薬局の開業ガイド
必要な許認可・費用・手続きの流れを徹底解説
最終更新: 2026-04-10
9件
必須の許認可
663,000〜2,596,000円
費用の目安(合計)
最大120日
想定期間
最大難易度
目次
薬局とは
薬局の開業には、人命に関わるため厳格な要件が定められています。管轄する行政機関への事前相談を十分に行い、法令を遵守した上で準備を進めることが重要です。
医薬品の調剤・販売を行う業種です。
薬局を開業するには、合計15件の許認可が関係します(必須: 9件、条件付き: 6件)。 このガイドでは、それぞれの許認可について費用・期間・必要書類を詳しく解説し、 開業までの具体的なステップをご案内します。
開業までのリアルなタイムライン
全ての許認可取得に4ヶ月程度。並行して進められる手続きもあるため、効率的なスケジュールを組みましょう。
都道府県管轄
厚生労働省管轄
厚生労働省(地方厚生局)管轄
税務署管轄
※ 異なる管轄の許認可は並行して申請できる場合があります。同じ管轄の許認可は順番に申請が必要な場合があります。
薬局の開業までのステップ
事業計画の策定
薬局の事業計画を策定します。事業内容・ターゲット・収支計画を明確にし、必要な許認可を洗い出しましょう。
資金調達・物件確保
開業資金を調達し、営業拠点となる物件を確保します。許認可によっては施設基準があるため、物件選定時に要件を確認しましょう。
許認可の申請・取得
必要な許認可を一つずつ申請していきます。申請順序にも注意が必要です。先に取得が必要な許認可がある場合があります。
届出・登録手続き
税務署への開業届、社会保険の届出、各種届出を行います。法人設立の場合は登記も必要です。
開業・営業開始
全ての許認可を取得し、届出が完了したら営業を開始できます。許認可の更新時期を管理し、期限切れに注意しましょう。
薬局に必要な許認可一覧
必須の許認可(9件)
電子処方箋の発行・管理システムを提供する事業者の届出。医療機関・薬局向けの電子処方箋システムが対象。
申請ステップを見る(4ステップ)
- 電子処方箋管理システムの要件確認
- HPKI認証への対応
- システム仕様を記載した届出書作成
- 厚生労働省への届出書提出
必要書類(9件)
- ●データ連携テスト結果- 電子処方箋管理サービスとの連携テスト結果。
- ●電子処方箋サービス届出書- 所定の様式による届出書
- ●システム仕様書- 電子処方箋システムの機能・連携仕様書
- ●セキュリティ対策報告書- 処方データの暗号化・アクセス制御等の対策報告
- ●HPKI認証局との連携証明書- HPKIによる電子署名の連携証明
- ●届出書- 電子処方箋サービスの届出書。
- ●システム仕様書- 電子処方箋管理システムの仕様書。
- ●HPKI対応証明書- HPKI認証への対応を証明する書類。
- ○登記事項証明書- 法人の場合は登記事項証明書
条件によって必要になる許認可(6件)
一定規模以上の建物で営業する場合に必要。収容人員30人以上の飲食店等では選任が義務付けられています。
※ 一定規模以上の場合
申請ステップを見る(4ステップ)
- 消防署で防火管理者講習の日程を確認
- 講習を受講(甲種: 2日、乙種: 1日)
- 修了証を受領
- 消防署に防火管理者選任届出書を提出
必要書類(4件)
- ●防火管理者選任届出書- 防火管理者を選任したことの届出書
- ●防火管理者資格証明書- 防火管理講習の修了証の写し
- ●施設の平面図- 施設の構造・消防設備の配置を示す平面図
- ●消防計画- 火災予防・消火活動に関する消防計画
薬局の開業にかかる許認可費用の目安
663,000〜2,596,000円
必須許認可の取得費用合計(申請手数料のみ)
※ 上記は申請手数料のみの目安です。行政書士に依頼する場合は別途報酬(3〜15万円程度/件)がかかります。 設備投資費・物件取得費は含みません。
開業までの想定期間
最大 約120日
最も時間のかかる許認可の取得期間
複数の許認可を並行して申請できる場合もあります。 ただし、先に取得が必要な許認可がある場合は順番に申請する必要があるため、 余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
薬局の開業資金の全体像
許認可費用だけでなく、設備投資や運転資金も含めた開業資金の全体像を把握しましょう。
必須の9件の許認可取得にかかる申請手数料の合計
専門家に申請代行を依頼する場合の報酬。自分で申請する場合は不要
事業に必要な設備・内装等の初期投資の参考額
開業後、売上が安定するまでの運転資金
※ 設備投資額・運転資金は事業規模や地域によって大きく異なります。 上記はあくまで参考値です。実際の開業計画に合わせて、詳細な資金計画を策定してください。 日本政策金融公庫の「創業計画書」の作成をおすすめします。
先輩事業者の声 - 開業前に知っておきたいこと
開業場所の選定時に、既存の医療機関との距離や地域の需要を調査しましょう。自治体によっては開設規制がある地域があります。
設備・構造基準は細かく定められています。設計段階から管轄機関と相談し、基準に適合した図面を作成しましょう。
スタッフの資格要件も厳格です。採用計画を早期に立て、有資格者の確保に動きましょう。
薬局で気をつけるべき法規制
薬局に関連する主な法律と、違反した場合の罰則をまとめました。 法令を遵守し、適正な事業運営を行いましょう。
医療法
医療施設の開設・管理に関する法律。無許可開設には罰則(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)があります。
薬機法(医薬品医療機器等法)
医薬品・医療機器の製造販売を規制する法律。無許可製造・販売は重い罰則の対象です。
健康保険法
保険医療機関としての指定を受けるために必要な法律。診療報酬請求のルールを規定しています。
この業種の許認可に関連する法令:
薬局の開業に必要な書類まとめ
全ての許認可で必要となる書類を重複なくまとめました。 事前に準備しておくことで、スムーズに申請を進められます。
- ●施設の平面図
薬局の構造・設備を示す平面図
- ●管理薬剤師の履歴書
管理薬剤師の職歴を記載した履歴書
- ●薬局開設許可申請書
所定の様式による薬局開設許可申請書
- ●薬剤師免許証の写し
厚生労働大臣発行の薬剤師免許証の写し
- ●GDP認証申請書
GDP認証を申請する書類
- ●流通管理基準書
医薬品流通管理に関する基準書
- ●温度管理記録
輸送・保管時の温度管理記録
- ●医薬品輸入届出書
医薬品の輸入届出書
- ●外国製造業者認定書
輸入元の外国製造業者の認定書
- ●輸入品の品質試験成績書
輸入医薬品の品質試験データ
- ●日本語添付文書
日本語の製品添付文書
- ●データ連携テスト結果
電子処方箋管理サービスとの連携テスト結果。
- ●電子処方箋サービス届出書
所定の様式による届出書
- ●システム仕様書
電子処方箋システムの機能・連携仕様書
- ●セキュリティ対策報告書
処方データの暗号化・アクセス制御等の対策報告
- ●HPKI認証局との連携証明書
HPKIによる電子署名の連携証明
- ●届出書
電子処方箋サービスの届出書。
- ●HPKI対応証明書
HPKI認証への対応を証明する書類。
- ●勤務薬剤師一覧
薬局に勤務する薬剤師の一覧
- ●調剤室の構造概要
調剤室の構造・設備の概要を記載した書面
- ●保険会社との委託契約書の写し
保険会社との代理店委託契約書の写し
- ●保険募集に関する研修計画
募集人の教育・研修計画を記載した書面
- ●事業計画書
保険事業の計画を記載した事業計画書
- ●保険募集人登録申請書
所定の様式による登録申請書
- ●内部管理態勢の概要
内部管理・コンプライアンス態勢を記載した書面
- ●個人事業の開業・廃業等届出書
国税庁サイトからダウンロード可能
- ●本人確認書類
マイナンバーカード又は通知カード+運転免許証等
- ●防火管理者選任届出書
防火管理者を選任したことの届出書
- ●防火管理者資格証明書
防火管理講習の修了証の写し
- ●消防計画
火災予防・消火活動に関する消防計画
- ●申請書
所定の様式に必要事項を記入した申請書
- ●毒物劇物取扱責任者設置届出申請書
毒物劇物取扱責任者設置届出に必要な所定の様式による申請書
- ●従事者名簿
施設に従事する医療従事者の名簿
- ●診療科目一覧
開設する診療科目の一覧
- ●法人設立登記申請書
法人設立登記に必要な所定の様式による申請書
- ●身分証明書
本籍地の市区町村長が発行する身分証明書
- ○登記事項証明書
法人の場合は登記事項証明書
- ○納税証明書
税務署発行の納税証明書
- ○登記事項証明書(法人の場合)
法務局発行の法人登記事項証明書
- ○定款の写し(法人の場合)
法人の定款の写し
薬局の開業に関するよくある質問
Q. 薬局開設許可の申請に必要な費用はいくらですか?
A. 薬局開設許可の申請手数料は30,000円です。申請先は都道府県となります。なお、手数料は自治体や申請内容によって異なる場合がありますので、事前に管轄窓口へご確認ください。
Q. 薬局開設許可の取得にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 薬局開設許可の取得には、申請から約30日〜60日程度かかるのが一般的です。ただし、書類の不備や審査状況によってはさらに時間がかかる場合があります。余裕を持ったスケジュールで申請されることをお勧めします。
Q. 薬局開設許可の更新は必要ですか?
A. はい、薬局開設許可は6年ごとに更新が必要です。更新手続きには有効期限が切れる前に申請する必要があります。更新を怠ると許認可が失効し、業務を継続できなくなる可能性がありますのでご注意ください。
Q. GDP認証は法的に必須ですか?
A. 現時点ではガイドラインに基づく自主的な認証ですが、将来的に法的義務化が検討されています。
Q. GDP認証の対象はどのような事業者ですか?
A. 医薬品の卸売販売業者、物流事業者、保管事業者等が対象です。
Q. 医薬品GDP認証の申請で注意すべきポイントや要件は何ですか?
A. 申請前に厚生労働省の最新の基準・ガイドラインを確認してください。人員配置基準、設備基準、安全管理体制などの要件を全て満たす必要があります。書類不備による差戻しが多いため、事前相談を活用し、申請書類は専門家にチェックを依頼することを推奨します。更新手続きの期限管理も重要です。
Q. 医薬品の輸入には外国製造業者の認定が必須ですか?
A. はい、輸入元の外国製造業者がPMDAの認定を受けていることが前提条件です。
Q. 海外の医薬品を個人輸入する場合も届出は必要ですか?
A. 個人使用目的の場合は一定量まで届出不要ですが、販売目的の輸入には必ず届出が必要です。
Q. 医薬品輸入届出の申請で注意すべきポイントや要件は何ですか?
A. 審査基準が厳しく、事前準備に十分な時間と費用を確保してください。厚生労働省への事前相談を必ず行い、必要な基準・要件を正確に把握することが重要です。専門の行政書士やコンサルタントへの依頼を強く推奨します。許可後も定期的な報告義務や更新手続きがあり、継続的なコンプライアンス体制の維持が求められます。
Q. HPKIとは何ですか?
A. 保健医療福祉分野の公開鍵基盤のことで、医師等の資格確認をデジタルで行う仕組みです。