医療機器製造の開業ガイド
必要な許認可・費用・手続きの流れを徹底解説
最終更新: 2026-03-29
18件
必須の許認可
2,801,300〜41,202,300円
費用の目安(合計)
最大730日
想定期間
最大難易度
目次
医療機器製造とは
医療機器製造の開業には、製造する製品の種類に応じた許認可が必要です。品質管理体制の構築と工場の設備基準への適合が重要なポイントとなります。
医療機器の製造
医療機器製造を開業するには、合計19件の許認可が関係します(必須: 18件、条件付き: 1件)。 このガイドでは、それぞれの許認可について費用・期間・必要書類を詳しく解説し、 開業までの具体的なステップをご案内します。
開業までのリアルなタイムライン
全ての許認可取得に25ヶ月程度。並行して進められる手続きもあるため、効率的なスケジュールを組みましょう。
厚生労働省管轄
税務署管轄
原子力規制委員会管轄
都道府県知事管轄
文部科学省/厚生労働省管轄
都道府県管轄
消防署管轄
※ 異なる管轄の許認可は並行して申請できる場合があります。同じ管轄の許認可は順番に申請が必要な場合があります。
医療機器製造の開業までのステップ
事業計画の策定
医療機器製造の事業計画を策定します。事業内容・ターゲット・収支計画を明確にし、必要な許認可を洗い出しましょう。
資金調達・物件確保
開業資金を調達し、営業拠点となる物件を確保します。許認可によっては施設基準があるため、物件選定時に要件を確認しましょう。
許認可の申請・取得
必要な許認可を一つずつ申請していきます。申請順序にも注意が必要です。先に取得が必要な許認可がある場合があります。
届出・登録手続き
税務署への開業届、社会保険の届出、各種届出を行います。法人設立の場合は登記も必要です。
開業・営業開始
全ての許認可を取得し、届出が完了したら営業を開始できます。許認可の更新時期を管理し、期限切れに注意しましょう。
医療機器製造に必要な許認可一覧
必須の許認可(18件)
放射性同位元素を使用する事業者に求められる届出・許可。使用量や種類に応じて届出または許可が必要。
申請ステップを見る(5ステップ)
- 放射線取扱主任者を選任する
- 放射線障害防止のための施設を整備する
- 原子力規制委員会に使用許可申請書を提出する
- 施設の検査が行われる
- 審査通過後、使用許可証が交付される
必要書類(4件)
- ●放射性同位元素使用許可申請書- 使用する放射性物質の種類、量を記載した申請書
- ●放射線障害予防規程- 放射線障害を防止するための規程
- ●施設図面- 放射線施設の設計図面
- ●放射線取扱主任者免状の写し- 放射線取扱主任者の免状の写し
再生医療等製品の製造販売に必要な承認。条件付き早期承認制度の適用が可能。
申請ステップを見る(5ステップ)
- 安全性・有効性に関する非臨床試験を実施する
- 臨床試験を実施する
- PMDAに製造販売承認申請を提出する
- PMDAによる審査が行われる
- 審査通過後、承認が付与される
必要書類(4件)
- ●再生医療等製品製造販売承認申請書- 再生医療等製品の承認申請書
- ●治験データ- 臨床試験のデータパッケージ
- ●製造方法に関する資料- 細胞培養等の製造方法に関する詳細資料
- ●品質管理資料- 製品の品質管理に関する資料
健康管理・診断支援等のデジタルヘルスケアアプリを提供する事業の届出。SaMD(医療機器プログラム)該当判断が必要。
申請ステップを見る(4ステップ)
- 医療機器プログラムへの該当確認
- アプリ仕様・臨床エビデンスを記載した届出書作成
- PMDA・厚生労働省への届出書提出
- 審査完了後の届出受理
必要書類(9件)
- ●届出書- デジタルヘルスケアアプリの届出書。
- ●SaMD該当性判断書- 医療機器プログラムへの該当性判断結果。
- ●アプリ技術仕様書- アプリの技術仕様を記載した書類。
- ●デジタルヘルスケアアプリ届出書- 所定の様式による届出書
- ●アプリケーション仕様書- アプリの機能・データ取扱い等の仕様書
- ●個人情報保護方針- 利用者の個人情報・健康データの保護方針
- ●セキュリティ対策報告書- アプリのセキュリティ対策に関する報告書
- ○登記事項証明書- 法人の場合は登記事項証明書
- ○臨床エビデンス報告書- アプリの有効性に関する臨床エビデンス。
医療用ウェアラブルデバイス(心拍モニター・血糖測定器等)の製造販売届出。クラスII以上の医療機器が対象。
申請ステップを見る(5ステップ)
- 医療機器クラス分類の確認
- 臨床性能試験の実施
- 製造販売届出書の作成
- PMDA による審査
- 届出受理・製造販売開始
必要書類(10件)
- ●QMS適合性調査結果- 品質管理システム適合性調査の結果。
- ●リスクマネジメント報告書- ISO 14971に基づくリスクマネジメント報告書。
- ●ウェアラブル医療機器届出書- 所定の様式による医療機器届出書
- ●製品仕様書- 医療機器の機能・計測精度等の仕様書
- ●生体適合性試験報告書- 皮膚接触部の生体適合性試験結果
- ●電磁両立性(EMC)試験報告書- EMC規格への適合試験報告書
- ●届出書- ウェアラブル医療機器の製造販売届出書。
- ●臨床評価報告書- 臨床性能試験の結果報告書。
- ●製品技術仕様書- 医療機器の技術仕様を記載した書類。
- ○臨床評価報告書- 臨床性能の評価に関する報告書
条件によって必要になる許認可(1件)
医療機器製造の開業にかかる許認可費用の目安
2,801,300〜41,202,300円
必須許認可の取得費用合計(申請手数料のみ)
※ 上記は申請手数料のみの目安です。行政書士に依頼する場合は別途報酬(3〜15万円程度/件)がかかります。 設備投資費・物件取得費は含みません。
開業までの想定期間
最大 約730日
最も時間のかかる許認可の取得期間
複数の許認可を並行して申請できる場合もあります。 ただし、先に取得が必要な許認可がある場合は順番に申請する必要があるため、 余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
医療機器製造の開業資金の全体像
許認可費用だけでなく、設備投資や運転資金も含めた開業資金の全体像を把握しましょう。
必須の18件の許認可取得にかかる申請手数料の合計
専門家に申請代行を依頼する場合の報酬。自分で申請する場合は不要
事業に必要な設備・内装等の初期投資の参考額
開業後、売上が安定するまでの運転資金
※ 設備投資額・運転資金は事業規模や地域によって大きく異なります。 上記はあくまで参考値です。実際の開業計画に合わせて、詳細な資金計画を策定してください。 日本政策金融公庫の「創業計画書」の作成をおすすめします。
先輩事業者の声 - 開業前に知っておきたいこと
製造する製品によって許認可の管轄が異なります。食品なら保健所、化学品なら消防署など、事前に確認しましょう。
工場の立地は用途地域の制限を受けます。工業地域・準工業地域以外では制限がある場合があるため、都市計画課に確認しましょう。
ISO認証の取得は義務ではありませんが、取引先の要求で必要になることが多いです。計画に含めておきましょう。
医療機器製造で気をつけるべき法規制
医療機器製造に関連する主な法律と、違反した場合の罰則をまとめました。 法令を遵守し、適正な事業運営を行いましょう。
工場立地法
一定規模以上の工場の新設・変更に届出が必要。緑地面積や環境施設面積の基準があります。
消防法
危険物を扱う場合、危険物取扱者の選任と保管施設の基準適合が必要です。
労働安全衛生法
従業員の安全と健康を確保するための措置が義務付けられています。
この業種の許認可に関連する法令:
医療機器製造の開業に必要な書類まとめ
全ての許認可で必要となる書類を重複なくまとめました。 事前に準備しておくことで、スムーズに申請を進められます。
- ●診療科目一覧
開設する診療科目の一覧
- ●施設の構造設備の概要
診療所・施設の構造設備を記載した書面
- ●医師免許証の写し
厚生労働大臣発行の医師免許証の写し
- ●管理者の履歴書
施設管理者の職歴・学歴を記載した履歴書
- ●個人事業の開業・廃業等届出書
国税庁サイトからダウンロード可能
- ●本人確認書類
マイナンバーカード又は通知カード+運転免許証等
- ●放射性同位元素使用許可申請書
使用する放射性物質の種類、量を記載した申請書
- ●放射線障害予防規程
放射線障害を防止するための規程
- ●施設図面
放射線施設の設計図面
- ●放射線取扱主任者免状の写し
放射線取扱主任者の免状の写し
- ●認定申請書
オンライン医療システムの認定申請書。
- ●システム技術仕様書
オンライン診療システムの技術仕様書。
- ●セキュリティ監査報告書
第三者機関によるセキュリティ監査報告書。
- ●通信品質試験報告書
映像・音声の通信品質試験結果。
- ●再生医療等製品製造販売承認申請書
再生医療等製品の承認申請書
- ●治験データ
臨床試験のデータパッケージ
- ●製造方法に関する資料
細胞培養等の製造方法に関する詳細資料
- ●品質管理資料
製品の品質管理に関する資料
- ●体外診断用医薬品製造業許可申請書
製造業許可の申請書
- ●GMP関連文書
GMP基準への適合を証明する文書
- ●届出書
健康医療データ利活用の届出書。
- ●データ利活用計画書
医療データの利活用計画を記載した書類。
- ●倫理審査承認書
倫理審査委員会の承認書。
- ●匿名加工情報取扱規程
匿名加工情報の取扱規程。
- ●高度管理医療機器等販売業許可申請書
都道府県所定の様式。
- ●管理者の資格証明書
管理者の資格を証明する書類。
- ●営業所の構造設備図
営業所の配置図。
- ●品質管理体制の説明書
医療機器の品質管理方法。
- ●SaMD該当性判断書
医療機器プログラムへの該当性判断結果。
- ●アプリ技術仕様書
アプリの技術仕様を記載した書類。
- ●デジタルヘルスケアアプリ届出書
所定の様式による届出書
- ●アプリケーション仕様書
アプリの機能・データ取扱い等の仕様書
- ●個人情報保護方針
利用者の個人情報・健康データの保護方針
- ●セキュリティ対策報告書
アプリのセキュリティ対策に関する報告書
- ●QMS適合性調査結果
品質管理システム適合性調査の結果。
- ●リスクマネジメント報告書
ISO 14971に基づくリスクマネジメント報告書。
- ●ウェアラブル医療機器届出書
所定の様式による医療機器届出書
- ●製品仕様書
医療機器の機能・計測精度等の仕様書
- ●生体適合性試験報告書
皮膚接触部の生体適合性試験結果
- ●電磁両立性(EMC)試験報告書
EMC規格への適合試験報告書
- ●臨床評価報告書
臨床性能試験の結果報告書。
- ●製品技術仕様書
医療機器の技術仕様を記載した書類。
- ●設置場所の見取図
無線設備の設置場所を示す見取図
- ●無線設備の工事設計書
無線設備の技術的条件を記載した工事設計書
- ●電波の発射状況の説明書
使用する電波の周波数・出力等の説明書
- ●無線局免許申請書
所定の様式による無線局免許申請書
- ●無線従事者の資格証明書
無線従事者の免許証の写し
- ●動物取扱業登録申請書
所定の様式による動物取扱業の登録申請書
- ●動物取扱責任者の資格証明書
動物取扱責任者の要件を満たすことの証明書
- ●飼養施設の平面図
動物の飼養施設の構造・配置を示す平面図
- ●飼養管理方法の概要
動物の飼養・管理方法を記載した書面
- ●動物の管理に関する計画書
動物の健康管理・繁殖管理等の計画書
- ●従事者名簿
施設に従事する医療従事者の名簿
- ●施設の平面図
施設の構造・配置を示す平面図
- ●開設届出書
所定の様式による開設届出書
- ●防火管理者選任届出書
防火管理者を選任したことの届出書
- ●防火管理者資格証明書
防火管理講習の修了証の写し
- ●消防計画
火災予防・消火活動に関する消防計画
- ●法人設立登記申請書
法人設立登記に必要な所定の様式による申請書
- ●身分証明書
本籍地の市区町村長が発行する身分証明書
- ○登記事項証明書
法人の場合は登記事項証明書
- ○臨床エビデンス報告書
アプリの有効性に関する臨床エビデンス。
- ○エックス線装置届出書
エックス線装置を使用する場合の届出書
- ○納税証明書
税務署発行の納税証明書
- ○定款の写し(法人の場合)
法人の定款の写し
医療機器製造の開業に関するよくある質問
Q. 医療機器製造業登録の申請に必要な費用はいくらですか?
A. 医療機器製造業登録の申請手数料は30,000円〜50,000円程度です。申請先は厚生労働省となります。なお、手数料は自治体や申請内容によって異なる場合がありますので、事前に管轄窓口へご確認ください。
Q. 医療機器製造業登録の取得にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 医療機器製造業登録の取得には、申請から約30日〜60日程度かかるのが一般的です。ただし、書類の不備や審査状況によってはさらに時間がかかる場合があります。余裕を持ったスケジュールで申請されることをお勧めします。
Q. 医療機器製造業登録の更新は必要ですか?
A. はい、医療機器製造業登録は5年ごとに更新が必要です。更新手続きには有効期限が切れる前に申請する必要があります。更新を怠ると許認可が失効し、業務を継続できなくなる可能性がありますのでご注意ください。
Q. 開業届を出さないとどうなりますか?
A. 罰則はありませんが、青色申告ができない、屋号での銀行口座開設ができない等のデメリットがあります。事業を始めたら速やかに届出しましょう。
Q. 個人事業の開業届の取得にかかる費用と期間はどれくらいですか?
A. 届出手数料は無料〜数千円程度で、手続きは比較的簡単です。必要書類を揃えて提出すれば、通常1〜4週間程度で受理されます。行政書士等に依頼する場合は別途3〜5万円程度の報酬がかかります。
Q. 個人事業の開業届の申請で注意すべきポイントや要件は何ですか?
A. 届出書類の記載内容に不備がないよう、事前に税務署や管轄窓口に確認することをお勧めします。届出後も法令改正に注意し、変更があれば速やかに届出内容を更新してください。関連する他の届出・許可が必要な場合もあるため、事前に全体像を把握しておくことが重要です。
Q. 放射性物質使用届出とはどのような届出ですか?
A. 放射性同位元素等の規制に関する法律に基づき、放射性物質を使用する事業者が原子力規制委員会に届け出る制度です。研究機関、医療機関、工業利用などが対象です。
Q. 放射線取扱主任者免状の取得方法は?
A. 国家試験に合格し、指定講習を修了することで免状が交付されます。
Q. 放射性物質の使用記録はどのくらい保存する必要がありますか?
A. 使用記録は5年間保存する義務があります。帳簿の記載内容は法令で定められています。
Q. 届出にかかる費用と手続きは?
A. 届出・許可手数料は数万〜数十万円です。放射線取扱主任者の選任が必要で、免許取得には国家試験の合格が必要です。施設の放射線防護設備の整備に数百万〜数千万円かかります。