決済サービスの開業ガイド
必要な許認可・費用・手続きの流れを徹底解説
最終更新: 2026-04-12
18件
必須の許認可
4,300,000〜21,500,000円
費用の目安(合計)
最大365日
想定期間
最大難易度
目次
決済サービスとは
決済サービスの開業には、金融庁や財務局への登録・許可が必要です。利用者保護の観点から審査が厳しく、十分な準備期間が必要です。
キャッシュレス決済の提供
決済サービスを開業するには、合計26件の許認可が関係します(必須: 18件、条件付き: 8件)。 このガイドでは、それぞれの許認可について費用・期間・必要書類を詳しく解説し、 開業までの具体的なステップをご案内します。
開業までのリアルなタイムライン
全ての許認可取得に13ヶ月程度。並行して進められる手続きもあるため、効率的なスケジュールを組みましょう。
税務署管轄
金融庁管轄
経済産業省管轄
各省庁管轄
※ 異なる管轄の許認可は並行して申請できる場合があります。同じ管轄の許認可は順番に申請が必要な場合があります。
決済サービスの開業までのステップ
事業計画の策定
決済サービスの事業計画を策定します。事業内容・ターゲット・収支計画を明確にし、必要な許認可を洗い出しましょう。
資金調達・物件確保
開業資金を調達し、営業拠点となる物件を確保します。許認可によっては施設基準があるため、物件選定時に要件を確認しましょう。
許認可の申請・取得
必要な許認可を一つずつ申請していきます。申請順序にも注意が必要です。先に取得が必要な許認可がある場合があります。
届出・登録手続き
税務署への開業届、社会保険の届出、各種届出を行います。法人設立の場合は登記も必要です。
開業・営業開始
全ての許認可を取得し、届出が完了したら営業を開始できます。許認可の更新時期を管理し、期限切れに注意しましょう。
決済サービスに必要な許認可一覧
必須の許認可(18件)
インターネットバンキングシステムを提供するベンダーの認定。銀行向けオンラインバンキングシステムが対象。
申請ステップを見る(4ステップ)
- 金融情報システムセンター基準への適合確認
- 第三者機関によるセキュリティ監査
- 認定申請書の提出
- 認定証の交付
必要書類(5件)
- ●認定申請書- インターネットバンキングシステムの認定申請書。
- ●FISC基準適合報告書- 金融情報システムセンター基準への適合報告書。
- ●ペネトレーションテスト報告書- 侵入テストの結果報告書。
- ●BCP(事業継続計画)- システム障害時の事業継続計画。
- ●暗号化方式説明書- 通信・データの暗号化方式を記載した書類。
キャッシュレス決済の加盟店管理を行う事業者の届出。決済代行会社(PSP)としての加盟店契約管理が対象。
申請ステップを見る(4ステップ)
- 加盟店管理・セキュリティ体制の整備
- 事業計画・管理体制を記載した届出書作成
- 経済産業省への届出書提出
- 届出受理通知の受領
必要書類(8件)
- ●届出書- キャッシュレス決済加盟店管理事業の届出書。
- ●加盟店管理体制説明書- 加盟店審査・管理体制を記載した書類。
- ●PCI DSS適合証明書- カード情報セキュリティ基準の適合証明。
- ●キャッシュレス決済加盟店管理事業届出書- 所定の様式による届出書
- ●加盟店管理規程- 加盟店の審査・管理に関する規程
- ●個人情報保護方針- 決済データの取扱いに関する保護方針
- ●PCI DSS準拠証明書- クレジットカード情報セキュリティ基準の準拠証明
- ○登記事項証明書- 法人の場合は登記事項証明書
オンラインでの本人確認(eKYC)サービスを提供する事業者の届出。金融機関向けの本人確認ソリューションが対象。
申請ステップを見る(4ステップ)
- 犯収法施行規則上のeKYC要件確認
- サービス概要・技術仕様を記載した届出書作成
- 金融庁への届出書提出
- 届出受理通知の受領
必要書類(8件)
- ●届出書- eKYCサービスの届出書。
- ●本人確認方式説明書- eKYCの技術方式を記載した書類。
- ●犯収法適合証明書- 犯罪収益移転防止法への適合を証明する書類。
- ●eKYCサービス届出書- 所定の様式による届出書
- ●システム仕様書- 本人確認の手法・精度に関する技術仕様書
- ●個人情報保護影響評価書- 個人情報・生体情報の取扱いに関する影響評価
- ●セキュリティ対策報告書- データ暗号化・不正検知等のセキュリティ対策報告
- ○登記事項証明書- 法人の場合は登記事項証明書
規制対応テクノロジー(RegTech)サービスを金融機関に提供する事業者の届出。AML/CFTシステム等が対象。
申請ステップを見る(4ステップ)
- RegTechサービスの法的位置づけ確認
- サービス概要・技術仕様を記載した届出書作成
- 金融庁への届出書提出
- 届出受理通知の受領
必要書類(7件)
- ●届出書- RegTechサービスの届出書。
- ●サービス概要書- RegTechサービスの概要を記載した書類。
- ●技術仕様書- AML/CFTシステム等の技術仕様書。
- ●RegTechサービス提供届出書- 所定の様式による届出書
- ●サービス仕様書- 規制対応支援サービスの機能・技術仕様
- ●セキュリティ対策報告書- データ保護・アクセス制御等のセキュリティ対策
- ○登記事項証明書- 法人の場合は登記事項証明書
ステーブルコイン等のデジタル通貨を発行する事業者の登録。法定通貨連動型のデジタル通貨が対象。
申請ステップを見る(5ステップ)
- デジタル通貨の発行・管理計画策定
- AML/CFT体制・準備金管理体制の整備
- 電子決済手段発行業登録申請
- 金融庁による審査
- 登録の完了・事業開始
必要書類(10件)
- ●財務諸表- 直近の事業年度の財務諸表
- ●発行・管理計画書- デジタル通貨の発行・管理計画書。
- ●準備金管理体制説明書- 法定通貨準備金の管理体制を記載した書類。
- ●AML/CFT対策書- マネーロンダリング対策を記載した書類。
- ●財務諸表- 直近3期分の財務諸表。
- ●デジタル通貨発行業登録申請書- 所定の様式による登録申請書
- ●事業計画書- デジタル通貨の発行・流通計画
- ●マネーロンダリング対策計画書- AML/CFTに関する対策計画
- ●利用者保護方針- デジタル通貨保有者の資産保護方針
- ●登録申請書- デジタル通貨発行業の登録申請書。
条件によって必要になる許認可(8件)
フィンテックサービスとして資金移動業を営むための登録。送金アプリやデジタルウォレットサービスが対象。
※ フィンテック資金移動業の登録
申請ステップを見る(5ステップ)
- 関東財務局への事前相談
- 内部管理体制・AML/CFT体制の整備
- 資金移動業登録申請書の提出
- 財務局による審査
- 登録の完了・公示
必要書類(5件)
- ●登録申請書- 資金移動業の登録申請書。
- ●事業計画書- 資金移動サービスの事業計画書。
- ●AML/CFT体制説明書- マネーロンダリング対策体制を記載した書類。
- ●財務諸表- 直近3期分の財務諸表。
- ●内部管理体制規程- 内部管理・コンプライアンス体制の規程。
決済サービスの開業にかかる許認可費用の目安
4,300,000〜21,500,000円
必須許認可の取得費用合計(申請手数料のみ)
※ 上記は申請手数料のみの目安です。行政書士に依頼する場合は別途報酬(3〜15万円程度/件)がかかります。 設備投資費・物件取得費は含みません。
開業までの想定期間
最大 約365日
最も時間のかかる許認可の取得期間
複数の許認可を並行して申請できる場合もあります。 ただし、先に取得が必要な許認可がある場合は順番に申請する必要があるため、 余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
決済サービスの開業資金の全体像
許認可費用だけでなく、設備投資や運転資金も含めた開業資金の全体像を把握しましょう。
必須の18件の許認可取得にかかる申請手数料の合計
専門家に申請代行を依頼する場合の報酬。自分で申請する場合は不要
事業に必要な設備・内装等の初期投資の参考額
開業後、売上が安定するまでの運転資金
※ 設備投資額・運転資金は事業規模や地域によって大きく異なります。 上記はあくまで参考値です。実際の開業計画に合わせて、詳細な資金計画を策定してください。 日本政策金融公庫の「創業計画書」の作成をおすすめします。
先輩事業者の声 - 開業前に知っておきたいこと
金融業の登録・許可申請は審査に数ヶ月かかります。事業計画と社内体制を十分に整えてから申請しましょう。
コンプライアンス体制の構築が必須です。社内規程の整備と研修体制の確立を並行して進めましょう。
反社会的勢力との関係遮断体制が求められます。顧客管理システムの導入を検討しましょう。
決済サービスで気をつけるべき法規制
決済サービスに関連する主な法律と、違反した場合の罰則をまとめました。 法令を遵守し、適正な事業運営を行いましょう。
金融商品取引法
金融商品の販売・勧誘ルールを規定。無登録営業には5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科されます。
貸金業法
貸金業の登録基準を規定。上限金利規制や過剰貸付防止義務があります。
犯罪収益移転防止法
顧客の本人確認義務を規定。違反すると行政処分の対象です。
この業種の許認可に関連する法令:
決済サービスの開業に必要な書類まとめ
全ての許認可で必要となる書類を重複なくまとめました。 事前に準備しておくことで、スムーズに申請を進められます。
- ●本人確認書類
マイナンバーカード又は通知カード+運転免許証等
- ●個人事業の開業・廃業等届出書
国税庁サイトからダウンロード可能
- ●車庫の見取図
車庫の位置・面積を示す見取図
- ●車検証の写し
事業用車両の自動車検査証の写し
- ●車両一覧表
事業に使用する車両の一覧
- ●運行管理者の資格証明書
運行管理者試験の合格証明書の写し
- ●役員の履歴書
役員全員の職歴・学歴を記載した履歴書
- ●認定申請書
インターネットバンキングシステムの認定申請書。
- ●FISC基準適合報告書
金融情報システムセンター基準への適合報告書。
- ●ペネトレーションテスト報告書
侵入テストの結果報告書。
- ●BCP(事業継続計画)
システム障害時の事業継続計画。
- ●暗号化方式説明書
通信・データの暗号化方式を記載した書類。
- ●届出書
キャッシュレス決済加盟店管理事業の届出書。
- ●加盟店管理体制説明書
加盟店審査・管理体制を記載した書類。
- ●PCI DSS適合証明書
カード情報セキュリティ基準の適合証明。
- ●キャッシュレス決済加盟店管理事業届出書
所定の様式による届出書
- ●加盟店管理規程
加盟店の審査・管理に関する規程
- ●個人情報保護方針
決済データの取扱いに関する保護方針
- ●PCI DSS準拠証明書
クレジットカード情報セキュリティ基準の準拠証明
- ●本人確認方式説明書
eKYCの技術方式を記載した書類。
- ●犯収法適合証明書
犯罪収益移転防止法への適合を証明する書類。
- ●eKYCサービス届出書
所定の様式による届出書
- ●システム仕様書
本人確認の手法・精度に関する技術仕様書
- ●個人情報保護影響評価書
個人情報・生体情報の取扱いに関する影響評価
- ●セキュリティ対策報告書
データ暗号化・不正検知等のセキュリティ対策報告
- ●サービス概要書
RegTechサービスの概要を記載した書類。
- ●技術仕様書
AML/CFTシステム等の技術仕様書。
- ●RegTechサービス提供届出書
所定の様式による届出書
- ●サービス仕様書
規制対応支援サービスの機能・技術仕様
- ●財務諸表
直近の事業年度の財務諸表
- ●発行・管理計画書
デジタル通貨の発行・管理計画書。
- ●準備金管理体制説明書
法定通貨準備金の管理体制を記載した書類。
- ●AML/CFT対策書
マネーロンダリング対策を記載した書類。
- ●デジタル通貨発行業登録申請書
所定の様式による登録申請書
- ●事業計画書
デジタル通貨の発行・流通計画
- ●マネーロンダリング対策計画書
AML/CFTに関する対策計画
- ●利用者保護方針
デジタル通貨保有者の資産保護方針
- ●登録申請書
デジタル通貨発行業の登録申請書。
- ●特定事業者届出(犯罪収益移転防止法)申請書
特定事業者届出(犯罪収益移転防止法)に必要な所定の様式による申請書
- ●略歴書
申請者の職歴・学歴を記載した略歴書
- ●誓約書
欠格事由に該当しないことを誓約する書面
- ●資本金の額を証する書面
出資金・資本金の払込みを証明する書面
- ●個人情報保護に関する規程
個人情報の取扱いに関する社内規程
- ●派遣元責任者の履歴書
派遣元責任者の職歴を記載した履歴書
- ●資産に関する書面
直近の財務状況を示す書面
- ●反社会的勢力排除に関する誓約書
反社会的勢力との関係がないことの誓約書
- ●苦情処理措置の概要
顧客からの苦情処理体制を記載した書面
- ●内部管理態勢の概要
内部管理・コンプライアンス態勢を記載した書面
- ●事業の概要説明書
事業の内容・規模を記載した説明書
- ●システム構成図
事業に使用するシステムの構成を示す図面
- ●セキュリティ対策の概要
情報セキュリティに関する対策を記載した書面
- ●業務方法書
業務の方法・手順を記載した書面
- ●コンプライアンス・マニュアル
法令遵守のための社内規程・マニュアル
- ●割賦販売業者登録申請書
割賦販売業者登録に必要な所定の様式による申請書
- ●身分証明書
本籍地の市区町村長が発行する身分証明書
- ●資金清算機関免許申請書
資金清算機関免許に必要な所定の様式による申請書
- ●セキュリティ対策書
不正利用防止・セキュリティ対策を記載した書類。
- ●AML/CFT体制説明書
マネーロンダリング対策体制を記載した書類。
- ●内部管理体制規程
内部管理・コンプライアンス体制の規程。
- ●情報管理体制説明書
銀行APIアクセスに関する情報管理体制の説明書。
- ●電子決済等代行業登録申請書
電子決済等代行業登録に必要な所定の様式による申請書
- ●住民票の写し
申請者の住所を証明する住民票(発行から3ヶ月以内)
- ●法人設立登記申請書
法人設立登記に必要な所定の様式による申請書
- ○登記事項証明書
法人の場合は登記事項証明書
- ○登記事項証明書(法人の場合)
法務局発行の法人登記事項証明書
- ○定款の写し(法人の場合)
法人の定款の写し
- ○納税証明書
税務署発行の納税証明書
決済サービスの開業に関するよくある質問
Q. 開業届を出さないとどうなりますか?
A. 罰則はありませんが、青色申告ができない、屋号での銀行口座開設ができない等のデメリットがあります。事業を始めたら速やかに届出しましょう。
Q. 個人事業の開業届の取得にかかる費用と期間はどれくらいですか?
A. 届出手数料は無料〜数千円程度で、手続きは比較的簡単です。必要書類を揃えて提出すれば、通常1〜4週間程度で受理されます。行政書士等に依頼する場合は別途3〜5万円程度の報酬がかかります。
Q. 個人事業の開業届の申請で注意すべきポイントや要件は何ですか?
A. 届出書類の記載内容に不備がないよう、事前に税務署や管轄窓口に確認することをお勧めします。届出後も法令改正に注意し、変更があれば速やかに届出内容を更新してください。関連する他の届出・許可が必要な場合もあるため、事前に全体像を把握しておくことが重要です。
Q. 資金移動業登録の申請に必要な費用はいくらですか?
A. 資金移動業登録の申請手数料は申請先や内容によって異なります。金融庁の管轄窓口に事前にお問い合わせいただくことをお勧めします。
Q. 資金移動業登録の取得にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 資金移動業登録の取得には、申請から約60日〜120日程度かかるのが一般的です。ただし、書類の不備や審査状況によってはさらに時間がかかる場合があります。余裕を持ったスケジュールで申請されることをお勧めします。
Q. 資金移動業登録を取得しないとどうなりますか?
A. 資金移動業登録は法令に基づく資格・許認可です。必要な許認可を取得せずに事業や活動を行った場合、行政処分や罰則の対象となる可能性があります。事業開始前に必ず取得手続きを行ってください。
Q. FISC基準とは何ですか?
A. 金融情報システムセンターが定める金融機関等のシステム安全対策基準のことです。
Q. 認定取得にかかる費用の目安は?
A. セキュリティ監査を含めて数千万円規模の費用がかかります。システムの規模により大きく変動します。
Q. 認定の有効期間は?
A. 3年間です。定期的なセキュリティ監査の実施も認定維持の条件です。
Q. PCI DSS準拠は必須ですか?
A. カード情報を取り扱う決済代行会社はPCI DSS準拠が必須です。