要な許認可がある場合は順番に申請する必要があるため、 余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

漁業権免許60〜180日
魚類市場開設許可60〜180日
漁業協同組合設立認可60〜120日
水産食品HACCP認定30〜90日
食品製造処理業許可(水産加工)14〜30日
水産加工業許可14〜30日
漁港施設使用許可7〜14日
個人事業の開業届約1日
食品衛生責任者約1日

水産物卸売の開業資金の全体像

許認可費用だけでなく、設備投資や運転資金も含めた開業資金の全体像を把握しましょう。

許認可の申請手数料
143,000〜392,000円

必須の9件の許認可取得にかかる申請手数料の合計

行政書士への報酬(目安)
72万〜135万円

専門家に申請代行を依頼する場合の報酬。自分で申請する場合は不要

設備投資(参考)
500万〜3,000万円(農機具・施設・土地)

事業に必要な設備・内装等の初期投資の参考額

運転資金(目安)
月商の6ヶ月分以上(300万〜1,000万円)

開業後、売上が安定するまでの運転資金

※ 設備投資額・運転資金は事業規模や地域によって大きく異なります。 上記はあくまで参考値です。実際の開業計画に合わせて、詳細な資金計画を策定してください。 日本政策金融公庫の「創業計画書」の作成をおすすめします。

先輩事業者の声 - 開業前に知っておきたいこと

1ポイント 1

農地の取得・転用には農業委員会の許可が必要です。手続きに数ヶ月かかるため、早めに相談しましょう。

2ポイント 2

新規就農者向けの支援制度(補助金・融資)が充実しています。自治体の農業担当部署に相談しましょう。

3ポイント 3

6次産業化(加工・販売まで手がける場合)は、追加の許認可が必要です。事業計画段階で検討しておきましょう。

水産物卸売で気をつけるべき法規制

水産物卸売に関連する主な法律と、違反した場合の罰則をまとめました。 法令を遵守し、適正な事業運営を行いましょう。

1

農地法

農地の権利移動や転用を規制する法律。無許可転用には罰則(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)があります。

2

漁業法

漁業権の設定と漁業の秩序維持を規定。無許可操業には罰則があります。

3

食品衛生法

農水産物の加工・販売を行う場合に営業許可が必要です。

この業種の許認可に関連する法令:

食品衛生法・水産庁ガイドライン食品衛生法第55条漁港漁場整備法第39条所得税法第229条食品衛生法第48条漁業法第57条水産業協同組合法第25条卸売市場法第13条商法・各業法会社法第49条

水産物卸売の開業に必要な書類まとめ

全ての許認可で必要となる書類を重複なくまとめました。 事前に準備しておくことで、スムーズに申請を進められます。

必須書類(29件)
  • HACCP認定申請書

    水産食品のHACCP認定を申請する書類

  • HACCP計画書

    危害分析と重要管理点の計画書

  • 衛生管理体制の説明書

    施設の衛生管理体制を説明する書類

  • 営業許可申請書

    食品製造処理業の営業許可申請書

  • 施設図面

    製造施設の配置図・構造図

  • HACCP衛生管理計画

    HACCP対応の衛生管理計画書

  • 水質検査成績書

    使用水の水質検査成績書

  • 施設使用許可申請書

    漁港施設の使用許可を申請する書類

  • 使用計画書

    施設の使用目的と計画

  • 個人事業の開業・廃業等届出書

    国税庁サイトからダウンロード可能

  • 本人確認書類

    マイナンバーカード又は通知カード+運転免許証等

  • 食品衛生責任者の資格証明書

    食品衛生責任者養成講習会の修了証の写し

  • 施設の平面図

    営業施設の構造・設備を示す平面図

  • 漁業権免許申請書

    漁業権の免許を申請するための書類

  • 漁業計画書

    漁業経営の計画を記載した書類

  • 漁場図

    漁業を行う水面の位置と範囲を示す図面

  • 経営収支計画書

    漁業経営の収支見込みを記載した書類

  • 設立認可申請書

    漁業協同組合の設立認可を申請する書類

  • 定款

    組合の定款

  • 事業計画書

    組合の事業計画を記載した書類

  • 設立総会議事録

    設立総会の議事録

  • 卸売市場開設許可申請書

    水産物卸売市場の開設許可申請書

  • 市場運営計画書

    市場の運営計画を記載した書類

  • 施設設計図

    市場施設の設計図面

  • 衛生管理計画書

    市場の衛生管理に関する計画

  • 施設の図面

    加工施設の構造設備図面

  • 開業届出書

    税務署所定の様式。

  • 法人設立登記申請書

    法人設立登記に必要な所定の様式による申請書

  • 身分証明書

    本籍地の市区町村長が発行する身分証明書

状況によって必要な書類(4件)
  • 位置図

    使用する施設の位置を示す図面

  • 取扱品目に応じた追加許可確認書

    追加許可の要否確認結果。

  • 定款の写し(法人の場合)

    法人の定款の写し

  • 納税証明書

    税務署発行の納税証明書

水産物卸売の開業に関するよくある質問

Q. HACCP認定の取得にはどのくらいかかりますか?

A. 準備期間を含めて3ヶ月〜半年程度です。既にHACCPを導入している場合は比較的短期間で認定を受けられます。

Q. HACCP認定のメリットは?

A. 輸出先国の衛生基準への適合証明となるほか、取引先からの信頼性向上、品質管理レベルの向上等のメリットがあります。

Q. 水産食品HACCP認定の申請で注意すべきポイントや要件は何ですか?

A. 申請前に農林水産省の最新の基準・ガイドラインを確認してください。人員配置基準、設備基準、安全管理体制などの要件を全て満たす必要があります。書類不備による差戻しが多いため、事前相談を活用し、申請書類は専門家にチェックを依頼することを推奨します。更新手続きの期限管理も重要です。

Q. 水産加工の営業許可の有効期間は?

A. 5年間です。期限前に更新手続きが必要です。

Q. HACCP対応は必須ですか?

A. はい、2021年6月以降、原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務化されています。

Q. 食品製造処理業許可(水産加工)の申請で注意すべきポイントや要件は何ですか?

A. 申請前に都道府県知事の最新の基準・ガイドラインを確認してください。人員配置基準、設備基準、安全管理体制などの要件を全て満たす必要があります。書類不備による差戻しが多いため、事前相談を活用し、申請書類は専門家にチェックを依頼することを推奨します。更新手続きの期限管理も重要です。

Q. 漁港施設の使用料はどのくらいですか?

A. 漁港管理者(市町村等)が定める使用料条例に基づきます。施設の種類や使用面積により異なります。

Q. 漁港施設の使用許可期間は?

A. 通常1年以内です。継続して使用する場合は毎年更新が必要です。

Q. 漁港施設使用許可の申請で注意すべきポイントや要件は何ですか?

A. 届出書類の記載内容に不備がないよう、事前に農林水産省や管轄窓口に確認することをお勧めします。届出後も法令改正に注意し、変更があれば速やかに届出内容を更新してください。関連する他の届出・許可が必要な場合もあるため、事前に全体像を把握しておくことが重要です。

Q. 開業届を出さないとどうなりますか?

A. 罰則はありませんが、青色申告ができない、屋号での銀行口座開設ができない等のデメリットがあります。事業を始めたら速やかに届出しましょう。

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