保育園・託児所に必要な許認可
保育施設の運営
まず「認可か認可外か」で取得すべき許認可が変わる
保育施設の開業で最初に決めるのは、児童福祉法に基づく認可を取るか、認可外で始めるかです。ここで申請ルートが大きく分岐します。
定員19人以下で運営するなら、子ども・子育て支援新制度の地域型保育事業認可が現実的です。職員全員が保育士資格を持つ小規模保育事業A型認可、半数以上で足りる小規模保育事業B型認可、家庭的保育に近い小規模保育事業C型認可、自宅等で行う家庭的保育事業認可、企業が従業員向けに設ける事業所内保育事業認可があり、いずれも市区町村が認可主体です。定員20人以上の本格的な施設は都道府県(政令市・中核市は市)が認可する保育所認可となります。幼児教育も担うなら幼保連携型認定こども園認可、または既存施設からの保育所型認定こども園認定・地方裁量型認定こども園認定という選択肢があります。
認可を取らずに始める場合でも、認可外保育施設届出は義務です。事業開始から1か月以内に都道府県知事へ届け出て、以後は指導監督基準の遵守と年1回の運営状況報告が求められます。届出を怠ると罰則対象です。
取得の順序と依存関係
おおむね次の順で進めます。
- 事業形態・定員・対象年齢の決定(これで認可種別が確定)
- 法人形態の決定。社会福祉法人・NPO・株式会社などで法人設立登記を行うか、個人なら個人事業の開業届を提出
- 物件確保と設備基準の充足(保育室面積、調理室、屋外遊技場または代替の公園)
- 消防法対応。収容人員30人以上の施設は防火管理者(甲種・乙種)を選任し、消防計画作成届出を消防署へ提出
- 認可申請または認可外保育施設届出
- 保育士・調理員等の人員確保
自園調理で給食を提供する規模になると栄養士免許を持つ人員の配置が論点になります。配置義務の有無は施設種別・定員で異なるため所管庁に確認が必要です。
費用の目安
届出・認可そのものの手数料は低額または無料のことが多く、コストの大半は物件取得・内装・消防用設備に集中します。耐火構造や避難経路、スプリンクラー等の整備で数百万円規模になるのが一般的です。防火管理者講習は甲種で1万円弱、株式会社の設立登記は登録免許税15万円を含め20〜25万円が目安です。認可施設は基準充足の初期投資は重いものの、運営後は給付(委託費)で運営費が賄われる点が認可外との大きな違いです。
見落としやすい届出・つまずき
- 一時預かり事業届出、病児保育事業届出、夜間保育所認可は、通常保育と別枠の届出・認可が必要
- ベビーシッターはベビーシッター派遣事業届出に加え、子ども家庭庁認証事業者登録の取得でマッチング上の信頼性が変わる
- 障害児支援を行うなら保育所等訪問支援事業所指定、家庭的保育者を育てる側に回るなら家庭的保育者研修実施機関指定が関わる
- 保育士の配置基準(年齢別の児童数対職員比)を満たせず開園が遅れるケースが多い
- 認可外の届出を「任意」と誤解し未提出のまま運営してしまう
種別ごとに所管庁(市区町村か都道府県か)と基準が異なるため、定員と事業形態を固めた段階で必ず管轄窓口に事前相談することをおすすめします。