介護事業の開業ガイド
必要な許認可・費用・手続きの流れを徹底解説
最終更新: 2026-04-16
48件
必須の許認可
97,000〜1,890,000円
費用の目安(合計)
最大365日
想定期間
最大難易度
目次
介護事業とは
介護事業の開業には、利用者の安全と福祉を守るため、人員配置基準や設備要件が詳細に定められています。自治体との事前協議が不可欠です。
訪問介護、通所介護、居宅介護支援等の介護保険サービスを提供する業種です。
介護事業を開業するには、合計54件の許認可が関係します(必須: 48件、条件付き: 6件)。 このガイドでは、それぞれの許認可について費用・期間・必要書類を詳しく解説し、 開業までの具体的なステップをご案内します。
開業までのリアルなタイムライン
全ての許認可取得に13ヶ月程度。並行して進められる手続きもあるため、効率的なスケジュールを組みましょう。
都道府県管轄
厚生労働省管轄
都道府県 / 市区町村管轄
市区町村管轄
国土交通省管轄
法務局管轄
消防署管轄
消防機関管轄
税務署管轄
※ 異なる管轄の許認可は並行して申請できる場合があります。同じ管轄の許認可は順番に申請が必要な場合があります。
介護事業の開業までのステップ
事業計画の策定
介護事業の事業計画を策定します。事業内容・ターゲット・収支計画を明確にし、必要な許認可を洗い出しましょう。
資金調達・物件確保
開業資金を調達し、営業拠点となる物件を確保します。許認可によっては施設基準があるため、物件選定時に要件を確認しましょう。
許認可の申請・取得
必要な許認可を一つずつ申請していきます。申請順序にも注意が必要です。先に取得が必要な許認可がある場合があります。
届出・登録手続き
税務署への開業届、社会保険の届出、各種届出を行います。法人設立の場合は登記も必要です。
開業・営業開始
全ての許認可を取得し、届出が完了したら営業を開始できます。許認可の更新時期を管理し、期限切れに注意しましょう。
介護事業に必要な許認可一覧
必須の許認可(48件)
居宅での訪問リハビリテーションを提供するための事業所指定。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の配置が必要。
申請ステップを見る(4ステップ)
- 人員配置の確認
- 都道府県に指定申請
- 審査
- 指定通知の交付
必要書類(5件)
- ●訪問リハビリテーション事業所指定申請書- 訪問リハビリテーション事業所指定に必要な所定の様式による申請書
- ●登記されていないことの証明書- 成年被後見人等に登記されていないことの証明書
- ●住民票の写し- 申請者の住所を証明する住民票(発行から3ヶ月以内)
- ○役員名簿(法人の場合)- 法人の役員の氏名・住所一覧
- ○定款の写し(法人の場合)- 法人の定款の写し
通所リハビリテーション(デイケア)を提供するための事業所指定。医師と理学療法士等の配置が必要。
申請ステップを見る(4ステップ)
- 医師・リハビリ職の確保
- 施設基準の確認
- 都道府県に指定申請
- 指定通知の交付
必要書類(4件)
- ●通所リハビリテーション事業所指定申請書- 通所リハビリテーション事業所指定に必要な所定の様式による申請書
- ●登記されていないことの証明書- 成年被後見人等に登記されていないことの証明書
- ●申請書- 所定の様式に必要事項を記入した申請書
- ●本人確認書類- 運転免許証やマイナンバーカード等の本人確認書類の写し
条件によって必要になる許認可(6件)
NPO法人が税制優遇を受けるための認定
※ 認定NPO法人の認定を受ける場合
申請ステップを見る(3ステップ)
- 所轄庁に認定申請
- パブリックサポートテスト等の確認
- 認定の交付
必要書類(5件)
- ●認定NPO法人認定申請書- 認定NPO法人認定に必要な所定の様式による申請書
- ●登記されていないことの証明書- 成年被後見人等に登記されていないことの証明書
- ○定款の写し(法人の場合)- 法人の定款の写し
- ○登記事項証明書(法人の場合)- 法務局発行の法人登記事項証明書
- ○印鑑証明書- 申請者の印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内)
介護事業の開業にかかる許認可費用の目安
97,000〜1,890,000円
必須許認可の取得費用合計(申請手数料のみ)
※ 上記は申請手数料のみの目安です。行政書士に依頼する場合は別途報酬(3〜15万円程度/件)がかかります。 設備投資費・物件取得費は含みません。
開業までの想定期間
最大 約365日
最も時間のかかる許認可の取得期間
複数の許認可を並行して申請できる場合もあります。 ただし、先に取得が必要な許認可がある場合は順番に申請する必要があるため、 余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
介護事業の開業資金の全体像
許認可費用だけでなく、設備投資や運転資金も含めた開業資金の全体像を把握しましょう。
必須の48件の許認可取得にかかる申請手数料の合計
専門家に申請代行を依頼する場合の報酬。自分で申請する場合は不要
事業に必要な設備・内装等の初期投資の参考額
開業後、売上が安定するまでの運転資金
※ 設備投資額・運転資金は事業規模や地域によって大きく異なります。 上記はあくまで参考値です。実際の開業計画に合わせて、詳細な資金計画を策定してください。 日本政策金融公庫の「創業計画書」の作成をおすすめします。
先輩事業者の声 - 開業前に知っておきたいこと
自治体によって独自の上乗せ基準がある場合があります。開業予定地の自治体に早めに相談しましょう。
人員配置基準を満たすスタッフの確保が最大の課題です。開業の半年前から採用活動を始めることをおすすめします。
補助金・助成金の活用も検討しましょう。申請には事業計画書が必要なため、早めに準備を始めてください。
介護事業で気をつけるべき法規制
介護事業に関連する主な法律と、違反した場合の罰則をまとめました。 法令を遵守し、適正な事業運営を行いましょう。
社会福祉法
社会福祉事業の運営基準を定めた法律。事業所の設備・人員基準の遵守が義務付けられています。
児童福祉法
児童に関する福祉サービスの基準を規定。無届営業や基準違反には事業停止命令が出されます。
介護保険法
介護サービス事業者の指定基準を規定。不正請求には返還金と加算金が課されます。
この業種の許認可に関連する法令:
介護事業の開業に必要な書類まとめ
全ての許認可で必要となる書類を重複なくまとめました。 事前に準備しておくことで、スムーズに申請を進められます。
- ●訪問リハビリテーション事業所指定申請書
訪問リハビリテーション事業所指定に必要な所定の様式による申請書
- ●登記されていないことの証明書
成年被後見人等に登記されていないことの証明書
- ●住民票の写し
申請者の住所を証明する住民票(発行から3ヶ月以内)
- ●設置届出書
老人短期入所施設の設置届出書
- ●施設の図面
居室・浴室等の平面図
- ●職員配置計画
介護職員等の配置計画
- ●車庫証明書
自動車の保管場所を証明する車庫証明書
- ●自動車損害賠償責任保険証明書
自賠責保険の加入を証明する書面
- ●運転者の免許証の写し
車両を運転する者の運転免許証の写し
- ●運営規程
施設の運営に関する規程
- ●職員名簿
職員の名簿・資格証明
- ●認可申請書
養護老人ホームの認可申請書
- ●施設の図面・設備一覧
居室・食堂等の平面図
- ●職員配置計画書
生活相談員等の配置計画
- ●指定申請書
介護福祉士養成施設の指定申請書
- ●教育課程表
介護福祉士養成カリキュラム
- ●実習施設との協定書
介護実習施設との連携協定
- ●福祉用具専門相談員の資格証明書
福祉用具専門相談員の資格を証する書類
- ●事業所の平面図
福祉用具の保管場所を含む平面図
- ●重要事項説明書
入居者に交付する重要事項説明書
- ●施設の平面図
施設の構造・配置を示す平面図
- ●管理者の経歴書
管理者の職歴・資格を記載した経歴書
- ●従業者の勤務体制一覧表
従業者のシフト・勤務体制の一覧
- ●専門職員の名簿
コンサルタント職員の経歴書
- ●登録申請書
地域福祉計画策定支援事業者の登録申請書
- ●実績書
過去の計画策定支援実績
- ●苦情処理の体制
利用者からの苦情処理体制を記載した書面
- ●施設整備計画書
施設の建設・整備に関する計画書
- ●社会福祉法人認可証の写し
設置主体である社会福祉法人の認可証
- ●資金計画書
建設費用・運営費用の資金計画
- ●運送約款
荷主との間の運送約款
- ●運行管理者の資格証明書
運行管理者試験の合格証明書の写し
- ●整備管理者の資格証明書
整備管理者の資格を証明する書面
- ●事業計画書
福祉事業の計画を記載した事業計画書
- ●利用者との契約書の雛形
サービス利用契約書の雛形
- ●開設届出書
所定の様式による開設届出書
- ●従事者名簿
施設に従事する医療従事者の名簿
- ●施設の構造設備の概要
診療所・施設の構造設備を記載した書面
- ●法人設立登記申請書
法人設立登記に必要な所定の様式による申請書
- ●身分証明書
本籍地の市区町村長が発行する身分証明書
- ●通所リハビリテーション事業所指定申請書
通所リハビリテーション事業所指定に必要な所定の様式による申請書
- ●申請書
所定の様式に必要事項を記入した申請書
- ●本人確認書類
運転免許証やマイナンバーカード等の本人確認書類の写し
- ●医師免許証の写し
厚生労働大臣発行の医師免許証の写し
- ●車検証の写し
対象車両の自動車検査証の写し
- ●診療科目一覧
開設する診療科目の一覧
- ●サービス付き高齢者向け住宅登録申請書
サービス付き高齢者向け住宅登録に必要な所定の様式による申請書
- ●誓約書
欠格事由に該当しないことを誓約する書面
- ●地域移行支援事業所指定申請書
地域移行支援事業所指定に必要な所定の様式による申請書
- ●地域定着支援事業所指定申請書
地域定着支援事業所指定に必要な所定の様式による申請書
- ●救護施設認可申請書
救護施設認可に必要な所定の様式による申請書
- ●防火管理者選任届出書
防火管理者を選任したことの届出書
- ●防火管理者資格証明書
防火管理講習の修了証の写し
- ●消防計画
火災予防・消火活動に関する消防計画
- ●自動車の使用届出書
所定の様式による自動車の使用届出書
- ●講師の履歴書
講師の職歴・学歴・資格を記載した履歴書
- ●青色申告承認申請書
所定の様式による青色申告承認申請書
- ●車両一覧表
事業に使用する車両の一覧
- ●有料老人ホーム設置届出受理証の写し
基盤施設の設置届出受理証
- ●医師等の配置証明書
医師・歯科医師・薬剤師等の配置証明
- ●事業所の概要
事業所の所在地・設備等の概要
- ●地域包括支援センター設置届出申請書
地域包括支援センター設置届出に必要な所定の様式による申請書
- ●消防用設備等点検結果報告書
消防用設備の点検結果の報告書
- ●個人事業の開業・廃業等届出書
国税庁サイトからダウンロード可能
- ●NPO法人認証申請書
NPO法人認証に必要な所定の様式による申請書
- ●車庫の見取図
車庫の位置・面積を示す見取図
- ●認定NPO法人認定申請書
認定NPO法人認定に必要な所定の様式による申請書
- ○役員名簿(法人の場合)
法人の役員の氏名・住所一覧
- ○定款の写し(法人の場合)
法人の定款の写し
- ○協力医療機関との契約書
緊急時の協力医療機関との契約書の写し
- ○納税証明書
税務署発行の納税証明書
- ○エックス線装置届出書
エックス線装置を使用する場合の届出書
- ○印鑑証明書
申請者の印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内)
- ○登記事項証明書(法人の場合)
法務局発行の法人登記事項証明書
- ○施設の写真
施設の外観・内部の写真
介護事業の開業に関するよくある質問
Q. 訪問リハビリテーション事業所指定の申請に必要な費用はいくらですか?
A. 訪問リハビリテーション事業所指定の申請手数料は0円〜20,000円程度です。申請先は都道府県となります。なお、手数料は自治体や申請内容によって異なる場合がありますので、事前に管轄窓口へご確認ください。
Q. 訪問リハビリテーション事業所指定の取得にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 訪問リハビリテーション事業所指定の取得には、申請から約30日〜60日程度かかるのが一般的です。ただし、書類の不備や審査状況によってはさらに時間がかかる場合があります。余裕を持ったスケジュールで申請されることをお勧めします。
Q. 訪問リハビリテーション事業所指定の更新は必要ですか?
A. はい、訪問リハビリテーション事業所指定は6年ごとに更新が必要です。更新手続きには有効期限が切れる前に申請する必要があります。更新を怠ると許認可が失効し、業務を継続できなくなる可能性がありますのでご注意ください。
Q. 老人短期入所施設の利用期間の上限は?
A. 介護保険制度では、連続30日が上限です。ただし、やむを得ない理由がある場合は市区町村の判断で延長可能です。
Q. 老人短期入所施設設置届出の取得にかかる費用と期間はどれくらいですか?
A. 申請手数料は数千円〜数万円程度です。申請から許可・登録まで1〜3ヶ月程度かかるのが一般的です。必要な設備投資や専門家への依頼費用を含めると、総額数十万〜数百万円程度を見込んでおくとよいでしょう。
Q. 老人短期入所施設設置届出の申請で注意すべきポイントや要件は何ですか?
A. 申請前に厚生労働省の最新の基準・ガイドラインを確認してください。人員配置基準、設備基準、安全管理体制などの要件を全て満たす必要があります。書類不備による差戻しが多いため、事前相談を活用し、申請書類は専門家にチェックを依頼することを推奨します。更新手続きの期限管理も重要です。
Q. 介護事業所指定の申請に必要な費用はいくらですか?
A. 介護事業所指定の申請手数料は申請先や内容によって異なります。都道府県 / 市区町村の管轄窓口に事前にお問い合わせいただくことをお勧めします。
Q. 介護事業所指定の取得にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 介護事業所指定の取得には、申請から約30日〜90日程度かかるのが一般的です。ただし、書類の不備や審査状況によってはさらに時間がかかる場合があります。余裕を持ったスケジュールで申請されることをお勧めします。
Q. 介護事業所指定の更新は必要ですか?
A. はい、介護事業所指定は6年ごとに更新が必要です。更新手続きには有効期限が切れる前に申請する必要があります。更新を怠ると許認可が失効し、業務を継続できなくなる可能性がありますのでご注意ください。
Q. 老人デイサービスセンターと通所介護事業所の違いは?
A. 老人デイサービスセンターは老人福祉法に基づく施設で、通所介護事業所は介護保険法に基づく事業所です。実際には同一施設が両方の指定・届出を行うことが一般的です。